EcoFlow Technology Japanは、大容量4kWhで専用アプリによるエネルギー管理に対応し、系統連系も不要とうたう家庭用蓄電池「EcoFlow DELTA Pro 3」を6月25日に発売する。価格は53万9,000円。

  • EcoFlow DELTA Pro 3

単品販売に加え、設置工事なしで容量を拡張できるエクストラバッテリーと、切替分電盤のセット(104万5,000円)や、DELTA Pro 3をポータブル電源のように使える400Wソーラーパネル同梱セット(66万5,000円)も用意。EcoFlow公式オンラインストアのほか、Amazonや楽天市場、Yahoo!ショッピング、全国の家電量販店や正規販売代理店で取り扱う。

  • 専用エクストラバッテリー1台を追加したイメージ

  • ソーラーパネルと組み合わせた使用イメージ

単一ユニットの容量は4kWhで、さらに専用エクストラバッテリー(容量4kWh)を2台連結すると、最大12kWhまで容量を拡張可能。高消費電力の家電製品に給電できるように設計しており、AC/DCを含む計13ポートを備え、3.6kW(3,600W)出力で家電製品を複数台同時に使用できるとする。単相3線100V/200V出力により、対応する家電であれば純正弦波の電源を供給可能。「家庭の送電がストップしても安心」とアピールしている。

  • エクストラバッテリー2台を追加したところ

  • AC/DCを含む計13ポートを搭載

系統連係させない家庭用蓄電システムを構築でき、施工費用を抑えられる点も特徴としている。たとえば日中、太陽光発電でDELTA Pro 3に電気を蓄え、夜間に蓄えた電力で家電製品に給電すると、3人家族で毎月の電気代が約1万円の場合、DELTA Pro 3が1台あれば毎月約30%も電気代を削減できるとうたう。さらに2台の専用エクストラバッテリーと組み合わせた場合は、最大90%の節電効果が期待できるとしている。

EcoFlowアプリと連携することで、接続した家電の電力使用量や接続機器の動作状況などをリアルタイムに把握してエネルギー管理を効率的に行える。対応設備がある場合は、太陽光と商用電力、DELTA Pro 3からの電力をスマートに活用しながら自宅のエネルギー効率を高められるとする。蓄電池本体は無線LANとBluetooth機能を内蔵している。

EcoFlowでは、従来の家庭用蓄電池は導入費用が高く、複雑な補助金審査プロセスを経るため、“卒FIT”後に家庭用蓄電池の導入をためらってしまう……という人々をターゲットにDELTA Pro 3をアピール。

系統連系しないため電力会社との協議がいらず、別売の切替分電盤を取り付ければ既存の据え置き型の太陽光発電システムとも接続できる。家庭内のコンセント接続ではない照明などへの電源供給も可能で、「万が一停電したときは10ms以内に自動でバッテリー運転に切り替わり、停電を感じさせない持続的な電力供給を実現する」としている。24時間の継続使用の負荷にも耐えられ、10年以上の高寿命化を実現した。

高速充電X-Stream技術により、短時間で満充電が可能。EV充電ステーションで最大3,600Wの充電入力を実現し、94分で0%から100%充電できるとうたう。DELTA Pro3のデュアルソーラーパネル入力は最大2,600Wで、最短130分でフル充電。AC 100V 1,500Wの充電入力であれば150分で80%まで充電可能、198分でフル充電できる。充電時の動作音は30dBで、ガソリンを使う一般的な発電機や、一般の家庭用蓄電池と比べて静音性が高いとする。

電気自動車と同じグレードのLFPバッテリーを内蔵しており、4,000回充放電を繰り返しても初期容量の80%を維持。1日1回の使用で約11年間使えるとする(環境温度25度で、0.5Cで充放電した場合の条件の試験結果)。自動車業界の技術であるCTC(セル・トゥ・シャシ)テクノロジーを導入した頑丈な構造と一体型バッテリーパックを内蔵。EC 60529基準適合、IP65に準拠する。

本体デザインは、従来の「DELTA Pro」よりコンパクトで、光沢感あるなめらかな流線型設計を採用。エクストラバッテリーを重ねていくスタッキング式で、スペースを有効活用できるため、取り外しや収納も可能。一般的な定置式家庭用蓄電池と異なり、DELTA Pro 3は大型のポータブル電源のようにタイヤが付いているため、自宅以外の場所にも持ち運べるとする。

本体サイズは693×341×410mm(幅×奥行き×高さ)、重さは51.5kg。IP54の防塵防水仕様で、動作温度はマイナス20度~45度。

  • 大型ポータブル電源のようにタイヤ付きで、自宅以外の場所にも持ち運べる