2024年9月26日から29日まで「東京ゲームショウ2024(TGS2024)」が開催されました。過去最多となる44の国・地域から985の企業・団体が出展。新作ゲームだけでなく、パソコンや周辺機器など、幅広いジャンルのブースが並ぶのも特徴の1つです。

今回は、そんななかから、ゲーム環境に合わせた家具や、夜中に少々ウルサクても問題になりにくい防音室、ゲーミングマンションなどを紹介します。

3年ぶりにTGSに出展したIKEAは、新しいゲーミング家具を展示

「TGS2021」でプレス・インフルエンサー用のオフライン会場に出展したIKEA(イケア)。コロナ禍で一般の来場者がオフライン会場に参加ができなかった年でしたが、家具メーカーの展示はTGSでも異彩を放っており、かなり衝撃を受けました。

そんなIKEAが3年ぶりにTGSに出展。新たな「ブレンボールゲーミングコレクション」とともに戻ってきました。コレクションはすでにIKEAの店頭で実際に見ることができます。その中でも気になった数点を来日したシニア・デザイナーのダーヴィッド・ヴァール氏と商品デザイン開発担当のフィリップ・ディル氏に説明してもらいました。

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    3年ぶりに帰ってきたIKEAブース。今回はゲーミングコレクションの発表が直近にあり、デザイナーさんも来日していました

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    商品デザイン開発担当のフィリップ・ディル氏(左)とシニア・デザイナーのダーヴィッド・ヴァール氏(右)にお話を伺いました

まずは、「ブレンボール 膨らまし式ゲーミングラウンジチェア」(7,990円)。ドーナツ型のクッションで、体全体をホールドするデザインです。床に近いところでゲームをプレイする人の視点に合わせるべく開発されました。

環境配慮を意識して「空気で膨らませる」仕組み(ポンプは付属)。カバーはメッシュ素材で、汚れたら洗濯機で丸洗い可能なのもグッドです。IKEAのソファー系はカバーだけも販売しているので、椅子そのものを変えずに模様替えができます。

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    象徴的な製品の1つ「ブレンボール 膨らまし式ゲーミングラウンジチェア」。ちなみに商品説明のタグが付いているのは店舗と同じスタイルです。カバーは外せて洗濯機で洗えます

ゲーム中に思わず体が動いてしまう人に対応したのが「ブレンボール ゲーミングチェア」(14,990円)。金属フレームの中にメッシュシートが4本のベルトで吊り下げられているので、体を自由に動せて、これが意外と楽しい。似たような椅子としてロッキングチェアがありますが、それよりも安全かつ前後左右に体を動かせるのが今までにない感覚でした。

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    「ブレンボール ゲーミングチェア」。黄色のフレームに4本のベルトで椅子が吊り下げられている構造なので、体の動きに追従します

「ブレンボール ラウンジチェア」(24,990円)は下のクッションが折り畳み式で、通常の椅子としても、シートを伸ばして寝椅子にもできます。一般的な足を伸ばすためのアイテムとして「オットマン」がありますが、足を伸ばさない状態だと邪魔になるので、「ブレンボール ラウンジチェア」のように折り畳めるのは便利です。

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    「ブレンボール ラウンジチェア」。下のクッションが二層構造になっています。引き出せば寝そべれますし、普段使いにも便利そう。先の画像でヴァール氏が座っていたのが色違いモデルです

「これが3年前にあればバカ売れ」と思ったのが「ブレンボール ゲーミングステーション」(34,990円)。パッと見ると戸棚ですが、開くと折り畳み式のテーブルが出現します。

テーブルを折りたためば椅子を格納できる仕組み。子ども部屋が用意できない家でも子ども用スペースができますし、大人ならばリモートワークにピッタリだと思いました。防音室ほどではないものの、ある程度の遮音性も期待できそうです。

ただし、机の高さが固定なので、そこは注意したいと思いました。購入される場合は店舗でサイズ感をチェックしましょう。

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    「ブレンボール ゲーミングステーション」。ゲーミング用途だけでなく、リモートワークでの集中スペースや子どもの勉強環境にも便利そう

