世界最大規模の世論調査会社・イプソスはこのほど、「ポピュリズムに関するグローバル調査2024」の調査結果を公開(pdfが開きます)した。その結果によると、日本人の約7割が「日本は衰退している」と感じていることが明らかとなった。ネットでは「高齢化は進んでるし…」「未来は暗い」などと注目が集まっている。

  • 日本人の約7割「自国は衰退している」と感じていることが判明 (イプソス調べ)

    日本人の約7割「自国は衰退している」と感じていることが判明 (イプソス調べ)

本調査は、世界のポピュリズムの動向を観測し理解するためのもので、2023年11月22日から12月6日にかけて、世界28カ国20,630人(インドの18歳以上、カナダ、マレーシア、南アフリカ、トルコ、米国の18~74歳、タイの20~74歳、インドネシアとシンガポールの21~74歳、その他の国の16~74歳の成人)を対象に、オンラインで実施された。

調査の結果、日本人の68%が「日本は衰退している」と感じており、2016年の40%から約1.7倍と大幅に増加している。この割合は、世界各国と比較しても、28か国中5番目の多さだ。同社は「現在の日本に対して、前向きな明るい期待を持つことが難しい状況であることがうかがえる」とした。

  • 日本人の68%が「日本は衰退している」と感じている (イプソス調べ)

  • 2016年の40%から約1.7倍増加 (イプソス調べ)

また、「既存の政党や政治家は、私のような人間を気にかけていない」という問いに対しては、62%の日本人が「そう思う」と回答。世界各国平均の64%は下回ったものの、2016年の39%と比べて約1.6倍に増え、政治への不信が加速していることが分かる。

  • 日本人の6割が「既存の政党や政治家は、私のような人間を気にかけていない」と思うと回答 (イプソス調べ)

さらに、「一般市民と政治や経済に関わるエリート層との格差がある」と感じている日本人は75%で、2021年よりは3ポイント減少しているが、世界28カ国中で5番目に高い割合となっている。

  • 日本人の7割以上が「一般市民と政治や経済に関わるエリート層との格差がある」と感じている (イプソス調べ)

このほか同調査では、税金の使途についても調査。日本人が税金の使途で重要だと考える項目として、1位は「貧困と社会不平等の緩和」で56%で、経済状況の改善を求める日本人の姿が明らかとなった。ちなみに上位には、52%で「医療(病気の予防、診断、治療、研究)」と「仕事の創出」、45%で「公共安全(法執行機関、消防、救急医療サービスなど)」、43%で「教育(学校、大学、職業訓練など)」などが挙げられていた。

  • 日本人が希望する税金の使途ランキング (イプソス調べ)

同社は、今回の結果について「最近でも物価高騰や政権与党の裏金疑惑など、不安を感じるような出来事が続き、将来への希望を持てなくなっているものと考えられます」としつつ、「2023年11月に当社が発表した「国家ブランドランキング」では、日本はドイツやカナダをおさえて、アジア太平洋地域国初となる1位を獲得しています。こうした国外からの評価が一般の生活に好影響を及ぼし、それを実感するまでには時間がかかるのかもしれません」とコメントした。

ネット上では「もう本当に後20年もしたら恐ろしいことになりますよ」「哀しいかな、未来は暗い」「そりゃあ高齢化は進んでいるし、人口も減り始めたからね。衰退しているのは当然かと」「政府や企業が劣化しているから、自国が衰退していると考えるのは当然。先進国で伸びていないのは日本だけ。明るい兆しすらない」「日本が衰退しても自分は衰退しないように努力すればいい」「衰退というより、世界から取り残されている感が強いな」などの声が寄せられた。