米Googleは12月8日(現地時間)、Googleラボが初期テスターに提供していたAIノートブック「NotebookLM」(実験製品)を、米国で18歳以上が利用できるようにした。これは今年5月に開発者カンファレンスにおいて、「Project Tailwind」という名称で紹介されたツールであり、オンラインノートに大規模言語モデル(LLM)によるAIアシスト機能が統合されている。新版では、PDFサポートやメモボードといった多数の新機能を追加し、またGoogleが12月6日に発表した最新のAIモデル「Genmini Pro」の使用を開始した(対応言語は英語)。

NotebookLMは、論文やレポート、小説、書籍執筆など長い文章を書く際の準備に役立つツールである。執筆プロジェクトごとにカスタマイズされたAIアシスタントが、ユーザーが収集した資料や情報、ユーザーが書いたメモやノートに基づいた、分析、提案、要約の作成などを行う。

NotebookLMは、「Sources」(資料や情報がまとめられるセクション)、「Notes」(ユーザーが書いたメモが並ぶボード)、テキストによる対話用の入力ボックスの3部分で構成されている。

使用手順としては、まず新規のノートブックを作成し、執筆に用いる資料や情報を「Sources」セクションに追加する。アップロードできるのは、PDF、Googleドライブ内のドキュメント。またはテキストメモを作成して追加する。ソースは最大20万語、1つのノートにつき最大20ソースまでとなっている。

たとえば、NotebookLMに関する記事やFAQ文書、ブログ記事などをアップロードした場合、NotebookLMがそれらを解析し、ソースに関する質問や会話の準備が整うと、「ノート・アプリについて議論する」、「GoogleのNotebookLMの使用目的は何ですか?」、「メモや執筆を向上させるNotebookLMの主な機能は何か?」といった会話例がAIチャットのセクションに表示される。

  • ソースを開くと、NotebookLMが自動的にそのソースの要約を作成

    ソースを開くと、NotebookLMが自動的にそのソースの要約を作成

これまで資料を読み込んで探していた情報を、NotebookLMに質問するだけで得られる。ソースの文章を読みながら文章を選択すると、NotebookLMは自動的にその文章を新しいノートに要約したり、専門用語や複雑なアイデアを理解する手助けをする。ユーザーはNotebookLMと会話しながら、必要な情報を集め、アイディアを練り、そして会話の内容、ソースからの抜粋、または書きとめたメモなどをメモボード(Notes)にピン留めする。複数のメモを構造化されたドキュメントにまとめてもらうことも可能。メモを選択すると、テーマ別のアウトラインや学習ガイドなど、まとめる形式をNotebookLMが提案する。

  • カスタマイズされたNotebookLMとの対話

    NotebookLMとの対話を通じて資料から情報を引き出し、要点がまとめられるので、資料を読み返す時間が減り、思考に集中できる

準備が整ったら、Googleドキュメントに書き出して最終版に仕上げる。その前に、文章を推敲してもらったり、メールマガジン、マーケティングプランの草稿など、最終版に合わせて変換するように指示することも可能だ。