AI機能はオーソドックスな定番機能を搭載
最近のXiaomiスマートフォンに搭載されているAI機能もきちんと搭載されています。
AI字幕は、動画にリアルタイムの字幕を挿入する機能で、その言語だけでなく翻訳もしてくれます。レコーダー機能では文字起こしやテキスト生成した文章の要約、翻訳もできます。AI通訳として、リアルタイムに相互翻訳してくれる機能も搭載します。
ギャラリーアプリでは、空を置き換える機能や生成AIで背景を拡張する機能、人や線、オブジェクトを消す機能などが利用できます。
空の置き換え機能
画像の拡張
オブジェクトの消去
-
さまざまなメーカーが提供している、映り込んだ人物を消す機能
-
これもシーンによりますが、きれいに消える場合も多いです
-
手動で選択して消そうとしてみました
-
生成AIなので、新たに何かが生み出されてしまう場合もままあります
いずれの機能も、かなりの精度の高さを誇ります。特に音声認識は良好です。ただ、いずれもネットワーク接続が必須で、データはXiaomiのサーバーに送信されます。少なくとも機密情報を扱う場合は利用しない方が賢明でしょう。
サーバーでの変換が必要なので、多少の待ち時間はありますが、どの機能も動作は快適で、AI処理の性能も十分でした。
扱いやすいスマホカメラ
カメラは、メインとして有効画素数5,000万画素1/1.95型のソニー製IMX882センサーを搭載。4つのピクセルを1ピクセルとして扱うピクセルビニングに対応し、1.6μmのピクセルピッチを実現。レンズは6枚構成でF値はF1.5。超広角カメラも搭載し、800万画素/F2.2のカメラとなっています。
カメラ機能としてはシンプル。800万画素の超広角カメラの画質はそこそこなので、基本的にはメインカメラでの撮影が主になるでしょう。このあたりはコストを抑えた部分という感じです。とはいえ、5,000万画素のピクセルビニングなので、メインカメラは必要十分な画質になります。
個人的には、ダイヤル風のUIで設定できる露出補正が便利でした。スマホカメラの多くは露出補正が使いにくいものですが、本機の露出補正はサッと補正でき、構図を変えても補正が維持されるという使いやすいものとなっていました。
左は露出補正のUI。タッチした場所でAF/AEを設定するだけでなく、露出だけをダイヤルで設定できて便利。右はポートレートモードのUI。デジタルズームですが、35mm判換算の焦点距離で画角を変えられます
派手めの描写なので、露出をマイナス補正にすると落ち着いた雰囲気になって好みの画質になりました。さすがにXiaomi 14 UltraやXiaomi 14T Proのようなカメラ特化のスマートフォンレベルとまではいきませんが、必要な機能はカバーされているので、重視する機能に合わせてチョイスするといいでしょう。
-
基本的には明るめに描写して見栄えを優先した写り
-
白トビよりも黒ツブレを避ける傾向にある印象です
-
そのまま撮影するより明るい場所にタッチして露出を合わせたほうが適正な露出になりそうです
-
これもダイヤルでマイナス2の補正をしています。グッとリアルになります
-
超広角カメラは決して高画質ではありませんが、スナップ用途であれば問題ないでしょう
-
超広角カメラでの夜景
-
ポートレートモードで35mm相当の画角で撮影。デジタル処理ですが、背景との分離も良好
-
メインカメラのピクセルビニングによって夜景の描写も十分なレベル
前述のように、撮影した画像のAI処理機能があり、観光地で映り込んだ人を消す、ガラスなどの反射を消すといったぐらいなら便利に使えそうです。AI処理した画像に対しては、AI処理したことを示すコンテンツ認証などの情報を付与してくれたら、なお良かったところです。
手軽な価格の高性能スマホ、非対応の機能があることを踏まえて選択を
「POCO X7 Pro」は、ハイパフォーマンスのスペックを備えながら、5万円からという価格が最大の魅力です。全体的な出来も良く、勢いのあるメーカーという印象です。
おサイフケータイやワイヤレス充電、eSIMには非対応ですが、不要な人にとっては不要な機能でしょうし、このあたりは自分が使う機能を考えて選択するといいでしょう。おサイフケータイ用の1台と高性能マシンとして「POCO X7 Pro」を選ぶ、という2台体制も良さそうです。
昨今の端末価格の上昇に比べれば、ゲーミング性能を除いても、手軽に手の届く高性能スマートフォンとして、購入の選択肢になりそうです。