シャープの技術展示/体験イベント「SHARP Tech-Day」が、東京ビッグサイト 東8ホールで11月10日に開幕しました。会期は11月12日まで。ここでは、スマートフォンやPCに接続して使うVRグラスや、MRグラスのコンセプトモデルを紹介します。

  • シャープのVR/MRグラスついに登場、「Tech-Day」開幕。写真はVRグラスのコンセプトモデル(ミラーグリーン)で、2024年夏発売を目指す

  • MRグラスのコンセプトモデル

シャープは1月の「CES 2023」に合わせて、4K/120Hz駆動のVR HMD(ヘッドマウントディスプレイ)を参考出展しており、このときのHMDでは横長に四角いデザインを採用していましたが、今回のVRグラスではスキーゴーグルのような形状に変更されています。実際に稼働する機材はなく、詳細な仕様も明らかにはしていないものの、説明員の言葉からいくつかヒントを得ることができました。

まず、このVRグラスはスマートフォンやPCと接続して使うタイプということで、バッテリーを省いて軽く作られているとみられます。左右に周囲を把握するためのモノクロカメラ計2基、中央にカラーパススルーのためのRGBカメラ1基を搭載。

外部機器の接続インタフェースはUSB Type-Cで、側面からケーブルが出ている片出しタイプ。組み合わせるデバイスは、Displayport Alt Mode(DP Altモード)に対応している必要があるとのこと。PCではSteamVR対応で、ゲーム利用も可能としています。

内部にはダブルパスパンケーキレンズを採用。両目の瞳孔間距離(IPD)などを調節する機構も盛り込んでいます。メガネの上から被ることは難しいようで、筆者のようなメガネを手放せない人にとってはこのグラスに視度調整機能があるのかが気になるところでしょう。近視などはある程度(視力0.1あたりまで)は調節できるとのことですが、乱視への対応は現状難しいとのこと。別売レンズ等での対応に期待したいところです。

参考出展のショーケース内には、操作用コントローラーは特に見当たりませんでした。CES 2023で披露したVR HMDは、装着者の手の動きを認識してVR上の操作に反映するハンドトラッキングに対応しており、操作用コントローラーなしで操作できる仕様だったそうなので、今回のVRグラスもそれを踏襲しているのかもしれません。

このVRグラスは、シャープから2024年夏の発売を目指して開発中。価格はまだ公表しておらず、「市場を見ながら検討中」という状態だそうです。カラーバリエーションとして、会場ではミラーグリーンとミラーシルバーの2色を展示していて、個人的にはミラーグリーンの色合いに惹かれました。実際に発売する場合はどちらか1色に絞る模様です。

  • VRグラスのコンセプトモデル(ミラーシルバー)

SHARP Tech-Dayで披露された、もうひとつのMRグラスのコンセプトモデルは詳しい情報がほとんどありませんでしたが、会場ではスマホと連携したプロトタイプを来場者たちが装着して、このグラスを使った新しいライフスタイルや仕事のイメージを体感できるようにしていました(詳細は別記事で紹介します)。

  • SHARP Tech-Dayで披露された、MRグラスのコンセプトモデルを装着したところ

  • レンズ自体の厚みを変えてピント調整を行う「ポリマーレンズ搭載 超高速オートフォーカスカメラ」の展示。一般的なカメラよりもすばやくピント合わせが行え、さらにピントの位置が動いても画角(映る範囲)が変わらないので映像に酔いにくく快適に使えるのも特徴としている