10月31日、流行情報誌「日経トレンディ」が毎年恒例の「2024年ヒット商品ベスト30」を発表。デジタル機器では、1インチセンサー搭載でより高画質に、画面も大きくなったDJIのジンバルカメラ「Osmo Pocket 3」が2024年ヒット商品に見事ランクイン。2025年のヒット予測では、日常生活をアシストする存在になる「肩掛けプライベートAI」が1位に、“電話は苦手だけど電話のようなライブ感のあるメッセージのやり取りをしたい”と考えるZ世代に浸透し始めたテキスト“通話”アプリ「Jiffcy」が次世代ヒットとして名が挙がりました。

  • 日経トレンディが、毎年恒例となっている「2024年ヒット商品ベスト30」と「2025年ヒット予測ベスト30」を発表した

  • 今年の顔に選ばれた目黒蓮さん(左)とあのちゃん(中央)。右は、来年の顔に選ばれた板垣李光人さん

2024年は「少しでもトクできる」商品がヒット

2024年ヒット商品ベスト30では、所得が増えないのに物価高が続く状況のなか、「少しでもトクしたい」という意識の高まりを受けて、共通ポイント「Vポイント」や鉄道料金が安くなる「JRE BANK」などがランクインしました。IT&デジタル関連でベスト30にランクインしたおもな商品やサービスは以下の通りです。

順位 商品名 概要
3位 Vポイント Tポイントと旧Vポイントが統合、会員規模は8600万人規模に。提携店舗は3万店増加
7位 スイカゲーム ダウンロード数は1100万超え。スマートフォン版は偽物アプリが多数登場したほど
9位 Temu 中国発の越境EC。日本国内に設置した工場からの直送システムも確立
17位 Osmo Pocket 3 1インチセンサーを搭載したジンバルカメラの最新モデルがロングヒット。Vlog需要を総取り、ビデオカメラ市場で29.6%の圧倒的シェア獲得
24位 コリコランワイド パナソニックの高周波治療器。肩や腰に当てれば肩こりや腰痛を癒やせる。スーツや上着を羽織れば周りに気づかれず使える
27位 JRE BANK 鉄道運賃が安くなる特典がこれまでの銀行にないと話題に。口座の申し込みは約5カ月で約41万件に
  • DJIのジンバルカメラ「Osmo Pocket 3」。1インチセンサー搭載で高画質になったのに加え、背面液晶が回転式になって縦位置動画を撮影しやすくなったのも支持を集めた

  • パナソニックの高周波治療器「コリコランワイド」。低周波ではなく高周波なので、チクチクした感触がなくずっと装着してコリをほぐせる

  • 薄型なので、スーツの下に装着していても目立たない

  • 何かと話題の越境ECサイト「Temu」もランクイン。国内の工場から配送する仕組みも整え、すぐ届く点もアピール

2025年は新感覚のメッセージアプリ「Jiffcy」がブレイクか?

2025年のヒットを占うヒット予測ベスト30でランクインしたIT&デジタル関連のおもな商品やサービスは以下の通りです。

順位 商品名 概要
1位 肩掛けプライベートAI 人間の目と耳に代わり、行動を記録しつつAIがアドバイスを行う。メガネ型デバイスに代わる存在として普及へ
2位 サブスクスーパーバンドリング さまざまなサブスクをまとめて管理、セット割引できるツールを提供。2025年には国内の携帯キャリアでも導入が始まる見込み
10位 Jiffcy 電話が苦手なZ世代に流行り始めているテキスト通話アプリ。まるで電話をしている感覚でテキストでのコミュニケーションが図れる
24位 インフラゲーム 「社会貢献できる位置ゲー」として話題に。身の回りにある電柱やマンホールを撮影するとポイントが獲得できる
29位 ポケポケ 「ポケカ」をデジタル収集できるスマホアプリ

1位になったのは「肩掛けプライベートAI」。少し前に流行ったネックスピーカーのような形状ながら、先端にカメラやマイクを搭載しており、装着者の周囲の状況をAIが把握し、状況に合わせて指示を出したりします。工場や機器メンテナンスなどの現場ではすでに導入されているが、家庭への普及も見込んでいます。料理では「みりんを大さじ1、酒を大さじ2、入れてください」「火加減が強いので弱めてください」といった指示をしてくれるようになるかもしれません。

  • 2025年ヒット予測ベスト30の1位に入った「肩掛けプライベートAI」。これはフェアリーデバイセズのビジネス向けモデル「THINKLET」。先端にカメラやマイクを搭載しており、装着者の目と耳と同様に周囲の状況を把握できる

  • こちらは、個人ユーザーをターゲットにしたシャープの「AIスマートリンク」。2025年発売を目指しているという

  • ソースネクストの「バーディートーク」もプライベートAIとして挙げられた

2位の「サブスクスーパーバンドリング」は、いちいち運営会社のWebサイトにログインして管理する必要がある各種サブスクサービスを、携帯キャリアなどで一元管理できるようになるサービス。契約状態をまとめて確認できるほか、複数のサブスクをまとめて契約すると割引が受けられる特典も期待できます。このサービスを運営するBango(バンゴ)社によると、2025年には国内の一部携帯キャリアでサービスの提供が始まるとのこと。

  • サブスクスーパーバンドリングを手がけるBango。日本の通信キャリアでBangoのサブスクスーパーバンドリングが始まっても、Bangoの名前は出てこないといい、黒子に徹する企業なのだ

10位に入った「Jiffcy」(ジフシー)は、日本のベンチャー企業である穴熊がリリースしたスマートフォン用のテキスト通話アプリ。LINEと異なるのが、やり取りしたい相手を電話のように呼び出して、相手が応じてトークが始まると入力した文字が1文字ずつリアルタイムに表示されるのが特徴。まるで電話をしている感覚でテキストでのコミュニケーションが図れる点が、先進的なZ世代に早くも注目され、ユーザー全体の90%超が学生というデータも。

  • 電話のような感覚を取り入れたメッセージアプリ「Jiffcy」。入力中の文字がお互いにリアルタイムに表示され、電話感覚でテキストコミュニケーションが楽しめる

24位の「インフラゲーム」は、身の回りにある電柱やマンホールを撮影するとポイントが獲得できるスマホアプリ。楽しみながらインフラ設備の状態を記録すると、自治体やインフラ会社のメンテナンスに貢献できるという仕組み。Whole Earth Foundationの「TEKKON」が人気を集めています。

  • 電柱やマンホールを撮影するとポイントが獲得できる「TEKKON」

  • 今年の顔に選ばれた目黒蓮さん

  • 今年の顔に選ばれたあのちゃん

  • あのちゃんが背負っているのは、ヒット商品にランクインした布製ランドセル

  • 板垣李光人さんはOsmo Pocket 3のブレ&揺れ補正機能にびっくり