パソコン用のモニターに装着することで、純正のスタンドよりも自由度の高い配置が可能になったり、デスクをすっきりと見せられるモニターアーム。デュアルディスプレイ以上の環境や、おしゃれなデスク作りにこだわりがある人ならお使いの方も多いのではないでしょうか。

  • COFO無重力モニターアームPro(デュアル)の設置例

    COFO無重力モニターアームPro(デュアル)の設置例

今回は、COFOというブランドの新製品「無重力モニターアームPro」を試用しました。製品名にも“無重力”とあるように、軽い力でなめらかに動かせることが売りの新作です。

COFO無重力モニターアームProには、シングルタイプとデュアルタイプのバリエーションがあり、カラーはそれぞれ白と黒の2色から選べます。7月21日からMakuakeでの販売がスタートしており、シングルタイプの場合、通常価格は21,999円となる予定ですが、Makuakeでの応援購入なら17,599円から入手できます。

土台から順に積み上げていくだけで設置が簡単

今回試用した製品は、2枚のモニターを設置できるデュアルタイプ。まずは組立作業の流れを写真でお見せします。

  • いざ開封!取り出しやすい工夫がありがたい

    いざ開封!取り出しやすい工夫がありがたい

  • デュアルタイプなのでアームの部品は2組入っている

    デュアルタイプなのでアームの部品は2組入っている

  • こちらは台座やVESAマウントの部品

    こちらは台座やVESAマウントの部品

  • 組立に必要な工具などもしっかりと付属。説明書も図入りで見やすい

    組立に必要な工具などもしっかりと付属。説明書も図入りで見やすい

届いたダンボールを開けてみると、内箱を取り出しやすいように取っ手が付いていました。デュアルタイプとなると梱包重量で7kgを超えるので、この一工夫が大変ありがたいところ。中身も丁寧な梱包で、緩衝材でしっかりと区切られた空間にアームの各部品が収められていました。

  • まずはデスクの天板に台座を設置

    まずはデスクの天板に台座を設置

さっそく組み立ててみましょう。はじめに、デスクにモニターアームの台座を設置します。今回は天板を挟んで固定するクランプ式の設置方法を選びましたが、付属のパーツを組み替えれば、天板に穴を開けてより確実に固定するグロメット式にもできます。

細かいところですが、一般的なクランプ式のモニターアームでは、クランプを締める作業を机の下で行うことになるものが多いです。COFO無重力モニターアームProの場合は支柱の内側、アームに隠れる部分でボルトを締めていくので、上から楽に作業できますし、完成後も机の下に露出するパーツが少なくきれいに仕上がります。

  • 台座とアームの間に入る「スリーブベアリング」の表裏で、アームの回転角度を制限できる

    台座とアームの間に入る「スリーブベアリング」の表裏で、アームの回転角度を制限できる

続いて台座にアームを取り付けていく前に、スリーブベアリングというリング状の部品をセットするのですが、ここで表裏どちらの向きで入れるかによって、アームの付け根の回転角度を360度自由にするか、180度に制限して天板より後ろに行かないようにするかを選べます。

アームの構造上、天板より後方に回らないようにすると画面までの十分な距離を取りにくくなるのである程度奥行にゆとりのあるデスクをお使いの方向けにはなりますが、モニターを動かした際に壁紙などを傷付けにくくなるので、設置環境が許すなら活用したい機能です。

  • アームの1段目をセット

    アームの1段目をセット

  • アームの2段目をセット

    アームの2段目をセット

アーム部分の組み立ては下段から順に積み上げていくだけ。まずは1段目(下側)の部品を台座に差し込んで側面にあるネジを締め、2段目(上側)も同様に取り付けます。このとき、ネジの締め具合が回転動作の重さに直結するので、好みに合わせて調節しておきましょう。

