海外で一部のメーカーが力を入れているセルフィーやポートレート撮影に特化したスマートフォンも独自の進化を進めています。vivoの「V29」は美しく映える顔写真を撮影できるスマートフォンです。vivoは日本には上陸していませんが、アジアを中心に人気の高いメーカーです。今回はマレーシアで行われた新製品発表会を取材しました。
V29の主なスペックは6.78インチ2,800×1,260ピクセルの高解像度ディスプレイを搭載。ミドルレンジモデルですが。撮影した顔写真をより鮮明に確認できるようにしているのでしょう。チップセットはクアルコムのSnapdragon 778G 5G、一般的な使い方ならば十分な性能だと思われます。バッテリーは4,600mAhで80Wの急速充電に対応、バッテリーがゼロの状態から50%までわずか17分で充電できます。
本体内部には大型の冷却版も搭載、ディスプレイのリフレッシュレートも120Hzと高く意外にもゲーム用途も考えられています。カジュアルゲームの長時間プレイも問題ありません。本体形状もディスプレイと背面の角を丸めたデザインなので、手の小さめな女性でも握りやすいと感じました。質量は186gと、200gを切る軽さです。価格はアジア各国で6万円前後。
vivoはこれまでもセルフィーを美しく撮影するスマートフォンとして「Vシリーズ」のモデルを多数出してきました。ナチュラルに仕上げてくれる美顔モードの搭載はもちろん、以前のモデルではデュアルセルフィーライトの搭載など、他のメーカーにはない機能を装備していました。今回のV29では背面に搭載するLEDライトが大きく強化されています。カメラのレンズ部分とサイズを同じにしたリングライトは従来比36%明るくなり、ライトの発光エリアも9倍広くなったといいます。実際に明るい場所でもライトの色はかなり強いと感じました。
このライトはAura Light 2.0と名付けられ、さらに新しい機能が追加されています。それはライトの色を自在に変更できるのです。セルフィーライトでもこの機能を持つものはありますが、スマートフォンのライトではなかなか見かけません。屋外の風景撮影では使うことのない機能でしょうが、屋内のポートレート撮影には必須となるはずです。vivoはこのように顔写真に特化したスマートフォンを1つのラインナップとして毎年モデルチェンジさせているのです。
カメラアプリを起動してライト調整をタップすると、白色から暖色まで好みの色に変更可能。真っ暗な場所では強力な白い色を、室内で暖かみのある顔を撮りたければ暖色に、といった調整ができるわけです。ライトの強弱の自動調節も可能。さらに動画撮影時もライトの色を変えることができます。
このライトの色変更は背面のメインカメラ使用時だけではなく、フロントカメラを使ったセルフィー撮影時にも対応しています。V29はフロントライトは搭載していませんが、画面全体を光らせてセルフィーライトにしてくれます。
セルフィー撮影時にライト調整をONにすると、このように顔のプレビュー以外のエリアが光ってライトになります。画面の上にはAura Light 2.0同様の調光バーが表示されます。
セルフィーの場合は撮影者が自分で顔の色を確認しながらライトの色を調節できるのがいいですね。スライドバーなので無段階に色を調節できます。LEDライトほどの明るさはありませんが、暗い環境ならかなり効果的に顔を照らしてくれます。
実際にセルフィー撮影してみました。画面ライトの色は暖色側にしています。美顔効果は中程度。いい感じに撮影できます。発表会会場でも多くの女性インフルエンサーたちがV29を手に取ってセルフィー撮影を楽しんでいました。
スマートフォンのカメラ性能の進化はまだまだ止まりません。vivoもカメラ強化のモデル「Xシリーズ」を展開中です。その一方で「高性能カメラ」ではなく「美顔カメラ」を求める人は多く、美しい顔写真撮影に特化したセルフィーカメラ、ポートレートカメラの開発でvivoは他のメーカーの一歩以上先を行く製品を開発しているのです。ある意味「ニッチ」な製品のため日本でこのようなスマートフォンが出てくることはないでしょうが、海外では着実に一定のユーザー層から支持を受けています。これからも美顔撮影スマートフォンはまだまだ進化していくのです。