米Intelが10月26日(現地時間)に発表した同社2023年度第3四半期(2023年7〜9月)決算は、売上高・利益ともアナリストの予想平均を上回った。持続的な低迷が続くものの、PC市場に底打ちの兆しが見え始め、またコスト削減策の成果が2四半期連続の黒字になって表れた。加えて、10〜12月期に増収に転じる予想を示し、時間外取引でIntel株が上昇した。

7〜9月期のGAAPベースの売上高は142億ドル(前年同期比8%減)、純利益は3億ドル(同71%減)で、1株あたりの利益は0.07ドルだった。非GAAPだと、純利益17億ドル(同14%増)、1株利益0.41ドル。アナリストの予想(非GAAP)は、売上高135億3000万ドル、1株利益0.22ドルだった。以下は事業グループ別の売上高。

  • クライアントコンピューティング・グループ:売上高79億ドル(前年同期比3%減)。前年同期比減が続くが、前期の12%減から下落幅が大きく縮小した。TAM(Total Addressable Market)の縮小が続くものの、OEMの在庫調整が進展して健全な状態に近づいている。
  • データセンター&AI:売上高38億ドル(前年同期比10%減)。データセンターとクラウド支出の大部分がAI対策に充てられており、通常CPUに割り当てられるデータセンター予算がGPUに奪われている。
  • ネットワーク&Edge:売上高15億ドル(前年同期比32%減)
  • Mobileye:売上高5億3000万ドル(前年同期比18%増)
  • Intelファウンドリサービス:売上高3億1100万ドル(前年同期比299%増)

ファウンドリサービスの売上高はまだ全体の2%に過ぎないものの、3桁の成長を継続している。先端製造プロセスを手がける「18A」に対する関心がAIブームによって高まっており、年内に4件目の契約が締結される見通しで、さらに6つの新規顧客との交渉が進んでいるという。

NVIDIAとAMDがArmベースのPC用チップの提供を計画しているとReutersが報じたが、決算説明会においてパット・ゲルシンガー氏(CEO)は「(PCの歴史を鑑みれば)全体としてそれほど重要なものとは考えていません」とコメントした。しかしながら、ArmベースのチップはIntelのファウンドリ事業にとって大きなチャンスになると付け加えた。

2023年10〜12月期のガイダンスは、売上高146億〜156億ドル、粗利益率46.5%、0.44ドルの1株利益。アナリストの予想平均は、売上高143億1000万ドル、0.32ドルの1株利益だった。