  • VESAマウント用のプレートは別パーツとなっており、まずこれをモニターの背面に装着する

    VESAマウント用のプレートは別パーツとなっており、まずこれをモニターの背面に装着する

  • モニターを持ち上げてアームの先端に合わせて上から差し込み、レバーを動かしてロックすれば設置完了

    モニターを持ち上げてアームの先端に合わせて上から差し込み、レバーを動かしてロックすれば設置完了

最後はモニターをアームに取り付けます。75×75mm(VESA75)または100×100mm(VESA100)のVESA穴があるモニターに対応しており、対応ディスプレイサイズは17~40インチ、耐荷重は2.5~14kgとしています。今回は24インチの「Xiaomi モニター A24i」を2枚設置してみました。

COFO無重力モニターアームProはアーム先端のVESAマウント部分をワンタッチで着脱できるクイックリリース構造となっているため、モニターにマウントパーツをネジ止めしてからアームの先端に差し込み、レバーをスライドしてロックすれば設置完了です。

筆者はエルゴトロンなどの競合製品を使用していたこともありますが、ここが分離できない製品だと、モニターを伏せて置いた状態でアームを持ちながらネジ止めし、モニター本体とアームがくっついた状態で持ち上げて、デスクに立てておいた支柱に差し込む……という流れになるので、1人で組み立てようとするとけっこう大変です。特に、32インチを超えるような大きなモニターを設置する場合にはかなり助かる仕様だと思います。

“無重力”感覚のなめらかな動きが最大の魅力

  • COFO無重力モニターアームPro(デュアル)で24インチモニターを2枚設置した

    COFO無重力モニターアームPro(デュアル)で24インチモニターを2枚設置した

  • 軽い力でスムーズに動かせる

    軽い力でスムーズに動かせる

実際に使ってみた印象としては、やはり触れ込み通りなめらかな動作が好印象でした。アームの関節を軸とした回転操作はもちろん、あまり関節の動きを意識せずモニターを横に移動させるような動かし方をしてみても、ストレスなくスムーズに位置を決められます。それでいて安定性とも両立できており、ダブルメカニカルスプリング式の実力を感じました。

縦方向の位置調整はモニターアームの保持力を調整することで可能です。一般的には六角レンチなどを使って調整する製品が多いのですが、本製品はアームの後端にあるダイヤルを手で回すだけで保持力を変えられるため、手軽に調整しやすいです。

また、冒頭の写真ではデュアルディスプレイの片方を縦向きにしてみましたが、このような回転操作もスムーズでした。

  • 保持力調整が工具不要でできるのは珍しい

    保持力調整が工具不要でできるのは珍しい

  • 壁際に寄せたい場合は、デュアルではなくあえてシングルを2つ買った方が便利な場合もありそう

    壁際に寄せたい場合は、デュアルではなくあえてシングルを2つ買った方が便利な場合もありそう

今回は1つの台座から2本のアームが伸びるデュアルタイプを試用しましたが、2本の支柱の位置が近く、24インチ程度の画面サイズですき間なく並べようとするとデスクの後方にアームが突き出す形になるため、デュアルディスプレイであっても「小さめの画面サイズ」で「デスクをなるべく壁際に寄せたい」場合はシングルタイプを2本買った方が便利な場合もありそうです。

一方で、大画面を2枚並べる場合なら、スマートに設置できるデュアルタイプはやはり魅力的。また、ノートPC+外部ディスプレイ1枚のパターンも、あえてデュアルタイプをおすすめしたいところです。というのも、ノートPCホルダーマウント(別売り)を組み合わせれば、ノートPC本体を浮かせてメインの外部ディスプレイと高さを揃えやすくなり、内蔵ディスプレイをサブにする場合に便利なのです。

  • 別売りのノートPCホルダーマウント。タブレット端末にも使える

    別売りのノートPCホルダーマウント。タブレット端末にも使える

まとめると、COFO無重力モニターアームProの魅力は“無重力”と謳うだけのスムーズな動きや組み立ての過程に至るまで、ストレスなく快適な一連の使い勝手にあります。

なかなかスペックに現れにくい部分ではありますが、洗練されたデザインも含め、ワンランク上のデスク環境にこだわるなら選ぶ価値はある製品と言えるでしょう。