デロンギの全自動コーヒーマシンといえば、日本でも世界でもトップシェア。この全自動コーヒーマシンには機能やデザインによって幅広いラインナップがありますが、人気はエントリーモデルの「マグニフィカ」シリーズです。

デロンギ・ジャパンは11月1日、マグニフィカシリーズの新モデル「デロンギ マグニフィカ スタート 全自動コーヒーマシン(ECAM22020B/ECAM22020W)」(以下、マグニフィカ スタート)を発表しました。発売日は11月15日で価格はオープン、推定市場価格は99,800円前後です。コーヒー好きとしてとっても気になる新モデル、デロンギにおじゃまして発売前の実機を触ってきました。

  • マグニフィカ スタートはタッチ操作。従来のモデルよりもスッキリしたデザインになりました

  • カラーはブラックとホワイトの2色。本体サイズは幅240×奥行き440×高さ350mm、重さは9.5kg

エントリーモデルとはいっても味には妥協のないマグニフィカ

デロンギの全自動コーヒーマシンには、最上位モデル「プリマドンナ」のほか、「エレッタ」や「ディナミカ」といった複数のシリーズがあります。最上位モデルともなると30万円を超える超高級マシンですが、今回のマグニフィカ スタートは約10万円のエントリーモデルです。それでも高いといえば高いのですが、買うだけの価値を見いだしているユーザーが多いのも事実。

  • デロンギの全自動コーヒーマシンのラインナップ

エントリーモデルではありますが、デロンギの全自動コーヒーマシンは全モデル共通で基本となるコーヒーの味は同じ。豆を挽くグラインダーや、コーヒーを抽出する抽出ユニットには、すべてのモデルで同じ性能のパーツを採用しています。

価格による違いは、コーヒーメニューの豊富さや操作性(ダイヤル操作かタッチ液晶画面かなど)、デザイン、自分好みにカスタマイズできる設定項目の種類など。つまり基本のブラックコーヒーやエスプレッソだけなら、マグニフィカ スタートでも30万円超えの高級マシンでも同じ味です。

  • デロンギの全自動コーヒーマシン、心臓部となるコーヒー抽出ユニット。コーヒー抽出時は、ここにコーヒーの粉を自動的に詰めてエスプレッソを抽出します

  • 約250g分のコーヒー豆が入るマグニフィカ スタートの豆ホッパー。デロンギの全自動コーヒーマシンはすべて、コストがかかるコーン型グラインダーを内蔵しています。豆を美味しい状態で均一に挽けることが大きな特徴です

  • 本体側面には引き出し式の水タンク。タンク容量も1.8Lとたっぷりです

デロンギ全自動コーヒーマシンの全モデルに共通するもうひとつの特徴は、メンテナンスが楽なこと。全自動コーヒーマシンは起動時と終了時に水の経路を自動洗浄するため、毎日のメンテナンスは基本的にコーヒーカスとトレーに溜まった水を捨てるだけ。一般的なコーヒーマシンよりも圧倒的に手間がかかりません。

  • 水受けのトレーを手前に引くと、カス受けを外せます。基本的な毎日のメンテナンスはこの中身を捨てるだけ

  • 水受けに水が溜まっている場合は、トレーを外してまるごと水洗いすることも可能

基本のエスプレッソに加えて、味の異なる2種類のコーヒーも

デロンギの全自動コーヒーマシンは、圧力をかけてコーヒーを抽出する「エスプレッソ」方式。全モデルに基本の「エスプレッソ」抽出メニューがありますが、少量で濃く抽出するエスプレッソは好みが分かれるものです。

そこで、日本向けモデルが必ず搭載しているメニューが、一般的なブラックコーヒーを淹れる「カフェジャポーネ」。新マグニフィカ スタートも、もちろんこの2つを備えています。

  • シンプルな操作パネル。上のアイコンは左から、ミルクフロッサー、エスプレッソ、スペシャリティ、カフェジャポーネ。中央は豆の量の選択ボタン。下の「×2」を押すと2杯同時抽出もできます

  • メニューアイコンをタッチするだけで、自動で必要量の豆を挽いてコーヒーを抽出してくれます。とにかく操作が手軽です

  • マグニフィカ スタートで抽出した、基本となるエスプレッソ。美味しいエスプレッソの証しでもあるクレマ(泡)がしっかりと

カフェジャポーネは豆を2回に分けて挽いて、抽出と蒸らしを何度も繰り返して抽出します。多くの日本人が好むという、深蒸しドリップコーヒーに近い味のブラックコーヒーが楽しめます。

デロンギの全自動コーヒーマシンによっては、エスプレッソとカフェジャポーネのみ抽出できるモデルもありますが、マグニフィカ スタートはもうひとつ「スペシャリティ」というメニューも利用できます。こちらはあえて豆の蒸らし時間をとらない、豆本来の味を引き出す抽出方法です。

  • じっくり時間をかけて抽出した「カフェジャポーネ」。ガツンとパンチのある味ですが、後味はスッキリとした印象のコーヒーでした

  • こちらは「スペシャリティ」で抽出したコーヒー。同じ豆を使っているのに、カフェジャポーネよりも苦味が抑えられて爽やかな味わい

マグニフィカ スタートは自動ミルクメニューモードは備えていません。ただし手動でミルクを泡立てるミルクフロッサーを使えば、カプチーノやラテも作れます。フロッサーは二重構造タイプのノズルで、ミルクの泡立て経験がなくても何回か試して慣れてくれば、フワフワの泡ミルク(フォームミルク)を作れます。

  • ミルクフロッサーの上にあるレバーを倒すと、ノズル先から高圧スチームが出てきます。冷たいミルクが1分ほどで温かな泡ミルクになりました

  • あらかじめ抽出しておいたエスプレッソに泡ミルクを注いだら、カフェラテの完成です

今回は短時間の試用でしたが、実際に操作して飲んでみた第一印象は「デロンギの全自動コーヒーマシンらしい味と使い勝手をしっかり備えている」です。デロンギの全自動コーヒーマシンは高級マシンの代名詞でもありますが、10万円以下でこの味を自宅で毎日楽しめるのは魅力的です。

エントリーモデルとあってメニュー数は決して多くありませんが、ボディのきいた深煎りの「カフェジャポーネ」と、爽やかでアメリカンに近い味わいの「スペシャリティ」という、まったく異なる2つのブラックコーヒーメニューを選べるのはうれしいところ。間違いのないエスプレッソと合わせて、コーヒー好きの人はぜひ注目してみてください。