Fitbitのフィットネストラッカー「Fitbit Charge 6」が10月12日に発売しました。細身のディスプレイで、日々の健康管理やアクティビティ計測などが行える軽量な手首型トラッカーです。今回メーカーから機材を借り、約1週間ほど実生活のなかで試用してみました。

  • Fitbit Charge 6を装着したところ。標準付属のベルトカラーはObsidian、Porcelain、Coralの3色ですが、今回はPorcelainを試しました

    Fitbit Charge 6を装着したところ。標準付属のベルトカラーはObsidian、Porcelain、Coralの3色が用意されていますが、今回試用したバンドはPorcelainでした。直販価格は23,800円

心拍数計測の精度が上がった新フィットネストラッカー

Fitbit Charge 6の主な仕様は次の通りです。

  • 画面サイズ: 縦3.87cm×横1.86cm×高さ1.17cm
  • 本体素材: アルミニウム、ガラス、樹脂
  • ストラップ素材: シリコン
  • センサー : 光学式心拍数モニター/3軸加速度計/GPS搭載+GLONASS/血中酸素ウェルネスモニタリング用の赤色および赤外線センサー/温度センサー/環境光センサー/EDAスキャンアプリに対応する多目的電気センサー
  • バッテリー駆動時間: 最大7日間
  • 防水 : 5気圧(水深50m)
  • 重さ : 実測29g(Sバンド装着時)
  • カラー : Obsidian、Porcelain、Coral

前モデル「Charge 5」からの主な進化点は、Fitbitのトラッカー史上最高精度をうたう心拍数計測の高精度化、Googleアプリ(GoogleマップとYouTube Premium)の表示・操作機能、側面の触覚フィードバックボタンなど。

触覚フィードバックボタンは、軽く押すとホーム画面に戻るボタンで、Charge 4では同様の物理ボタンがあったのですが、Charge 5では省かれていました。Charge 6のボタンは物理的に押し込むものではありませんが、適度な振動を返します。画面のタッチ操作もストレスなく反応するものの、一瞬でホーム画面に戻れる便利さが大きく、試用中はこのボタンを多用していました。

  • Fitbit Charge 6のパッケージ

  • パッケージを開けたところ

  • 本体を取り出すと、下には充電ケーブルとLサイズ(手首周り170mm~211mm)のバンドが入っていました。本体にはSサイズ(手首周り130~170mm)のバンドが標準で取り付けられています

  • Charge 6を横に置いてみたところ。幅は実測2.3mmほど

  • 画面向かって左側に備えられた触覚フィードバックボタン

  • 本体の裏面

  • 充電ケーブルはマグネット式。電源側のコネクタはUSB Type-A形状でした

Googleアプリ搭載、マップのナビ機能が便利

新機能の「Googleマップ」対応は、GoogleマップのナビゲーションをCharge 6でも表示できるもの。事前にアプリで設定することで、スマートフォンのGoogleマップでナビを開始すると自動的にCharge 6にもナビ画面が表示、「南西に進む 4分」や「右へ曲がる」といった指示がCharge 6上で確認できます。

曲がる場所や到着時には振動でもお知らせ。精度は高く、まれに曲がった後に振動するなどわずかな誤差もありましたが、ナビの補佐として十分役立ちました。また、同じく新機能となるYouTube Musicの音楽再生、停止、スキップ、音量調節も、スマートフォンの同アプリを手首でコントロールできるのは街歩きに便利でした。

  • ナビは徒歩、自転車、車の3つの移動手段に対応。写真は自動車でのナビ画面(助手席で撮影)

  • 目的地に到着すると、「到着しました」のメッセージとともに、振動でもお知らせします

  • YouTube Musicの操作画面

  • 音楽の再生・停止、スキップ・戻し、音量の上げ下げができます

デスクワークのユーザーにも役立つ健康管理機能

Charge 6の健康管理機能は、心拍数計測や歩数計測、消費カロリー測定、アクティビティ計測(エクササイズモード)、血中酸素の測定、ストレスマネジメントスコア(体が感じるストレスのサインをスコア化するもの。通知機能はなし)、睡眠スコアなどで、主要な機能が過不足なく揃っています。

筆者は普段目立った運動をしていないので、日々の歩数計測や睡眠分析、ストレスチェック、長時間椅子に座った状態でいると立って動くことを提案するリマインド機能(運動リマインダー)など、健康維持に関連した機能を便利に感じました。

  • ランニングやウォーキングなどいくつかのエクササイズは自動でスタートを検知し、アクティビティを分析・記録します

  • ウオーキング中の分析画面。心拍数や位置情報・距離、消費カロリー、歩数などをリアルタイムで表示します

  • ウォーキングの距離とタイム

  • 普段から助けられている運動リマインダー。仕事で座りっぱなしの状態でも、この通知が出て歩きまわると気分転換になります

画面が小さいので、健康管理やエクササイズなどの詳細データはFitbitアプリで確認する形になります。

Fitbitアプリは2023年9月後半にUIを一新し、「今日」「コーチ」「自分」の3つのタブでデータの表示や分析、本体のカスタマイズや目標の設定などを行うようになりました。新しいUIは賛否あるようですが、個人的にはその日の活動内容がまとまった「今日」のタブはとても見やすいです。ちなみにGoogleマップやYouTube Musicの設定も、まずはアプリ側でサービスを登録して使います。

  • 左から順に「今日」「コーチ」「自分」のタブ。今日のタブは、睡眠、エクササイズ、体重管理の3つのうち、自分が重視するものを一番上に表示できます。その日のアクティビティ内容や消費エネルギー、移動距離といった各種情報がまとまっており、非常に見やすいです。コーチのタブはワークアウトを提案する動画や、睡眠時に音楽を流すコンテンツなどを用意。ただ多くは有料サービス「Fitbit Premium」加入者向けとなっており、無料で使えるコンテンツは少ないです。自分のタブは、他のユーザーとのコミュニティ設定や、生活の目標値などを設定できます

  • Fitbitアプリに表示された睡眠時間をタップすると、睡眠の詳細な内容を確認できます。寝た時間や夜中に起きた時間などはかなり正確な印象。二度寝も計測できていることがわかります。睡眠時間は週間、月間、3カ月、年間でグラフ表示も可能(ちなみに朝方短時間起きているのは猫が朝食を求めて起こしに来るためです……)

バッテリーの持ちは標準的、高精度なデータ取得が魅力

最後にバッテリー駆動時間について。スペック上では最大7日間の駆動ということで、実際に使ってみたところ、丸6日間使って電池切れ、という結果でした(ディスプレイ明るさ標準、画面オン自動、常時表示なし、運動中のGPSオン)。仕様値からはやや短いですが、おおむね5日間ほどを充電めやすと考えておけばよさそうです。

Charge 6は小型のトラッカーですが、リアルタイムの心拍数や睡眠モニタリングなどの測定データが、想像以上に高い精度で取れていることに驚きました。満足度は高い一方、個人的な不満は文字盤デザインの少なさで、画面が小さいゆえに用意されている文字盤バリエーションが少ないのが残念でした。

その一方で、大画面・高機能のスマートウォッチと異なり、本体側での細かな設定が不要な点はラクでした。加えて、Suica対応のキャッシュレス決済機能Fitbit Payが使える点は魅力。基本的には装着しているだけで詳細な健康データを習得し、アプリで確認できるため、初めてスマートトラッカー類を付ける人だけでなく、アプリの使いやすさも含め手軽に健康管理をしたい人に適している製品だと感じました。