KDDIの持つ通信技術やテクノロジーを活用して、もっと便利で頼りになる“未来のコンビニ”を作りたい――。2月6日、KDDI、三菱商事、ローソンの3社が資本業務提携契約を結びました。全国1万4000のローソン店舗網を生かして、ECサイトで購入した商品を最短15分で配送したり、ローソンの店舗で家計相談や服薬相談、スマホのサポートなどがオンラインでできるようになります。
今回の資本業務提携では、KDDIが三菱商事とともにローソンの経営に携わります。ローソンの店頭でauのアクセサリーを、auショップでローソンの商品を取り扱う予定もあるとしますが、KDDIの高橋誠社長は「ローソンの店頭でauのスマホを売るために提携するのではない」と強調します。「今回の提携は、KDDIが持つ通信技術やテクノロジーを提供してローソンのビジネスを発展させ、魅力ある店舗にするのが目的。その結果としてKDDIが利益を得られればよい」と説明します。
さらに高橋社長は「コンビニは社会のインフラとなっており、平時だけでなく災害時も重要な役割を果たす。命、暮らし、心をつなぐコンビニとして、KDDIの持つ技術を活用して未来のコンビニを実現したい」と狙いを語ります。
まず狙っているのが、オンラインで商品を購入するECサイトの強化です。大手スーパーなどのECサービスは、届くまで早くても2時間はかかりますが、ローソンでは1万4000の店舗網を生かして最短15分で届けたいとし、「通信とテクノロジーで速さを武器にする」としました。
さらに、ローソンの店舗で提供するオンラインの相談サービスを充実させるとしています。ローソンの店頭にビデオ接客端末を設置し、家計などの金融相談や服薬相談、スマホのサポートなどをオンラインで受けられるようにする仕組みです。
ローソンの竹増貞信社長は「ローソンに端末を置けば、店頭でいろいろなサービスや相談が提供できるようになる。もし身内に介護が必要になったとしても、どこに相談すればよいか分からなくて困ってしまうが、ローソンに来て端末を操作すれば専門家とつながって相談できる」と説明しました。
高橋誠社長は「今後、人手不足はさらに深刻になる。これらの相談をオンライン化すれば、10店舗や20店舗を1人で任せられるようになる。オンラインといってもローソンには店員がいるので、分からないことは直接相談できるのがリアル店舗のメリット。コロナ禍でリモートが進んだが、コロナを経てやはりリアルがいいね、という意識になっている。人口減でauショップも減っているが、全国を網羅しているローソンの店舗を活用したい」と語ります。
そのようなオンライン相談をするには、腰を落ち着けられるスペースがローソン店内に必要になりますが、現時点ではイートインのスペースぐらいしかないのが現状。その点に関して、竹増社長は「ローソンの店舗は30平米や40平米とスペースが限られているが、座って相談してもらえるように店舗を改良していく」としました。
ちなみに、ローソンがKDDIと資本業務提携することで、「ローソンではNTTドコモ系のd払いやdポイントが使えなくなる?」と思う人もいるかもしれませんが、そのような制約はしないとしました。