米Googleは2月16日(米国時間)、Androidの次期バージョン「Android 15」を発表し、開発者向けプレビュー版「Android 15 Developer Preview 1」(システムイメージ)をリリースした。導入可能なデバイスは、Pixel 6/7/8シリーズ、Pixel Fold、Pixel Tabletなど。
Android 15の開発スケジュールは前年と同様であり、4月にBeta 1、5月にBeta 2がリリースされる予定だ。通例に従えば、春に開催される開発者カンファレンスGoogle I/Oで全貌が明らかになる。そして、6月リリース予定のBeta 3からPlatform Stability(プラットフォーム安定版)に移行し、7〜8月の最終テストを経て夏の終わり頃の正式版リリースが予定されている。
2023年にスマートフォン市場は全体的に縮小したが、その中でプレミアム帯は販売台数を伸ばした。そうした需要に応える強化や機能追加が、Android 15のポイントの1つである。例えば、ADPF(Android Dynamic Performance Framework)に、ヒントセッションによる電力効率モードやサーマルヘッドルーム閾値といった新たな機能が追加される。また、GPUとCPUの両方の作業時間をヒントセッションで報告できるようになる。これらにより、開発者はデバイスの電力および熱管理とのより密接な連携が可能になり、アプリのパフォーマンスを最適化し、ユーザー体験を向上させられる。また、開発者によるカメラのプレビューの輝度コントロール、フラッシュ強度の高度な調整、バーチャルMIDIアプリへのUMPサポートの拡張など、新しい拡張機能が追加される。
プライバシーに関する変更も重要なポイントであり、プライバシーを高めながら効果的かつパーソナライズされたモバイルアプリ向け広告体験を提供するための新技術開発の一環として、Android AD Servicesを拡張レベル10に引き上げ、Privacy Sandbox on Androidの最新バージョンを組み込んでいる。また、FileIntegrityManagerにfs-verityを利用する新しいAPIが含まれおり、これを利用することでファイルが暗号署名によって保護され、改ざんや破損がないことを確認できる。マルウェアや不正なファイル変更からアプリの機能性やデータを保護するセキュリティが強化される。