MM総研は8月27日、世界22の国・地域を対象に、米グーグルのスマートフォン「Pixel」シリーズの販売価格を調査し、その結果を発表した。最新モデル「Pixel 9」は世界で2番目に安いにもかかわらず、平均賃金に占める比率は2%超と購入しやすさでは下位となった。

  • 日本はPixel 9シリーズの価格が世界最安レベルだったことが判明! しかし、賃金に照らし合わせてみると買いやすさは下位にとどまる

この調査は「Pixel 9」シリーズを中心に、各国のグーグルオンラインストアでの価格を比較分析したもの。対象モデルは Pixel 9(128GB)、Pixel 9 Pro(256GB)、Pixel 9 Pro XL(512GB)、Pixel 9 Pro Fold(256GB)、Pixel 8a(128GB)、Pixel 8(128GB)の6モデル。比較分析は、グーグルオンラインストアでの直販価格に、各国通貨と円の為替レートを用いた円換算ベースで行っている。

Pixel 9シリーズの販売価格

Pixel 9の日本での販売価格(2024年8月時点)は、22カ国中2番目に安い128,900円。最安は台湾の120,409円で、3番目が米国、4番目がシンガポール、5番目がオーストラリアの順となる。日本を除いた21カ国の平均販売価格は145,197円。

  • 世界のPixel 9シリーズの販売価格。日本(ピンク)は低い水準なのが分かる

Pixel 9 Proの最安価格はスイスの163,621円、2番目が台湾の168,136円。日本は174,900円で3番目。4番目は米国、5番目はシンガポール。日本を除く平均は181,938円。

Pixel 9 Pro XLは、最安が台湾の199,955円、2番目がスイスの203,276円。日本は212,900円で3番目。4番目はイタリア、オーストリア、オランダ、スペイン、ドイツ、フランス、ベルギーが並んだ。日本を除く平均は216,308円。

二つ折りスマートフォンPixel 9 Pro Foldは、日本が最も安い257,500円、2番目は台湾の259,045円、3番目はシンガポールの269,551円、4番目はオーストラリアの269,900円、5番目は米国の292,338円。日本を除く平均は304,040円。

4モデルとも、日本での販売価格は22カ国の中でも1~3番目の安値に位置しており、米国、台湾、オーストラリア、シンガポールといった東アジア・オセアニア地域がそれに続く形。逆に高いのはノルウェーや英国などの欧州国となっている。

日本のPixel指数(Pixel 9価格÷平均賃金)

Pixelの購入のしやすさ比較のため、それぞれの国におけるPixel 9の販売価格が年間の平均賃金に占める比率をPixel指数として算出している。これによると、日本のPixel指数は2.05%で22カ国中17番目。金銭的な購入しやすさは低いという結果に。

  • 日本は平均賃金の約2%出さないとPixel 9が入手できない。米国など欧米の主要国は1%台前半で収まっている

日本のスマートフォン市場は、50%超をAppleのiPhoneが占めている。2022年度と2023年度でグーグルのシェアは上昇したが、Appleも微増という結果だった。そのため、ほかのAndroid端末メーカーのシェアが減っている。

グーグルは、日本市場がコンパクトかつハイエンドな端末を好む傾向があると考えており、Pixel 9 Proのラインアップを6.3インチのPixel 9 Proと6.8インチのPixel 9 Pro XLに拡大。MM総研は、こうした日本市場へのPixelの注力が今後のAndroid OSのシェア拡大につながるか、OSおよびメーカー勢力図の動向に注目するとしている。

Pixel 8aの販売価格

Pixel 8aについては、Pixel 8aが発売された2024年5月の価格と、Pixel 9シリーズが発表された2024年8月での価格を比較している。日本での販売価格は、どちらの時期も72,600円で最安。日本を除く平均は2024年5月が91,992円、2024年8月が89,494円。最安の日本だが、為替相場の影響で2024年8月では他国との価格差が小さくなっている。

Pixel 8の販売価格

Pixel 9シリーズの登場で型落ちモデルとなったPixel 8についても、2024年5月と2024年8月で調査。どちらも、日本での価格は112,900円で2番目に安い結果となっている。日本を除く平均は2023年10月が122,524円、2024年8月が115,728円。2023年10月の最安値はオーストラリアの109,000円、2024年8月の最安値はスイスの106,724円。

Pixel 8は発売から約1年が経過しており、各国でセールが行われていることから順位変動が激しい。日本が1番安い時期があれば11番目(2024年4月)の時もあった。

出典:MM総研