NTTドコモ モバイル研究所は11月20日、2023年2月に実施した「2023年次世代ライフスタイル調査」から、テレワークのメリット/デメリットについての分析結果を公表した。

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この調査で、テレワークを行っているという人からメリットとしてもっとも多く挙がったのは「通勤時間を有効活用できるようになった」で、テレワーク利用者の52.0%がメリットに上げており、前年に行った調査から2.2ポイント増加している。以下、「家族との時間が増えた」28.4%、「上司や同僚等に直接会わなくてよい」25.5%と続いており、「メリットは特にない」を除くすべての選択肢が前回調査よりも増加するという結果になった。「メリットは特にない」は22.6%で、前回調査から3.6ポイントのダウン。

  • グラフ:テレワークのメリット(複数回答)

    テレワークのメリット(複数回答)

「通勤時間を有効活用できるようになった」を上げている人を回答者の職種別にまとめたのが次のグラフ。「事務系・技術系従事者」ではこの点をメリットに感じている割合が前回調査とほとんど変わらないが、「役員・管理職・自由業」「パート・アルバイト」「現業系・サービス系従事者」「商工・自営業」では5~10ポイントほど割合が増えている。ただしこれらの職種では、「事務系・技術系従事者」とテレワークの活用度合も違うはずで、前回調査から今回の調査の間にようやくこういった職種でもテレワーク環境の整備が進み、メリットを享受できるようになったとも考えられる。

  • グラフ:「通勤時間を有効活用できるようになった」をメリットに上げている割合(職種別)

    「通勤時間を有効活用できるようになった」をメリットに上げている割合(職種別)

反対に、デメリットとして挙げる人がもっとも多かったのは「仕事と仕事以外の切り分けが難しい」で、36.8%の人が挙げており、前回調査から6ポイントのアップ。これに「他の人が何をしているのかわからない」32.4%、「業務遂行にあたって対面でないので相談しにくい」26.6%と続く。デメリットも前回調査よりも回答割合が高くなっており、もっとも増加幅が大きかったのは「組織の一体感を得にくい」の7.9ポイントだった。「業務面でのデメリットは特にない」は前回の29.6%から23.4%へ6.2ポイントのダウンで、テレワークの弊害を感じる人も増えているようだ。

  • グラフ:テレワークのデメリット(複数回答)

    テレワークのデメリット(複数回答)

「仕事と仕事以外の切り分けが難しい」の回答割合を職種別に分析すると、前回調査ではこの点をデメリットに感じる人の割合が「事務系・技術系従事者」で34.3%、「商工・自営業」で15.8%と大きな差があったものの、今回の調査ではすべての職種で30%台となっている。このあたりも職種ごとのテレワーク状況が均質化しているあらわれかもしれない。

  • グラフ:「仕事と仕事以外の切り分けが難しい」をデメリットに上げている割合(職種別)

    「仕事と仕事以外の切り分けが難しい」をデメリットに上げている割合(職種別)

調査概要

  • 調査名:2023年次世代ライフスタイル調査
  • 調査方法:Web
  • 調査対象:全国・15~79歳男女
  • 有効回答数:6,151件(うちテレワーク利用者は事務系・技術系従事者:n=699、現業系・サービス系従事者:n=150、役員・管理職・自由業:n=155、商工・自営業:n=56、パート・アルバイト:n=106)
  • サンプリング QUOTA SAMPLING、性別・年齢(5歳刻み)・都道府県のセグメントで日本の人口分布に比例して割付
  • 調査時期:2023年2月