TwitchとNVIDIAは1月8日(アメリカ現地時間)、配信ツールの「OBS Studio」と共同で、新しい「Twitch Enhanced Broadcasting」について発表した。NVIDIA GeForceシリーズが内蔵する強力なNVENCを活用することで、最大3つの解像度を同時に生成して配信できるようになる。

  • Twitchに対してGeForce NVENCから解像度別に最大3ストリーム配信できるように - AV1ベータテストへの参加も示唆

配信を視聴する際、ハイパフォーマンスなチャンネル(視聴者数が多い)では視聴者の環境に応じて複数の解像度を選択できる。これは配信者から送信されている最も高品質なデータを用い、サーバー側で解像度のオプションを生成している。サーバー側の負荷が高まるために、この機能は一部のチャンネル向けにしか解放されておらず、パフォーマンスの高くない配信は単一の解像度でしか視聴できなかった。

そこで今回、NVENCを活用することで最大3つの解像度を配信者側で生成し、パフォーマンスが高くないチャンネルにおいても視聴者に解像度のオプションを提供できるようになるという内容。セットアップを簡略化するため、この機能に必要な拡張ブロードキャストモードでは解像度やビットレート、エンコードパラメータが自動的に適用されるという。

NVIDIA製GPUが内蔵するエンコーダ「NVENC」は、単一の1080p配信では莫大な余力を持て余しており、今回の施策では上手にサーバーからエッジに負荷をアウトソースできることになりそうだ。なお、エンコードコアの動作には少なからずGPUとVRAM間の帯域を占有するほか、3ストリーム送信すれば配信時の上り回線でも占有量が増えるだろう。

また、NVIDIAのリリースでは特に言及されていないが、TwitchのX(旧Twitter)投稿は要注目。なんとこのベータ版に参加することで、AV1コーデックのサポートを含むベータ版プログラムに参加できる可能性があるという。詳細は特設ページまで。