SteelSeries(スティールシリーズ)は、ワイヤレスゲーミングヘッドセット「Arctis Nova 5」シリーズを2024年5月24日に発売する。ラインアップは「Arctis Nova 5」「Arctis Nova 5P」「Arctis Nova 5X」の3モデルだ。

市場想定価格は各22,200円。それぞれ基本的な性能は同じで、USB-Cワイヤレスドングルによる2.4GHz接続とBluetooth 5.3接続に対応する。モデルごとにヘッドバンド部分のカラーが異なるほか、Xbox Series X|SおよびXbox Oneに接続できるのは「Arctis Nova 5X」のみ、という違いがある。

5月15日には製品発表会が開催された。製品概要の紹介とともに、プロゲーマーやストリーマーによるデモンストレーションも行われた。

  • Arctis Nova 5

    2024年5月24日に発売される「Arctis Nova 5」シリーズ

  • Arctis Nova 5

    5月15日には「Arctis Nova 5」シリーズの製品発表会が開催された。MCは伊織もえさん、OooDaさん

「Arctis Nova 5」の大きな特徴は、「Arctis Nova 5 専用アプリ」と呼ばれるアプリが用意されていること。『エーペックスレジェンズ(Apex Legends)』『VALORANT』『STREET FIGHTER 6(スト6)』など、ゲームごとにカスタマイズされたオーディオEQプリセットが100タイトル以上搭載されており、プレイするゲームに最適化されたサウンドをアプリのタップ1つで切り替えられる。

発表会に登壇したSteelSeries Japan & Korea Regional Director 石井靖人氏は、「アプリのプリセットには、ほぼすべての主要なゲームタイトルが用意されていると思います。それぞれのEQカスタマイズは、eスポーツ選手やeスポーツチームの方々と相談しながら設定しました」と説明する。

索敵が重要なFPSタイトルでは、相手の足音や銃声といった音を空間的に把握しやすいように、また、サッカーゲームでは、ボールを蹴る音は近く、歓声が遠くから聞こえるなど、自分がグラウンドにいるような没入感を味わえるよう、それぞれのゲームにあわせてセッティングされているという。

そのほか、ヘッドホン部には40mmネオジウムマグネティックドライバーを採用。周波数特性は20~22,000Hz、感度は93dBSPL、インピーダンスは36Ω、Discord認定の収納型双方向性ノイズキャンセリングマイクの周波数特性は100~10,000Hz @ 32kHz/16bit、感度は-38dBV/Pa。

サイズは‎8.95×17.46×18.59cm、重さは266.7g。バッテリー駆動時間は約60時間で、USB-C急速充電により、わずか15分で最大6時間の駆動が可能だ。2.4GHzとBluetoothの接続はヘッドホン部のボタンで切り替える。

  • Arctis Nova 5

    SteelSeries Japan & Korea Regional Director 石井靖人氏

  • Arctis Nova 5

    「Arctis Nova 5 専用アプリ」のEQプリセットに用意されているゲームタイトルの一例。ヘッドセット本体にオンボードメモリが搭載されており、連携したスマホアプリのタップ1つで簡単にEQプリセットを切り替えられる

  • Arctis Nova 5

    マイクが収納されている左側のヘッドホン部にはミュートボタンと音量調整ダイヤルを搭載

  • Arctis Nova 5

    右側のヘッドホン部には2.4GHzとBluetoothの接続を切り替えるスイッチが備わっている

  • Arctis Nova 5

    マイクを取り出した状態

  • Arctis Nova 5

    なお、カラーはブラック1色の展開。取外し可能なヘッドバンドのカラーはモデルごとに異なる

発表会場では、新製品のタッチアンドトライコーナーを用意。せっかくなので、専用アプリを使って簡単にプリセットによる音の違いを体験してみた。

まずは『Apex Legends』をプレイ。普段からほとんどFPSをプレイしないので、音の違いがわかるか不安だったが、最初に異なるタイトルのプリセット『STREET FIGHTER 6』を設定して銃を撃ってみてから、『Apex Legends』のプリセットに切り替えて再度試し撃ちしてみると、『Apex Legends』プリセットのほうが、よりクリアな銃声が響き、敵の足音もシャープになっていることがわかる。

