KDDIと沖縄セルラーは10月16日、調査会社のOpensignal社が発表した日本市場の「モバイル・ネットワーク・ユーザー体感レポート」において、全18部門中13部門で1位を獲得したと発表した。前回(2024年4月)のレポートで受賞した5部門に加え、「一貫した品質」「信頼性エクスペリエンス」など新たに8部門でも受賞し、国内のMNOでは最多の受賞となった。

  • KDDIの髙橋誠社長

2024年10月のOpensignal社のレポートでは、5Gでの各種コンテンツ利用時の品質を評価する「5Gエクスペリエンス」の部門において、ビデオ/ライブ配信/ゲーム/音声アプリのいずれも1位を獲得。さらに、通信速度/遅延/パケット損失などの度合いを総合的に評価する「一貫した品質」では単独1位、ネットワークへの接続性などを総合的に評価する「信頼性エクスペリエンス」でも単独1位を獲得した。

  • Opensignal社のレポート。1位のマークはKDDI(au)がダントツに多いのが分かる

  • 「一貫した品質」のスコア

  • 「信頼性エクスペリエンス」のスコア

通信品質向上の背景として、KDDIは業界最多となる約9.4万局の5G基地局(うちSub6基地局は約3.9万局)を展開(2023年3月末比で4.2万局増)。2024年5月末までに5Gの大容量・高速通信を図るSub6(3.7GHz帯/4.0GHz帯)について、基地局の出力アップやアンテナ角度の最適化を実施。Sub6が利用可能なエリアを拡大し、通信速度も向上した。合わせて、拡大したSub6の積極活用や、4G転用周波数を含めた最適化、ネットワーク全体の通信経路の見直しといった施策を実施し、通信速度(スループット)や遅延(レイテンシー)の改善を図った。これにより、Sub6エリアでの5Gの通信速度は、一般的な実効速度で300Mbps超となり、高画質動画も快適に再生できるようになった。

  • 関東地方のSub6エリアの推移。基地局の出力アップやアンテナ角度の最適化で大幅に向上しているのが分かる

改善施策を迅速に遂行するため、端末のアプリから得られるデータや基地局通信ログ、SNSに投稿されたユーザーの声などを収集し、分析・対処の自動化も取り入れているとしている。