コンピュータやスマートフォンの分野でよく使われる言葉は、外国語だったり略語だったり読みかたすらわからないものが少なくありません。iOS 17.2で正式にサポートされた「Qi2」も、そのひとつです。

「Qi」はケーブルを使わずにスマートフォンなどのデバイスを充電するワイヤレス充電規格のひとつで、「チー」と発音します。8/8 Pro以降のiPhoneは、Qiの規格を満たすワイヤレス充電機能を備えており、Qiに準拠した充電器であれば手軽にワイヤレス充電を実現できます。

そして12シリーズ以降のiPhoneは、Qi規格とともにMagSafeをサポートしています。MagSafeはApple独自のワイヤレス充電規格で、磁界を発生させるコイルの外周部分にマグネットを配置し、充電器とiPhoneのコイルを正確な位置で接触させることを可能にします。

MagSafeのメリットは、2つのコイルをぴたりと揃えることで充電効率を最大化できることにあります。ワイヤレス充電中に位置がずれることがなくなるため、いつの間にか充電が中断されたり充電速度が低下したりということもありません。

そのQiの次期バージョンとして2023年に登場した規格が「Qi2(チーツー)」で、準拠する充電器とデバイスは最大15Wで充電できます。Qi2はMagSafeをベースに仕様が決められており、iPhone 15シリーズは発売当初から対応しています。

2023年12月に公開されたiOS 17.2では、iPhone 13/14シリーズも対応機種にくわえられることが発表されました。2023年12月上旬時点では、Qi2対応充電器は発売されていないものの、今後Apple以外のメーカーの製品も対応するはずで、充電器のバリエーションが一気に増えると予想されます。量産効果など価格面にもプラスの影響が見込まれますから、Qi2対応機の増加はiPhoneユーザにとって朗報といえそうです。

  • iOS 17.2では、iPhone 13/14シリーズでも「Qi2」がサポートされるようになりました