楽天モバイルは9月13日、65歳以上の「Rakuten最強プラン」契約者を対象とする「最強シニアプログラム」の提供を開始した。
楽天プログラムでは2024年に入って、家族向けの「最強家族プログラム」、22歳までの若年層向けの「最強青春プログラム」、12歳までの子供向けの「最強こどもプログラム」といった優遇プログラムの提供を開始しており、今回の「最強シニアプログラム」はそのシニア版と言うことになる。
すでに「Rakuten最強プラン」を契約している利用者、これからの新規加入者、他社からの乗り換えでの加入者すべて、専用ページからエントリーすることで条件を満たせば「最強シニアプログラム」の適用を受けられる。
主な内容は、対象者への毎月110ポイントのポイント還元。あわせて、15分の通話かけ放題と各種セキュリティ/サポートをセットにした「15分かけ放題&安心パック」(通常合計2,200円)を実質1,100円で提供する。
110ポイントのポイント還元
毎月110ポイントのポイント還元により、データ通信量が3GBまでの月の月額料金は実質858円となり、全キャリア最安になるという(同社調べ)。データ通信量が3GBを超過後、20GBまでのつきの月額料金は実質1,958円。さらに20GB超過後の月額料金は実質3,058円ということになり、これも全キャリア最安だとしている(同社調べ)。
なお、「最強シニアプログラム」は「最強プログラム」との併用が可能であり、これらの月額料金はいずれも同プログラムの家族割引が適用された場合のもの。
15分かけ放題&安心パックの実質1,100円での提供
「15分かけ放題&安心パック」の内容は以下のとおり。
- 15分(標準)通話かけ放題:1回15分以内の国内通話と国内SMSの送受信が使い放題(通常月額1,100円)
- ノートンモバイルセキュリティ:危険なWi-FiやWebサイトからスマホを保護するセキュリティツール(通常月額220円)
- 迷惑電話・SMS対策 by Whoscall:知らない番号でも発信元を識別し、危険な電話をブロックして詐欺被害を未然に防止する(通常月額330円)
- あんしん操作サポート:楽天モバイルショップにおいて、対面で操作方法のサポートを受けられる(通常月額550円)
これらで通常は合計が2,200円になるところ、このオプションパック(4つのオプションすべて)に加入することで先述の110ポイントとは別に1,100ポイントのポイント還元を受けられるため、実質1,100円でこれらのオプションを利用できることになる。
若年層に強いがシニア層はまだまだこれからの楽天モバイル
本プログラムの発表にあたって開催された説明会では、楽天モバイル株式会社 代表取締役共同CEOの鈴木和弘氏がプログラムの内容と背景の説明にあたった。
同氏によれば、2023年6月のRakuten最強プラン提供開始後、加入者の利用データ量は目立って増加しているとのこと。中でも13~22歳の加入者においては、「最強青春プログラム」導入の影響もあり、直近は月間44.2GBに達し、それに伴いARPUも増加しているという。
こうした効果で若年層を中心としてシェアが拡大しているものの、シニア層では相対的に弱いというのが現状だ。調査データによれば、シニア層は使っているデータ通信量が若年層に比べて小さいという。これはシニア層のスマホ利用がメール/Webページ閲覧などにとどまり、動画視聴やさまざまなサービスの活用にまで至っていないと分析。シニアが各種サービスを利用する際に不安を感じているのではないかということから、安さに加えてスマホを安心して使えるオプション、充実したサポートを含めた「最強シニアプログラム」の提供に至ったという。
今回の「最強シニアプログラム」に限らず、楽天モバイルとしてはシニアのスマホ活用を促進していきたい考えで、健康生活応援アプリ「Rakutenシニア」の提供、日本郵便との協働による「オンラインスマホ教室」の開催などの施策も展開している。
とくに日本郵便との協働は、これまでに一部の郵便局でイベントスペースに楽天モバイルショップを解説する取り組みも行なった実績もある。質疑ではこのチャンネルをサポートに活用する可能性についても質問があったが、さらなる販売・サポートへの活用については「様子をみながら」と回答するにとどまった。
今回の説明会ではゲストとしてシニアの楽天モバイルユーザーを招いたトークセッションの時間も設けられ、スマホの使い方をマスターするまでの苦労も話に上った。これに対して楽天モバイルからは「われわれとしても売っておしまいということではいけない」と、サポートの必要性への認識も語られていた。
なお、楽天モバイルではこれまでのところ、シニア向けに特化したスマートフォンは取り扱っていない。質疑応答でそういった端末の取り扱いがあるかを問われた際には、各デバイスメーカーが製造する端末からよいものがあればピックアップしたいと語り、現時点では表示が大きくて見やすい「かんたんモード」を搭載した「AQUOS wish4」などをシニアに向いた商品として挙げていた。