家庭用のシステムバス設備などを提供するパナソニック ハウジングソリューションズが、睡眠改善支援会社「SleepLIVE」の代表取締役社長を務める小林麻利子さんを招いてプレスセミナーを開催。テーマは「睡眠と入浴の関係」「良質な睡眠を得るためのお風呂の活用術」です。

良い睡眠のための入浴方法とはどのようなものでしょう。自宅で今すぐできる「睡眠に良い入浴方法」と、パナソニック ハウジングソリューションズが取り扱っているイマドキのお風呂最新設備を紹介します。

  • 睡眠と入浴の関係についてレクチャーしてくれた睡眠改善支援会社「SleepLIVE」の代表取締役社長 小林麻利子さん

  • セミナーのあとはマイナビニュース +Digitalの林編集長とともにパナソニック ショールームで最新のお風呂設備をチェック。今回の「睡眠に良い入浴」によさそうなお風呂を見てきました

お風呂に入って睡眠を改善

SleepLIVEの小林さんによると、良質な睡眠を導くにはいくつかの条件があるといいます。大きく以下の3つです。

  • 深部体温の上昇と急降下
  • 末端と胴体部分の皮膚温度を近づける
  • 副交感神経を優位にすること

「深部体温の上昇と急降下」が大切なのは、眠りを誘うホルモン「メラトニン」が増えるときに深部体温が下がるから。この状態を再現するために、入浴によって深部体温を上昇させ、その反動で下げることがよいといいます。

そこで重要なのは睡眠に入るタイミング。一般的に、体温が下がってくるときに就寝すると眠りに入りやすくなるため、睡眠直前に入浴すると体温が上がって逆に眠気がさめかねません。睡眠の1時間前くらいに40℃ほどの熱すぎないお湯に首までしっかり浸かるのこと理想とのことです。

  • 明るい光はメラトニンの分泌を阻害するため、暗めの環境でお風呂に入るのもポイント。写真はパナソニックの「ライトアップロングカウンター」を採用した浴室。メインの照明を消すと、ライン照明が浴室内をぼんやりと照らし、眠気を妨げません。見た目もカッコイイですね

2つめ。身体の末端と胴体部分で皮膚の温度差をゼロに近づけることでも、眠りは深くなります。入浴はこの状態を作りやすくします。お風呂に入ると末端の血管が広がり、手足の先に熱が移動します。お風呂に入って深部体温が上昇したのちは、身体内部の熱が末端へと移動することによって、自然と深部体温が下がって皮膚温度が上がります。

  • お風呂に入ったときの深部体温と皮膚温度の変化。15分前後で差がゼロになっているのことがわかります。長湯しすぎると逆に差が大きくなります

最後の条件は「副交感神経を優位にすること(=リラックスした状態)」。入浴中に雰囲気のある照明にしてみたり、リラックスできる音楽を流したりといった工夫をするとよいそうです。

  • 浴室内で音楽が聴けるBluetoothスピーカー「シーリングバスオーディオ」。天井の点検口(フタ)を振動させることで、音楽を流します。天井から音が降りそそぐような感覚です。写真はフタ部分に触れる林編集長。音に合わせて振動していました

  • 副交感神経を刺激するには、入浴中に頭、首、背中をバスタブに密着させて支える体勢がベスト。写真のように、安定した姿勢を支えられるバスタブの形が理想的です。自宅のバスタブだと首が浮いてしまうという場合は、タオルなどで首を支えましょう

普通のお湯より身体が温まりやすい「酸素美泡湯」

今回教えてもらった「質の良い睡眠のための入浴」は、一般的なお風呂でも手軽に試せます。もし浴室のリフォームや住宅新築の計画があるなら、パナソニックの「酸素美泡湯(さんそびほうゆ)」に注目してみてください。

酸素美泡湯は、パナソニックが2004年から発売しているマイクロバブルユニット搭載システムバスのこと。お風呂のお湯にマイクロバブルを発生させることで、普通のお風呂よりも高い「温浴効果」「保湿効果」「洗浄効果」が期待できます。

【動画】パナソニックのショールームに展示されていた、酸素美泡湯を搭載したバスタブのカットモデル。3分ほどで湯船全体に細かな泡が行きわたり、お湯が白濁しました(音声が流れます。ご注意ください)

普通のお風呂だと、皮膚に触れるお湯が皮膚の温度に近づいていくため、温かさを感じにくくなります。入浴中、手やタオルでお湯を動かしたり、身体を動かしたりすると温かく感じますよね。これは皮膚とお湯の境界(温度境界層)を変化させて、より温かいお湯が皮膚に触れるようにするしぐさです。

酸素美泡湯では、マイクロバブルが常に湯船のお湯の中を動き回り、皮膚とお湯の温度境界層を壊していることがポイント。自分の手でお湯をかきまぜなくても、入浴中はずっと温かいお湯が全身を包んでくれます。

今回のテーマ「良質な睡眠」にきいてくるのは、酸素美泡湯の「温浴効果」でしょう。酸素美泡湯のお風呂は、39℃というぬるめのお湯で入浴しても、身体の温まりが長く続くそうです。温かく感じるお湯が身体に触れ続けるため、ぬるめのお湯でも高い温浴効果が得られるというわけ。「良い睡眠のために急いで寝ないと!」と、あわてて寝る準備をしなくてすみます。

  • 通常のお風呂と酸素美泡湯を使ったお風呂の、湯上がり後の皮膚温度の変化。酸素美泡湯は湯冷めしにくいという結果に

  • 酸素美泡湯で作ったお湯に手を入れる林編集長。「普通のお湯より手がポカポカしてくるのが早い気がする」とのこと。パナソニックによると、水中の細かな泡が肌表面に発生する温度境界層を乱すため、普通のお湯より温かさが肌に伝わりやすいそうです

「身体が温まりやすい」というのも大きなメリットですが、40代女性である筆者「保湿効果」も気になる……。細かなマイクロバブルが肌や毛穴の奥まで入り込み、通常の水よりもお肌のしっとり感が長続きするという触れ込み。

この保湿効果は通常の酸素美泡湯でも実感できますが、さらなる保湿効果を求める場合は「オイルヴェール酸素美泡湯」に注目。こちらはマイクロバブルとともに、専用オイルをお湯に混ぜ込む機能を搭載した製品です。目に見えないほど細かく分散したオイルが、肌を均一に包み込みます。

  • 泡の吹き出し口部のカバーに専用オイルをプッシュしたら、あとは普通の酸素美泡湯のように使うだけ。専用オイルは、オリーブオイルやアルガンオイルなどを使った化粧用オイル。そのまま肌に塗ってもよいそうです

オイルヴェール酸素美泡湯を手で試したところ、オイル特有のベタッと感はないのに、明らかに肌がしっとりとしています。乾燥肌の筆者は湯上がりにボディミルクを塗るのですが、オイルヴェール酸素美泡湯ならこうしたアフターバスケアも省けそう。

お風呂上りはボディケアをしたり髪の毛を乾かしたりでアッという間に時間が過ぎてしまいますが、酸素美泡湯のような高機能バスなら「お風呂のあとは1時間で寝る」という良睡眠に向けた習慣が自然と身につくかもしれませんね。

  • 向かって左が普通の酸素美泡湯、右がオイルヴェール酸素美泡湯。試しに左右の手を入れて違いを体験してみました

  • 向かって左がオイルヴェール酸素美泡湯に入れた手、右が普通の酸素美泡湯に入れた手です。見た目には違いがわかりませんが、オイルヴェール酸素美泡湯に入れた手のほうがしっとりしていて、時間がたっても乾燥しにくかったです