高機能なコードレス掃除機にはメーカーごとの特徴がありますが、シャープの「RACTIVE Air」シリーズといえば軽量かつ低騒音、そのうえ使いやすい機能により人気です。そんなRACTIVE Airに2024年モデルが発表されました。

注目はなんといってもフラッグシップモデルである「RACTIVE Air STATION <EC-XR1>」(以下、RACTIVE Air STATION)。

なんと、このモデルはRACTIVE Airシリーズ初となるステーションタイプの充電台を付属。掃除終了後に掃除機をステーションに戻すと、充電台が自動的にゴミ収集をしてくれます。RACTIVE Airシリーズのフラッグシップモデルだけに、もちろん静音性にもこだわった製品です。発売日は8月22日で価格はオープン。市場推定価格は99,000円前後です。

  • 充電台とゴミ収集機能をあわせた「ステーション」付属の新フラッグシップモデル「RACTIVE Air STATION <EC-XR1>

自動ゴミ収集機能搭載で面倒なゴミ捨てが長期間不要に

RACTIVE Air STATIONの最大特徴は、名前にもあるステーションの存在です。ステーションはコンパクトなゴミ箱くらいのサイズで、このステーションに充電機能とゴミ収集機能を備えています。

  • シンプルで細長い見た目のステーション。サイズは幅220×奥行289×高さ435mmで重量3.9kg

  • 掃除機を床に滑らせながらの脱着が可能。掃除機を「持ち上げる」という動作がいらず、軽い力で着脱できます

掃除後に掃除機本体をステーションにセットすると、本体の充電とともに自動でゴミを収集。ステーションには掃除機用の紙パックがセットされており、約0.37Lのゴミを収集できます。

紙パックは、同社の紙パック式高機能コードレスクリーナー(EC-KR2)と同じ「パックinパック」方式を採用。紙パックを着脱式のダストカップにセットし、ゴミを捨てるときはダストカップごと取りはずして紙パックに触れることなく捨てられます。また、汚れた紙パックに触れるダストカップ部はまるごと水洗い可能です。

  • ステーションのフタを開いたところ。スシャープのティック掃除機でも利用可能な抗菌3層パックEC-33PN(5枚入り希望小売価格1,210円)をセットします

  • ダストパックを取り外してゴミ捨てするので、汚れた紙パックに触れる必要がありません

ところで、現在複数のメーカーがコードレス掃除機にゴミ自動収集機能を搭載しています。既存製品のゴミ収集時の動作音はだいたい70dB前後なのですが、掃除機の静音性にもこだわっているシャープはステーションにも防振材や吸音材、遮音カバーを配置。ステーションがゴミを自動収集するときの音のうるささにも対応しています。

実際の駆動音は約60dBですが、音の大きさだけではなく吸引時特有の不快音を減らすことで、実際の数値よりも「気になりにくい音」を作り出しています。

  • ステーションのカットモデル。内部に配置されているグレーのフェルトが吸音材です

【動画】ゴミ自動収集機能の音の比較。一般的な自動ゴミ収集ステーションと同程度の音である68dBの掃除機と、約60dBのRACTIVE Air STATIONの音を比較。音の大きさが抑えらえているだけではなく、ステーションはこもったような不快に感じにくい音なのがわかります ※音が出ます

本体も静音性能アップ、RACTIVE Air史上一番静かな駆動音に

RACTIVE Airシリーズといえば、2022年より「低騒音性」にもこだわっているシリーズです。新RACTIVE Air STATION本体の掃除機も、さまざまなノイズリダクション機能を搭載することで「運転音の静かさ」を実現。運転音は55dBとRACTIVE Airシリーズとしては一番静かになりました。

  • ほかのRACTIVE Airシリーズとは一線を画すデザインの掃除機本体。本体サイズは幅221×奥行134×高さ997mmで、全体的に凹凸が少ないスリムな形。コンパクト設計ですがヘッド部分にはLEDライトも搭載しています

  • ヘッドには壁際のゴミまでブラシが届く「端までブラシ」と、髪が絡みにくい高密度縮毛ブラシの「からみにく~いブラシ」を採用

  • ゴミは一時的に本体内の簡易フィルターに溜まります。本体内のダスト容量は0.05L。本体フィルターは基本的にお手入れの必要はないそうです

RACTIVE Airシリーズ上位モデルは、音が出るモーター部を遮音カバーで覆い、さらに防振材や吸音材などで配置して不快な音を減らす「ファンネルサイレンサー」という技術を採用しています。

新しいRACTIVE Air STATIONは「ネイチャーテクノロジー」を採用することで、さらなる低騒音化を実現。具体的には飛行時に音を立てない「フクロウの羽根」を模した凹凸のある素材と、サメの「水流を整える」というエラの構造を模したパーツを本体に内蔵することで、本体内に発生する風切音を抑えています。

  • 新RACTIVE Air STATIONのカットモデル。フクロウの羽根を模した素材で音を吸収しつつ、三つのスリットで風の流れを整えています

【動画】本体の動作音の比較。低騒音設計ではない掃除機を動かしたあと、RACTIVE Air STATIONを起動。両機種動作時は、耳を澄まさないとRACTIVE Air STATIONが起動したことさえわからないくらい静かです ※音が出ます

自分の掃除スタイルに合った製品をチョイスしょう

軽量コンパクトなコードレス掃除機は、どうしてもダストカップ容量が小さくなりがち。このため頻繁なゴミ捨てが必要になります。

RACTIVE Air STATIONは「充電台に置くだけ」でゴミを自動収集することで、この面倒な作業をラクにしてくれました。また、低騒音設計により、時間を選ばず掃除が可能など、忙しい家庭にとっては嬉しい機能を多く搭載しています。

ただし、シャープによると純粋な吸引パワーはRACTIVE Air POWERシリーズであるEC-PR10とEC-SR10のほうが上。また、RACTIVE Air STATIONには、それ以外のRACTIVE Airシリーズに搭載されている人気の「新スグトル構造」が搭載されていないなど、フラッグシップモデルとはいえ「すべての点においてRACTIVE Air STATIONが上」というわけではありません。

「可能な限り手間を軽減し、いつでも掃除したいならRACTIVE Air STATION」「パワーや細かな場所の掃除など掃除にこだわりたいならRACTIVE Airシリーズ」など、生活スタイルによって自分に最適なモデルが変わってきそうです。

  • RACTIVE Air STATION以外にも新製品がズラリ。左から紙パック式のEC-KR2、軽量なEC-AR10、パワフルなEC-PR10とEC-SR10

  • ヘッド部を取り外してもパイプが常に上をむいているので、着脱時に腰をかがめる必要がない便利な「新スグトル構造」

  • RACTIVE Air STATION以外のモデルは今年の新機能として「どこでもライト」を搭載。本体側にライトを配置することで、ヘッドを使った床掃除時だけではなく、ハンディ時も手元を明るく照らせます