キャンプなどのアウトドアレジャー用途で、ポータブル冷凍冷蔵庫が売れています。ポータブル電源を接続すれば電源のない屋外でもしっかり冷やせることから、時間が経つとぬるくなってしまうクーラーボックスに不満を持つ人からの注目を集めています。

そのようななか、異色の“背負って持ち運べるポータブル冷凍冷蔵庫”が登場。手で持つ必要がないので苦労することなく運べるうえ、取り外し式の小型バッテリーを内蔵するのでポータブル電源がなくても単体で冷やせるのが、一般的なポータブル冷凍冷蔵庫にはない魅力だと感じました。物価高を受けた節約志向が広まり、クルマでスーパーやドラッグストアをハシゴして食品をまとめ買いする人が増えていますが、そういう時にも車内で保冷に活躍する製品だと感じました。

  • この時期のアウトドアレジャーに欲しいポータブル冷凍冷蔵庫だが、背負って持ち運べるバックパックタイプの製品がMakuakeに登場。一見するとキワモノのように感じるが、食料品のまとめ買い用途でも実用性も上々だった

背負えるサイズなのに容量は最大限確保している

8月6日からMakuakeで支援購入が始まったのが、背負って持ち歩けるポータブル冷凍冷蔵庫「バックパック式車載冷蔵庫 FrozenPack」。一般的な箱形のポータブル冷凍冷蔵庫は両手でつかんで持ち運ぶ必要がありますが、こちらは背負えるので手が疲れることなく、長時間の持ち運びがラクチンなのが特徴です。

  • Makuakeで支援購入が始まったバックパックタイプのポータブル冷凍冷蔵庫「バックパック式車載冷蔵庫 FrozenPack」。メーカーはLitheli(ライテリ)で、2023年に電動キャリーワゴンの応援販売を実施して多くの支援を集めた

  • 背面を見るとバックパックであることが一目瞭然。両手で持つための持ち手も付いている

背負える大きさ、重さにするために、容量は一般的なポータブル冷凍冷蔵庫(20~30リットル)よりも少ないものの、コンプレッサーなど内部機構の小型化で16リットルを確保しています。350ml缶12本と500mlペットボトル7本が同時に収納できるほか、背の高い2リットルペットボトルも入れられます。

  • 底面に内蔵するコンプレッサーを小型化したことで、底面積の3分の1ほどは深さを確保しており、2リットルの大型ペットボトルも立てて収納できる

  • 見た目の印象よりも収納能力は大きい

特徴的なのが、取り外し可能な小型バッテリー(20,000mAh)を採用していること。側面に専用のポケットがあり、入れるだけでケーブルを接続する手間なく電源が供給されます。このバッテリー、同社の家電で共通で使える製品で、同社は電動工具も手がけていることから、いわば“マキタ的”な仕組み。バッテリーはUSB Type-C経由で充電でき、専用の充電器が必要ないのは魅力的だと感じます。

  • 専用の小型バッテリー(右)を収納するスペースを用意しており、ストンと入れるだけで内部の接点がつながって電源の供給が始まる。バッテリーにはUSB Type-C端子があり、手持ちの充電器とケーブルでつなぐだけで充電できるのが便利

スピーディーに冷え、冷凍食品もしっかり保冷できる

実際にFrozenPackを使ってみました。電源を入れて前面パネルで温度を1度単位で指定するだけで、その温度まで一気に下がります。冷蔵だけでなく冷凍にも対応しており、冷凍食品の保存に必要な-18度にも設定可能。上部のカバーはファスナーだけで密閉でき、いくつもロックを締める必要がないのは手間がなく好ましいと感じます。

  • 前面のコンプレッサー部に表示パネルと操作パネル、排熱部を搭載。この部分の見た目がちょっとゴツさを感じさせる

  • 冷蔵だけでなく冷凍にも対応する

  • アイスや冷凍食品も、ある程度の時間しっかり保冷して持ち運べる

使って驚いたのが、小さなバッテリーによる駆動なのに素早く冷えることと、駆動時の騒音がそれほどうるさくないこと。-18度に設定しても、30分ちょっとで常温の状態からキンキンに冷えた状態になりました。駆動時は、ある程度の騒音や排熱が出ますが、どちらもそれほど気にならないレベルに抑えられています。

メーカー公称値では、バッテリー1つで6時間駆動するとしていますが、内部に収納する食材の量やFrozenPackのカバーを開閉する頻度に左右されるとみられるので、実際はそれより短いとみておいた方がよいでしょう。常温だった500mlのビール缶数本を収納して6度に設定して冷蔵したところ、途中で何度かカバーを開けたりしたものの、3~4時間ほど経ったあとも冷たく楽しめました。バッテリー1本だと丸一日のレジャーは厳しそうですが、半日はしっかり保冷してくれるでしょう。

冷却中のFrozenPackを背負ってみました。何も入れない状態でも重さが11.1kgあるうえ、一般的なバックパックとは異なり柔軟性がないので、背負ったり下ろす際はちょっと大変で慣れが必要だと感じます。飲み物などを満載にすると長時間背負うのは厳しいものの、駐車場から自宅まで程度ならば全然余裕。幅も重さもある一般的なポータブル冷凍冷蔵庫を手で持つのと比べれば、持ち運びははるかにラクチンです。

外装はビニール素材で汚れが付着してもサッと拭き取れますが、見た目の高級感に欠けるのは気になりました。カラーがベージュ1色だけなのも物足りないと感じます。人気のアウトドアブランドのようにデザイン的な魅力が欲しかったところです。

  • 上部には、冷蔵の必要がない食品や食器などを収納するボックスを装着できる(カラーは製品版では本体色と同等になるとのこと)

  • 上部のカバーを固定すれば、本体と一体化して持ち運べる

標準価格は、FrozenPack本体が49,990円、専用バッテリーが2つ付属する「アウトドアセット」が65,970円となっていますが、販売開始からの24時間限定(8月6日11時~8月7日10時59分)でアウトドアセットが30,990円(53%引き)で購入できます。丸一日保冷するのに必要な2つのバッテリー付きでこの価格は魅力的だと感じます。それ以降は39,990円(39%引き)となります。

一般的な箱型のポータブル冷凍冷蔵庫と比べ、手を使わず持ち運べる可搬性の高さ、電源がない場所でもちゃんと冷える小型バッテリーの採用はアドバンテージがあると感じます。一見すると、奇をてらっただけのキワモノのように感じるかもしれませんが、クルマに載せてのスーパーの買い回りでは結構重宝しました。手軽に動かせるサブ冷蔵庫として、寝室でも重宝しそう。アイデア次第で日常でも非常時でも便利に活躍する製品だと感じました。

  • クルマでのスーパーの買い回りはもちろん、帰省先や旅行先でおいしそうな生鮮品を見つけた時も重宝しそう