逆に、『STREET FIGHTER 6』のトレーニングモードをプレイしながらプリセットを切り替えてみると、『Apex Legends』のプリセットではルークの弱パンチがペシペシと軽い印象を受けたが、『STREET FIGHTER 6』のプリセットでは低く重たい印象の音に変化した。

足音や銃声から索敵を行うシューティング系のゲームや、音の聞き分けで判断することのある熟練の対戦格闘ゲーマーにとって、音をより鮮明にするEQプリセットは勝敗を左右するほど重要だろう。ただ、勝ち負け関係なく、サウンド面の向上によってゲーム体験がよりリッチになるに越したことはない。『STREET FIGHTER 6』でも、単純に迫力あるヒット音のほうが、臨場感が高まること間違いなしだ。

もちろん、100タイトル以上のプリセットには、ソロプレイのゲームも豊富にラインアップ。対人ゲームを遊ばないプレイヤーでも、専用プリセットサウンドでワンランク上のゲーミングライフを堪能できるのではないだろうか。

  • Arctis Nova 5

    『Apex Legends』プレイ中に、EQプリセット『Apex Legends』と『STREET FIGHTER 6』を比較してみた。『Apex Legends』では高音がしっかりと聞き取れるようにEQがカスタマイズされているのか、銃声がクリアに感じた

  • Arctis Nova 5

    続いて『STREET FIGHTER 6』プレイ中に、EQプリセット『Apex Legends』と『STREET FIGHTER 6』を比較。『STREET FIGHTER 6』のプリセットだと、重低音が強くなっているのか、攻撃のヒット音が低く、重たく感じられた

そのほか、発表会では、3つのタイトルにて現役のプロゲーマーやストリーマーによるデモンストレーションが行われた。

まずは、プロゲーマーのすでたきさん、ストリーマーのゆふなさん、伊織もえさんが『Apex Legends』をプレイ。音に集中しているのか、静かにゲームが進行していく。そして、気がついたら敵部隊の数も残りわずかになり、危なげなくチャンピオンを獲得した。

プレイ後、すでたきさんが「プリセットがよくて、足音や銃声が鮮明に聞こえました」とイコライザーの設定について感想を述べると、ゆふなさんは「ヘッドセットは締め付けがあるのでイヤホン派なんですが、『Arctis Nova 5』は軽いつけ心地がよかったです」と、伊織もえさんは「ヘッドセットも軽くて、イヤーパッドもふわふわで、つけ心地もよく、遠くの銃声も聞きやすかったです。特に、マップのギミック作動音がよかったですね」と話していた。

続いて対戦格闘ゲーム『STREET FIGHTER 6』のデモ。ダイヤモンドランクのゆふなさんと、ブロンズランクの伊織もえさんが勝負する。実力差が大きいこともあって、ガチバトルではなく和気あいあいとプレイ。途中、伊織もえさんが「コンボボタンってどれですか?」と対戦相手に聞くシーンがあるなど、楽しそうにプレイしている様子が伝わってきた。

そして最後に『PUBG MOBILE』のカスタムマッチ。プレイ後にプリセットのイコライザーの良さやつけ心地の良さが語られて、イベントは終了した。

  • Arctis Nova 5

    『Apex Legends』をプレイするすでたきさん、ゆふなさん、伊織もえさん

  • Arctis Nova 5

    伊織もえさんはプレイ中も「こっちに敵いる?」「聞こえる聞こえる」など、音の様子を伝えてくれた

  • Arctis Nova 5

    最後の1部隊まで生き残り、見事チャンピオンを獲得

  • Arctis Nova 5

    『STREET FIGHTER 6』で紳士的にプレイしたゆふなさん。結果、伊織もえさんのブランカが勝利を飾った

  • Arctis Nova 5

    『PUBG MOBILE』をプレイしたのは、プロeスポーツチーム「BLUE BEES」のp1r選手、マーク選手、「TEAM 2EZ」のNack選手、itsuQ選手の4人