Luupは、電動モビリティのシェアリングサービス「LUUP」において、ナビ機能の試験提供を3月最終週から開始します。試験的な取り組みのため、当面は都内のライドおよび、iOS端末のみが対象となります。

  • Luupにナビ機能が追加。具体的なリリース日は未定だが、3月25日週のあいだに提供される予定

ナビタイムの自転車ルートをLUUPアプリに表示

今回試験提供するナビ機能は、2024年2月に行ったナビタイムジャパンとの連携に基づくもの。「NAVITIME API」の自転車ルート検索機能を活用し、LUUP利用時の推奨ルートをアプリ画面上に表示する機能です。

もともとLUUPは利用する際、事前に「出発ポート」と「目的地ポート」をアプリで設定する機能がある(目的地ポートは随時変更可能)ほか、車体にはスマートフォンホルダーが標準で装備されています。これらにより、Luupは走行時に道順を確認できる環境が整えられているため、電動モビリティサービス提供事業者として、同社が初めてナビ機能の提供に至ったとしました。

  • LUUPに追加されるナビ機能のイメージ。交通量や道幅などに応じ、電動キックボードが走りやすいルートを提案

  • LUUPは全車両にスマートフォンホルダーを装備

ナビ機能の画面は、アプリで設定した「出発ポート」→「目的地ポート」をつなぐ推奨ルートを、返却ポート選択時およびライド開始に表示。「画面の注視・操作はせず、実際の交通機能に従って走行してください」との注意書きとともに、全ユーザーのアプリに自動で表示されます。“表示しない”選択肢はありません。

  • ナビ機能の表示例。ライド中や、返却ポートを選択すると、出発ポートからのルートを表示する。自分の現在地も地図上に現れる

交通規制や経路の距離、所要時間、道路の幅や勾配など、自転車走行に関係する特有の情報をアルゴリズムの要素として追加し、自転車が通行しやすいルートが提示されます。例えばGoogleマップでルート検索すると大通りを使うルートが出てくる場合でも、LUUPで提案されるルートはより自転車が走りやすい交通量の少ない道や、幅が広すぎない道などが表示されるといいます。

返却ポートを変更すれば推奨ルートも変更されますが、現在位置に応じた自動リルート機能は現時点では提供されず、今後機能を追加する予定。また、夜間にルートなどを見やすくするダークモードの対応も予定しています。

  • Luup本社が入居するAKIHABARA CENTRAL SQUARE 1FにあるLUUPポート

  • AKIHABARA CENTRAL SQUAREのLUUPポートを出発ポートに設定

  • 返却ポートに近くのマンションにあるポートを選択したところ、大通りを避けたルートが提示された。返却ポートを変えるとルートも変わる

  • 秋葉原・高架下にある商業ビル「CHABARA」までのルートを、Googleマップ(左)とLUUPアプリ(右)で表示したところ。交通量の多い昭和通りを避けたルートになっていることがわかる

  • ライド中の画面。ルートと現在位置が表示される(現在位置に応じたリルート機能は現時点ではない)

  • 今後、ダークモードの提供も予定する

電動キックボードの安全性を高める取り組み

Luupを含む電動キックボード(特定小型原動機付自転車)は、自転車などと同じように、歩行者との接触や路上での転倒など、走行における危険が指摘されています。

Luupによると、特定小型原動機付自転車における交通ルール違反は、「通行区分違反」が最も多く、次いで「信号無視」が多いといいます。この2つのルール違反で、特定小型原動機付自転車における交通ルール違反の約9割に上るとのこと(警察庁資料/令和6年1月:改正道路交通法の施行後における. 特定小型原動機付自転車等の状況等について[該当PDF])。

通行区分違反は、車両が道路で定められた通行区分に従わない場合に適用される違反。電動キックボードは車道などの一般走行ならば時速20km、歩道走行なら時速6kmと決められており、例えばLUUPの電動キックボードには20km/hモードで走るモードと、6km/hで走るモードが多くの車両に備えられていますが、6km/hモードを使わず歩道走行している違反が多いといいます。

  • 特定小型原動機付自転車の交通違反の多くは「通行区分違反」と「信号無視」。特に6km/hモードを使わず歩道走行しているケースが多いという

交通違反の背景として、Luupは「交通量が多い道路の走りにくさ」を要因の1つとして考えています。

Luupが2024年3月に実施したユーザー向けアンケートでは、電動キックボード利用時に車道を「走りづらい」と感じた経験があるユーザーは83%と高く(全回答者数1,339名)、その理由は「路肩に路上駐車されている」が68%と最も多く、次いで「路面の状態が悪い」が55%、「車やバイクの走行量が多い」が43%という結果になったそうです(複数回答可、回答者数1,110名)。

Luupは、一般的なルート検索機能では交通量の多いルートが提案されてしまい、電動キックボードが走行しにくいのではと想定し、「違反につながらないような走行を促す」ため、今回のナビ機能を開発したとのこと。ナビ機能の提供により、交通量が多い車道での走行を回避したり、歩道に乗り上げる利用者を少なくするなど、歩行者とLuup利用者の両方に安全な走行を提供したい考えです。

  • ナビ機能により、違反につながらないような走行を促す

なぜ「自転車」ルート? Android向けにはいつ提供?

Luupでは、2023年7月に区分が新設されたばかりの特定小型原動機付自転車専用のルート検索技術がまだ存在しないこと、また電動キックボードが多くの点で自転車の走行ルールと共通していることから、自転車向けのルート検索APIを電動キックボードにも活用できると考え、今回の試験提供をスタートしました。

特定小型原動機付自転車と一般的な自転車の走行ルールは共通する部分が多く、大きく異なるのは年齢制限の有無、そして歩道走行時の速度制限があるかないかです。

  • 自転車と特定小型原動機付自転車の交通ルール。多くは共通しており、歩道走行の速度制限と、年齢制限が大きく違う点となる。違反・罰則制度も現時点では異なるが今後は共通となる見込みだ(2024年3月5日、自転車の交通違反で青切符による取り締まりを導入することが閣議決定されている)

今後は特定小型原動機付自転車専用ルートの検証を、ナビタイムジャパン社と連携して取り組んで行く予定。時期は未定ながら正式提供を前提としたもので、試験提供の間に、ナビ機能を実際に利用したユーザーから「もっとこういう道を提案してほしい」といった意見を取り入れて改善していく考えです。またAndroid端末での利用に関しては、現時点では正式提供のタイミングで提供することを検討しているとしました。