日本放送協会(NHK)は3月14日、東京都内の3世帯を相手に、受信契約・受信料および割増金の支払いを求めて起こした民事訴訟について、このうち1世帯への請求を認める判決が東京地方裁判所で言い渡されたと発表。割増金に関する裁判所の判断が出たのは今回が初めて。
今回の民事訴訟は、NHKが都内3世帯を対象とし、放送受信契約の締結と受信料および割増金の支払いを求めて、2023年11月6日に東京簡易裁判所に提起したもの。割増金制度は2023年4月に導入しており、2倍の割増金を求める訴訟は初。判決ではこのうち1世帯について、以下の請求が認められたとのこと。
- 受信料:42,180円(令和4年3月~令和5年9月の計19カ月分)
- 割増金:26,640円(令和5年4月~令和5年9月の計6カ月分)
NHKは本件世帯に対しては、契約締結を求める文書の送付や電話・訪問などによって「誠心誠意説明し丁寧な対応を重ねてきた」ものの、契約締結に応じてもらえなかったため、受信料の公平負担を徹底する観点から「やむを得ず最後の手段」として、割増金の請求を含む民事訴訟に踏み切ったと説明している。
また、判決については「NHKの請求が認められたと受け止めている。今後も、受信契約についての理解を得るため最大限努力するとともに、割増金制度の適切な運用に努め、受信料を公平に負担していただくための取り組みをすすめる」とコメント。
残りの2世帯については引き続き係争中とのことだが、いずれにしても裁判はあくまでも最終的な手段としており、割増金の運用についても「一律に請求するのではなく、個別事情を総合勘案しながら運用する」としている。