インターネットイニシアティブ(IIJ)は2024年11月8日、2025年度3月期の第2四半期の決算を発表した。若干の減益にはなったものの、堅調な業績を続けている。

  • IIJは2025年度3月期の第2四半期の決算を発表

減益だが利益は回復傾向

  • 右から、決算を発表する鈴木幸一代表取締役会長兼Co-CEO、勝栄二郎代表取締役社長兼Co-CEO&COO、渡井昭久専務取締役兼CFO

第2四半期の連結売上は前年同期比14.7%増の1470.2億円、営業利益は前年同期比2.5%減の117.8億円と、増収・減益となった。減益の要素としては、前期から続いて米ブロードコムによるVMwareのライセンス改変による影響が大きいとしつつも、この影響は価格改定等により吸収が進んでおり、第2四半期単体としては2.2億円の増益となっている。

全体としてはサービスインテグレーションで日本IBM・三菱UFJ銀行と共同で開発した地域金融向け新共同プラットフォームなど、大型案件の獲得が恒常化しているほか、セキュリティ事業での売り上げも17.2%増と、大幅に伸長しているという。

  • 第2四半期の連結業績サマリー。減益ではあるが、売り上げは堅調に推移している

モバイルサービスでは、法人向けモバイルサービスが引き続き成長を続けており、回線数で前四半期比17万、売り上げも6.6億円増加している。個人向けモバイルサービスのIIJmioは、回線数が前四半期比+0.5万となる129.4万回線、売り上げは3.2億円増を記録した。旧プランの回線数は19.5万件と、全体の85%がギガプランへ移行しているとのこと。

  • モバイル・IoT事業の推移。法人モバイルの伸びが顕著。MVNEや個人モバイルも緩やかではあるが、順調に回線数を積み上げている

AIによるシステム開発を目指す

IIJの鈴木会長は記者からの「生成AIに関してIIJはどのような取り組みをしているか」という質問に関連して、「AI実験研究室を設立して11月から室長になった」と明かし、社内から自由に人員を集めてAIに取り込んでいくとした。またかつてコンピュータが工業の自動化・省力化を支えたように、次はコンピュータシステム構築の省力化を生成AIが支えていくのではないかとし、IIJとして次の事業の核にしたいとした。