KDDIは、eスポーツ施設「esports Style UENO」を2024年2月1日にオープンする。それに先駆けて、完成披露発表会が開催された。記事では、施設の概要を紹介するとともに、発表会の様子をお伝えする。

  • KDDIが手掛けるeスポーツ施設「esports Style UENO」の完成披露発表会が行われた

「esports Style UENO」の所在地は、東京都台東区上野2丁目7-7 上野HSビル。KDDI直営ショップ「au Style UENO」の3階に位置する。JR上野駅と御徒町駅から徒歩5分という好立地だ。秋葉原からほど近い場所であり、遠方からのアクセスのよさ、周辺に競合の大きな施設がないことなどを考慮して、上野を選んだという。

1階には「BLUE LEAF CAFÉ」を併設。コーヒーをはじめとするドリンク、サンドイッチなどの軽食、パンダの顔がかわいいオリジナルパフェといったバラエティ豊かなメニューを用意している。2階は「auコーナー」で、スマートフォンの購入や各種手続きに対応する、いわゆる“携帯ショップ”だ。各階と「esports Style UENO」の相互送客も狙う。

  • 施設の外観。上野公園の不忍池の近く、秋葉原の電気街へ続く「上野中央通り」にある

  • 入ると1階のオシャレなカフェが目に入る。ここで購入したドリンクなどを持って、3階の「esports Style UENO」を利用することもできるという

  • メニューの一例。イベントとコラボしたオリジナルメニューの開発も予定している

  • 奥にはディスプレイが設置されていた。1階のカフェでもeスポーツイベントのパブリックビューイングに対応する

上野公園の南側に位置する「au Style UENO」

そして、3階にオープンするのが、今回お披露目されたeスポーツ施設。通常時はゲーミングPCの時間利用で、思い思いにゲームを楽しめる。また、定期的にコミュニティイベントやeスポーツ大会のパブリックビューイングなども開催する予定だ。

強みは、通信事業を手掛けるKDDIならではの通信ネットワークだろう。高速10Gbpsの施設専用回線を敷設しており、eスポーツで採用されるタイトルでもストレスなくプレイできるようにした。

ゲーミングPCや周辺機器をASUSで統一したのも特徴的だ。ゲーミングPCには施設オリジナルモデル「ROG STRIX HELIOS」と日本未発売の「ROG Strix G13CH」を導入するほか、ゲーミングモニターにはリフレッシュレート280Hzの「TUF Gaming VG259QM」、ゲーミングマウスには超軽量54gの「ROG Harpe Ace Aim Lab Edition」、ゲーミングキーボードには「ROG STRIX Scope TKL」「ROG Strix Scope RX TKL Wireless Deluxe」、ゲーミングヘッドセットには「ROG Delta S」「ROG Delta Core」、ゲーミングマウスパッドには「ROG Sheath」をラインアップ。しかも、ゲーミングスマホ「ROG Phone 7」や、ハンドヘルドゲーミングPC「ROG Ally」の無料貸し出しも実施する。

  • 高速通信とハイスペックマシンによるゲーミング体験を提供

  • 施設のデバイス類はすべてASUS

  • 会場では通信スピードテストの実演も

  • スピードテストを実施していたゾーンには、無料貸し出しを予定しているハンドヘルドゲーミングPC「ROG Ally」も展示されていた

メインエリアはレイアウトフリーで、通常時はプレイヤー間のコミュニケーションを促すラウンド型のPCバンスタイル(20席)を採用し、イベント時は大型294インチのLEDビジョンを生かしたパブリックビューイング(最大収容人数140名)などを開催できるようにデザインする。

個人の利用料金は、1時間528円、3時間1,430円、6時間2,750円。「au PAY」で支払うと1時間440円、3時間1,100円、6時間2,200円と、最大20%オフになる。

  • メインエリアのラウンド型レイアウトのイメージ。オープンゲームブースは20席

  • 同じくメインエリアのパブリックビューイング時のスタイル。最大140名が参加できる

  • 「au PAY」支払いで利用料金が20%オフに

メインエリアのほかに、合計11席の個室ゲームブース「MeetUP」を用意。PCが5台の「MeetUP i」、PCが6台の「MeetUP ii」の2部屋あり、両部屋を使えば5人対5人の対戦も行える。

ゲーミングチェアには、オカムラの「STRIKER」を採用した。この施設のために特別にデザインされた「auカラー」であるオレンジ、ブルーの2色でそれぞれ展開される。利用料金は、1部屋1時間で4,400円から。こちらも「au PAY」支払いで割引きされる。