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    閉めると普通の戸棚風ですし、この状態で椅子も収納できるようになっています

IKEAの店舗は限られたスペースで環境提案をする展示が多いのですが、今回の出展はその拡大版という印象がありました。

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    ロフトベッドの下段をゲーミングスペースにした事例。スウェーデンでもこのスタイルは人気というお話でした。画面を見てわかるようにパソコン類はROGです

『モンハン』コラボルームを展開していたニトリ

ニトリは、トータルコーディネートとして4つの環境展示を用意。2022年のTGSから3年連続の出展です。

一番大きく展示されていたのが「ひと家具行こうぜ!」と書かれた『モンハン』コラボルーム。「ジンオウガ デスク」(39,990円)や「ジンオウガチェア」(29,990円)、「クッションカバー」(1,290円)などが並んでおり、フォトスポットのような撮影の人だかりができていました。ニトリにないのはタル、剣、タペストリーと肉焼きセットとのことです。

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    今年で3年目のニトリブース

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    モンハンコラボのチェアとデスク、クッションを一番目立つ場所に展示。横に見切れているタペストリーと焼肉セットは商品ではないとのことですが、ほぼニトリ製品(とMSIのゲーミングパソコン)です

2人の共同ゲーミングスペースも展示。黒いほうは昇降デスク(49,990円)で、白いほうは普通のゲーミングデスク(19,990円)。これにゲーミングチェア(29,990円)、ゲーミングシェルフ(19,990円)、ゲーミングシェルワゴン(14,990円)を組み合わせての提案でした。ゲーミングシェルフは幅が調節可能になっており、デスクの幅をあまり気にしなくてもいい作りです。

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    こちらはカップルパソコンシートをイメージ。奥のゲーミングシェルフは幅が調整できる仕組みで色違いの同一製品です

そのほか、ホワイトベースの配信ルーム(バルーンと雲以外は販売アイテム)や、“スペパルーム”も展示。後者は2畳の省スペースでゲーミングスペースができるとアピールしていました。ちなみにパソコン周りはMSIとのコラボです。

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    配信環境を意識したスペース。正面から撮っていないのは配信環境でWebカメラに私が移りこんでしまうから

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    2畳の省スペース環境。ニトリ店頭では今回のような展示はない、とのことですが、このくらいなら実際に紹介する店舗があってもいいと思います

ゲーミングマンション対決?! 大声コンテストvsゲーミングパソコン据え付け

ゲーミングマンションに関しては2社が出展。昨年話題を呼んだリブランマインドは防音設計をアピールすべく、ブース内に防音ルームを設置しています。そこで、大声を出して120dBを越えたら景品がもらえるイベントを実施していました。

元々ミュージシャン向けの「防音マンション」を販売しており、これにネット環境を入れればゲーマーにもアピールできると、去年からネット回線を入れたマンションを販売しました。マンションで光回線を引く場合、共用部に配線を通す必要があるため、かなりハードルが高いと聞いています。

なお、3日目に再度見に行ったところ、TOP3の表示で120dB越えの方がいらっしゃいました。一方、絶叫しているにも関わらず、外からは叫んでいるような姿のみで、声が聞こえないため、防音に関しては十分アピールできたと思います。

もう1社、長谷工不動産とE-DXがジョイントしてゲーミング賃貸マンションをアピールしていました。魅力は、ゲーミングパソコンが家具として据え付けられている点。すでに2棟が販売されており、近日中に八丁堀に10G回線にも対応する3棟目の販売を開始するそうです。

実際には、オーナーが購入して賃貸料にプラスするとのことですが、個人的にはゲーミングパソコンの陳腐化をオーナーが理解してくれるかどうか気になるところ。欲を言えば契約更新と共に新しいゲーミング環境にすべく、サブスクパソコンにしたほうがいいような気がちょっとだけしました。

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    リブランマインドは昨年かなり話題になったところです。知名度は得られたので今回は中身を見せようと……

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    「ゲーミングマンション大声チャレンジ」を実施。120dB越えたら景品プレゼント! むっちゃ絶叫している顔が見えますが、外からは聞こえません。ナイスデモです

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    挑戦者が外に出て、結果発表。残念! 113dBでした

