忙しい現代人にとって、最新の情報をできるだけ速く手に入れたい、確認したいという願いは切実なもの。プッシュ通知はその願いを叶えてくれる手段のひとつですが、扱う情報量や更新頻度が多い場合はプッシュ通知では手に余ります。
そこでiOS 16.1のとき追加されたのが「ライブアクティビティ」。実行中だけれど使われていないアプリのコンテンツをリアルタイムに、ロック画面やダイナミックアイランド(フロントカメラ周辺の表示領域)、iPhoneを充電中横向きに置くと作動するスタンバイ画面に表示される、情報量・更新頻度ともに多いアプリの最新状態を表示するための機構です。
たとえば、歩数や移動距離をリアルタイムに確認できるようにしたい健康管理/フィットネス系アプリにとって、場所を選ばず表示できるライブアクティビティは好適です。配車やフードデリバリーといった時間をカウントダウンしてみせるアプリも、ライブアクティビティに対応すればユーザの印象は大きく変わるはずです。ルート案内機能を持つアプリにとっても、ロック画面とホーム画面どちらにも常駐できる機能は好都合です。
ライブアクティビティは、一種の独立表示領域ですが、すべてのアプリが好き放題に使えるわけではありません。ボタンをタップするなどのインタラクティブな操作にも対応しますが、設計方針としてシンプルで直接的なアクションにするよう推奨されています。開発者向けドキュメントによれば、8時間を超えるタスクや広告/プロモーションの類、取り扱いに注意を要する情報は表示できない、といった制約も設けられています。