いま、複数のメーカーが衣類を収納するだけで除菌や除臭、シワとりといった衣類ケアができる「ロッカー型の衣類ケア家電」を発売しています。
日本においてこのジャンルの元祖といえば2017年から発売スタートしたLGエレクトロニクスの「LG Styler」。そんなLG Styrerに待望の新シリーズ「The All New LG Styler」(SC5GMR80H)が登場しました。
新製品は基本性能が大きくパワーアップしたほか、なんとハンディスチーマー機能まで搭載しました。実際の使い勝手はどのようなものなのか? 旧シリーズを自腹購入した筆者が発表会にて実機をチェックしてきました。
本体サイズがアップして5着同時ケアが可能に
LG Styrerシリーズは、ハンガーにかけた衣類を振動させつつ、庫内に高温スチームを充満、さらにヒートポンプによる乾燥ケアを行うことで衣類ケアができる家電です。
「振動」「高温スチーム」「ヒートポンプ乾燥」の3つの効果により、衣類に付着したホコリや花粉の除去からシワ伸ばし、除菌、除臭、衣類乾燥、ズボンプレス、ダウンのふくらみの復活、そして寒い日の衣類あたためまで幅広いケアができます。
新製品ではケアできる衣類点数がアップ。従来は振動ハンガー×3、ズボン×1本という「3着モデル」が標準サイズでしたが、新製品は振動ハンガーが5本まで同時利用できる「5着モデル」のみのラインナップになりました。
衣類ケアの基本機能はすべてパワーアップ
新製品ではケアの各機能がパワーアップしています。
たとえば、従来は左右に動くだけだった「振動」機能は、ひねり動作が加わることでより多くの花粉やホコリが落とせ、シワ伸ばしも強力になりました。振動数も従来の最大180回/分から最大350回/分に増えています。
「高温スチーム」機能は2本のヒーターを使い分けることが可能になりました。
デリケートな衣類には内側のヒーターだけを使用し、短時間で素早くケアしたい場合は内外のヒーターを同時に利用するなど、コースに応じたスチームコントロールが可能になったのです。
また「ヒートポンプ乾燥」もヒートポンプの構造を見直すことで乾燥能力がアップしています。
ちなみに、LG Styrerはヒートポンプを使って、本体を置いた部屋を除湿する「室内を除湿」運転モードも搭載しています。従来モデルは室内除湿をする場合、LG Styrerの扉を開いて動かす必要がありましたが、新モデルでは扉を閉めたままでも除湿ができるようになりました。
これは便利! 手動で使える衣類スチーマーが付属に
基本性能の強化だけではなく、まったく新しい機能も搭載されました。それが「Built-in HandySteamer」。LG Stylerの強力な高圧スチームを、手元のハンディスチーマーから噴射させることで超パワフルな衣類スチーマーとして利用できるという画期的な機能です。
本機能の注目ポイントは、なんといってもスチームの強さ。一般的な衣類スチーマーは15g/分のスチーム量があれば「パワフル」といわれますが、新製品はLG Stylerの大きくて強力なヒーターを利用するため、なんと強モードなら75g/分というスチーム量にもなります。
実際に使ってみると、最強モードだと最初は勢いに驚いてしまうほどのスチーム量がありました。ただし、パワフルな一方、余熱には2分前後の時間が必要と、立ち上がりに少し時間がかかるというデメリットもあります。
ズボンプレス機能もシワを延ばしやすく改善
新製品もうひとつの大きな進化が、ズボンプレス機能。従来はズボン用ハンガーにズボンを吊したうえ「ズボン折り目ケアプレート」でズボンを押さえつけ、折り目のあるズボンプレスを実現していました。
一方、新製品はドア上面にあるクリップにズボンを挟む仕様なのでハンガーがいりません。また、吊るしたズボンを二つ折りにすることで、膝裏のシワまでしっかりと伸びる構造です。
さて、ここまで色々見てみましたが、今回新製品をチェックした筆者の感想は「置く場所さえなんとかなるなら、旧製品からの買い換えも検討もあり」というもの。
筆者は仕事でスーツをよく着用するため、ジャケットのケアやYシャツのシワ伸ばしに旧LG Stylerを利用していますが「振動とスチーム」だけでは落ちないシワももちろんあります。
そんな場合でも、新The All New LG Stylerならその場でササッと手軽にシワ伸ばしができます。従来までのLG Stylerは衣類を全体的にケアできていましたが、新製品は全体ケアもピンポイントケアも両方できるオールラウンドな製品になったという印象です。