iPhone 12以降で採用されている「MagSafe」は小型のワイヤレス充電器をスマートフォンの背面にマグネットで貼り付けるような仕組みで、ケーブルの抜き差しをしないで済む(コネクタが痛まない)ワイヤレス充電の良さと、充電パッドからズレたりせず確実に充電できる有線充電の良さを合わせたような使い勝手の良いシステムです。
登場から3年が経ち、モバイルバッテリーや卓上スタンド、車載ホルダーなど、MagSafeを活用したアクセサリは非常に充実しています。Androidスマートフォンを使っている人でも、ちょっとうらやましく感じている人は少なくないのではないでしょうか。
将来の話をすれば、すでにiPhoneのMagSafeをベースとした「Qi2」という標準規格が策定されているので、2024年以降に登場するハイエンド寄りのAndroidスマートフォンではMagSafeと互換性のあるアクセサリを使えるようになる可能性が高いのですが、「そうじゃなくて今持っているAndroidスマホでMagSafeを使いたい!」という声もあるはず。高価な最新機種を買ったばかりなら特にそうでしょう。
今回は、まさにそんな願いが叶うGoogle Pixel 8 Pro用の“MagSafe対応”ケース、「RHINOSHIELD SolidSuit」のサンプルを入手したので試しに使ってみました。
RHINOSHIELDのスマートフォンケースは耐衝撃性の高さや豊富なカスタマイズデザインも特徴です。今回はPixel 8 Pro本体の色と合わせて「グレイシャーブルー」を選びました。標準モデルは3,680円、MagSafe対応モデルは5,880円です。
リサイクル可能なプラスチック材料を選んで作られているというケース本体は、ハードケースとTPUなどのソフトケースの中間ぐらいの柔らかさで、指紋などの汚れが目立たないさらっとした表面の仕上げと軽さが好印象。側面のボタンも押しやすく、ストラップホールも備えられています。
パッケージもサステナビリティに配慮したもので、プラスチック製の緩衝材などを使わず、印刷には大豆インクを使っています。
さて、ケース自体のクオリティが十分に高いことがわかったところで、本題のMagSafe機能をチェックしてみましょう。
そもそもMagSafeは「Qi準拠のワイヤレス充電」と「スマートフォンとアクセサリを固定するためのマグネット」を組み合わせたシステムなので、ざっくり言えば、Pixel 8 ProのようなQi対応スマートフォンなら、あとはMagSafe形状のマグネットさえ追加すればMagSafe対応アクセサリを使えてしまうというわけです。
このケースの内側にはMagSafeサイズの円形のマグネットが入っており、これがPixel 8 Pro本体のワイヤレス充電パッドの位置としっかり合わせて配置されているので、MagSafeアクセサリを貼り付けて充電できるようになります。
今回はApple純正の「MagSafe充電器」(ケーブル)と「MagSafeバッテリーパック」(モバイルバッテリー)を用意して動作を確認しました。結論としてはどちらも問題なく充電可能でした。
ただし、本来のMagSafeの仕様であれば、円形のマグネットに加えて下向きに伸びる短い“しっぽ”の部分があるのですが、RHINOSHIELD SolidSuitに仕込まれているマグネットは円の部分だけです。
このため、スタンドなどのまっすぐきれいに正しい向きで取り付けたい用途ではやや注意が必要そうではあるものの、円の部分に関しては純正より強いのではないか?というほどに磁力が強く、使用中に不意に外れてしまうといった不安はまったく感じませんでした。
今回ご紹介したPixel 8 Pro用のほかにも、Pixel 8、Pixel 7、Pixel 7 Pro、Galaxy S23、Galaxy S23 Ultra用などのRHINOSHIELD SolidSuitには同様にMagSafe対応モデルが用意されています。
MagSafeやQi2に正式対応した製品というわけではありませんが、Qi2に準拠したAndroidスマートフォンが出始めるまで待てない!という方は、裏技的な選択肢として検討してみても良いのではないでしょうか。