さらに、個人ユースを想定した防音スタジオの「実況配信ルーム」を設置。これからゲーム配信にチャレンジしたいエントリー層向けに、“お試し配信”をサポートする。曜日や時間帯で利用料金は異なるが、部屋代と機材貸出セットで2時間27,500円から。配信ルームの利用も「au PAY」支払いで20%オフになる。

  • 個室ゲームブース「MeetUP」は「オレンジ」イメージの部屋と「ブルー」イメージの部屋の2つを用意

  • 発表会ではブルーの部屋を開放していた

  • PCは施設用の特別構成。「ROG STRIX HELIOS」は、CPUにIntel Core i7-14700KF、グラフィックスにGeForce RTX 4080を搭載する

  • 「実況配信ルーム」の利用イメージ

  • 発表会では貸出用機材を展示していた

  • なお、施設のPCには、ゲーマーのために開発された「ノートン 360 for Gamers」がインストールされている。ゲームのパフォーマンスを落とすことなくPCを保護できるという

企業のイベント利用も可能だ。メイン会場にあるLEDビジョンは多チャンネルの同時出力に対応。ゲーム画面に加えて、AI追尾型ストリーミングカメラで捉えた最大10名までの選手の表情を投影できる。

異なる音源を出力できる左右のスピーカーも用意。発表会に登壇したKDDI パーソナル事業本部 コンシューマ営業統括本部 コンシューマ営業統括2部 商品推進部長の砂金智彦氏は、「パブリックビューイングで応援するチームのボイスチャットを聞くといった環境も実現できます」と説明した。

オープン後は、大小さまざまなコミュニティイベントを開催するとともに、施設主催イベントも毎月開催していく予定だ。

  • 大型のLEDディスプレイのピッチサイズは1.875mmと高精細

  • KDDI パーソナル事業本部 コンシューマ営業統括本部 コンシューマ営業統括2部 商品推進部長の砂金智彦氏は、eスポーツ大会やパブリックビューイング、コミュニティイベントだけでなく、ゲームタイトルの発表会などにも対応できることをアピール

プロゲーミングチームの「DetonatioN FocusMe(DFM)」がesportsコミュニティビルディングパートナーに就任することも発表。チームの運営を行うDetonatioN 代表取締役社長の梅崎伸幸氏が登壇し、施設を通して行う活動について説明した。

予定されている取り組みは「コミュニティ形成・大会」「コミュニティイベント、番組サポート」「施設限定グッズ販売」「DFM主催ファンイベントの実施」「教育・育成」の5つ。そのうち「教育・育成」について梅崎氏は「私自身がこれから力を入れていきたいのが教育です。現状eスポーツ選手としてのマインドを育む場があまり多くありません。ほかのスポーツのようにユースやアカデミーといったものを、施設を通じて展開していきたいと考えています」と展望を述べた。

  • 施設のesportsコミュニティビルディングパートナーに就任したプロゲーミングチームの「DFM」

  • さまざまな取り組みを通じてコミュニティを形成していく

  • DetonatioN 代表取締役社長の梅崎伸幸氏

そのほか、発表会ではトークイベントを実施。タレントの野々宮ミカさんをMCに、ゲーム実況グループ「三人称」のドンピシャさん、プロゲーマーの板橋ザンギエフさん、タレントの倉持由香さんをゲストに招き、同施設の印象や、普段の配信についてトークが展開されるとともに、倉持さんによる施設紹介をリアルタイムで会場のモニターに映し出す生中継も行われた。

  • 移動しながらライブで施設を紹介する倉持さん

  • 80インチのモニターが設置されている1階のカフェの様子も生中継。会場にいるのは左からMCの野々宮ミカさん、板橋ザンギエフさん、ドンピシャさん

  • 「イベントや大会など普段とは違う環境でゲームをプレイする際に気をつけていること」を聞かれた板橋ザンギエフさん。「家の環境に近づけることが大事」としつつ、膝の上にアーケードコントローラーを置いてプレイすることもあり、「プレイ感覚がかなり変わるので、イスの高さは一番気をつけるかもしれないですね」と話していた

  • 「ゲームをしながら動画配信で気をつけていること」を聞かれ、「自分がゲームを楽しめているか気をつけています。また、コメントしてくださる方とのコミュニケーションを意識しています」と話すドンピシャさん

  • 倉持さんは「とにかく炎上しない」ことを心がけながら配信しているそう。しかし、格闘ゲームではアツくなってしまうこともあり「『ストリートファイター6』で(苦手なキャラクターの)JPと当たると、つい舌打ちが出ちゃうこともあるんですけど、そんなときは『違うよ。いまのは投げキッスだよ』とかわいく誤魔化します」というエピソードを明かした