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    見学中は120dB越えを達成した人が出てきませんでしたが、後日行くとTOP3の発表がありました

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    長谷工不動産はE-DXとのコラボでのゲーミングマンションを展開。ここも防音マンションからスタートしたようです

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    大きな違いは「ゲーミング家具」が備え付けとなっている点。通常パソコンよりも好みがわかれる製品なので、入居者のワガママをどれだけかなえてくれるのかが少々気がかり

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    現在2棟が利用可能で、来年には八丁堀に3棟目が完成予定です。10G環境がオプション対応だそうです

防音室は3社が構造に違いを見せた

昨年も結構人気があった防音室。ある程度のスペースが必要な代わりに外界から遮断された空間なうえ、秘密基地感もあってよさそうです。「川上産業」「岐阜プラスチック工業」「宮地楽器」が出展していました。

2カ所のブースで3種類の製品を見せていたのが川上産業。ホール10では市販のロフトベッドの下段にセットできる新製品「ONE-Z loft(外寸:1940×980×1380)」を展示していました。スペースに制約はあるものの、ゲーミングスペースを用意したい人向けでしょう。

また、従来製品「ONE-Z(外寸:1640×1640×1970)」よりも低い高さの製品「ONE-Z mini(外寸:1278×1616×1728)」も登場。川上産業の製品は「プラパール(段ボールのような構造のプラスチック)」となっており、やや簡易的な作りになっていますが、ワンタッチで止められる構造なので、組み立てが便利そうです。

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    2カ所でブースを展開していたのが川上産業。ホール4はエスカレーター脇という好立地でした

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    アクリルパネルは見やすくするためで、実際の製品にはないそうです。これは一番大きなタイプの「ONE-Z」

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    こちらは一段高さの低い「ONE-Z mini」の室内。「ポリプロピレン製の段ボール」のような素材を使っています

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    川上産業の「ONE-Z」の商品構成。ホール4には「ONE-Z」「ONE-Z mini」が展示されていました

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    ホール10のブースにはロフトベッドの下に「ONE-Z loft」を展示

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    高さが低いので座椅子的なゲーミングチェアを使用していました

岐阜プラスチック工業の「GAMEBOX」は、20mm程度のハニカム構造プラスチックに10mm程度の吸音フェルトを張り合わせた構造。川上産業よりも高さがあるので立ってぶつかりにくいのが特徴です。製品はロータイプ シングル(外寸:1585×1075×1530)、ロータイプ デュアル(外寸:1585×1491×1530)、ワイドタイプ(外寸:2025×2025×1903)の3タイプです。

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    岐阜プラスチック工業は「GAMEBOX」を展示していました。こちらは割と大きめの製品が主流です

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    展示されていたのは3タイプ

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    岐阜プラスチック工業の外側部分はプラスチックのハニカム構造に吸音材を張り付けています

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    ワイドタイプの屋内。割とゆったりしていますが、設置する部屋の大きさも考慮しないといけないでしょう

宮地楽器は、元々演奏者や歌手、ナレーター向けに販売していたこともあり、「音がいい」ことをアピール。従来は1畳タイプ「VERY-Q Plus Gaming booth(外寸:1330×1560×1890)」と0.5畳タイプの製品「VERY-Q Plus 960 Booth Set(外寸:960×2050×960)」を販売しており、0.5畳タイプは椅子が使えないため今回展示されていませんでした。代わりに0.8畳タイプのコンパクトな製品「VERY-Q Plus ゼロハチ(外寸:1440×970×1890)」が新登場していました。

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    宮地楽器はおそらくTGS初出展。その割には見たことがあるなぁと思っていたのですが、ドスパラ長野稲里店で展示していました

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    こちらは0.8畳タイプの新製品「VERY-Q Plus ゼロハチ」

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    こちらは1畳タイプの「VERY-Q Plus Gaming Booth」。右手前の送風口が気になりますが

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    オプションとして用意された排熱気ダクト付き除湿冷風機(スポットクーラー)でした

この手の製品は体験できる店舗があまり多くありません。そのため、TGS2024で、比較体験できるのは結構うれしいところでしょう。