イーロン・マスク氏率いるxAIは2月17日(米国時間)、最新のAIモデル「Grok 3」をリリースした。これに伴い、X(旧Twitter)は同モデルを利用できる最上位プラン「Premium+(プレミアムプラス)」のサブスクリプション料金を大幅に引き上げた。

Xプレミアムは、ベーシック、プレミアム、プレミアムプラスの3階層で構成され、上位プランほど利用可能な機能が増える。Xの公式サポートページによると、米国におけるプレミアムプラスの月額料金は22ドルから40ドルへと約82%値上げされた。年間プランは299ドルから395ドルへと約32%引き上げられた。今後、米国外の国・地域にも値上げが広がると見られる。Xプレミアムの料金は米国価格を基準に各国向けに調整されるが、為替の影響などにより値上げ幅は国・地域によって異なる。

  • 米国でXプレミアムプラス値上げ

    米国でXプレミアムプラス値上げ

Grok 3は、前世代のGrok 2と比較して10倍以上のコンピューティング・パワーを用いて開発された。トレーニングには、フェーズ1(122日間)で約10万個のGPUを使用し、フェーズ2(92日間)では20万個に拡張したという。

xAIによると、Grok 3はAIME(数学の問題を用いた評価)やGPQA(汎用的な質問応答能力の評価)といったベンチマークにおいて、GPT-4oやDeepSeek V3を上回る成績を記録した。 Chatbot Arenaリーダーボードにおいて、初期バージョンの「chocolate (Early Grok-3) 」がトップに立っている。OpenAIやGoogleのAIモデルと競合する最先端の能力を備えたモデルであり、短期間でこの水準に達したxAIの開発力にも注目が集まっている。

Grok 3ファミリーには、「Grok-3」と「Grok-3 mini」、さらに思考型の「Grok-3 Reasoning Beta」と「Grok-3 mini Reasoning」が含まれ、「DeepSearch」に対応する。WEB 検索と推論機能を組み合わせて複数の情報源を分析し、詳細なレポートを生成できる。また、推論プロセスを可視化する「Think」機能や、複雑なタスクに追加の計算リソースを割り当てる「Big Brainモード」など、高度な問題解決を支援する機能も搭載されている。

このGrok 3に、Xのプレミアムプラスの加入者は最初にアクセスできる。ただし、xAIは「SuperGrok」というAIサービスも提供し、こちらのサブスクリプションでは「Think」など最先端の機能が利用可能になる。