日立グローバルライフソリューションズは10月4日、ドラム式洗濯乾燥機「ビッグドラム」シリーズの新製品を発表しました。フラッグシップモデル「BD-STX130J」、プレミアムモデル「BD-STX120J」です。両製品とも、乾燥方式にビッグドラム初となるヒートポンプを採用し、乾燥にかかる電気代を従来モデルと比べて削減しています。
乾燥フィルターの掃除が必要ない「らくメンテ」や、シワになりにくい「風アイロン」といった、ビッグドラムならではの機能も継続して搭載。発売日は11月中旬を予定しており、価格はオープン。推定市場価格は、BD-STX130Jが370,000円前後、BD-STX120Jが330,000円前後です。
上位2モデルが省エネ性の高いヒートポンプ乾燥に対応
新モデル(2製品)の違いは洗濯・乾燥容量と操作性。フラッグシップモデルのBD-STX130Jは、洗濯容量13kg、乾燥容量7kg、タッチ液晶画面での操作。一方のBD-STX120Jは、洗濯容量12kg、乾燥容量6kg、ボタン式のシンプルな操作性です。いずれもIoT対応でスマートフォン(アプリ)からの操作にも対応しています。
両者の大きなポイントは乾燥方式の変更。これまでのビッグドラムシリーズはヒーター乾燥方式でしたが、今回の2モデルはビッグドラムシリーズとして初のヒートポンプ乾燥を採用しました。ヒートポンプ乾燥は、ヒーター式よりも省エネ性が高いのが特徴です。
実際に昨年(2022年)モデルのBD-SX120Hと今回のBD-STX120Jを比較すると、6kgの衣類を洗濯~乾燥した場合の消費電力は約37%も低くなりました。電気代を抑えられるだけでなく、乾燥時間も同じ条件で18分ほど短縮。従来モデルよりも電気代の節約と時短の両方を実現しています。
フラッグシップモデルのBD-STX130Jは洗濯容量13kgですが、これもビッグドラムとしては初めての大容量。容量12kgモデルと比べて、ドラム容積が約11Lぶんアップしています。
日立によると、容量を1kgぶん増やすことで、シーツにして約2枚ぶんを追加で洗濯できるようになったとのこと。また、容量は1kgアップしていますが、本体サイズは洗濯容量12kgのBD-STX120Jと同じ。2022年モデル(洗濯容量12kg)と比べて、本体サイズはほとんど変わっていません
ナイアガラ洗浄がさらに進化して汚れ落ちアップ
乾燥方式以外もさまざまな点が進化しています。なかでも注目はナイアガラ洗浄。日立のビッグドラムは、もともと少ない水で洗剤を溶かした「高濃度洗剤液」を作って、大流量のナイアガラシャワーで循環させて衣類に浸透させる「ナイアガラ洗浄」機能を搭載していました。今回の新製品は、この高濃度洗剤液の濃度をより高く。洗剤が衣類に浸透するスピードが速くなっています。
現行モデルまでの「ナイアガラシャワー」はドラムの上部分から水を出していましたが、新製品はドラムの低い位置からもシャワーを出せる「ナイアガラ循環2段シャワー」になりました。水位が低いときは、下段のシャワーだけを使用してより効率的に洗剤液を循環。水位が高いときは、上と下ふたつのシャワーで洗剤液を衣類にたっぷりと散布します。
いまでは高機能洗濯機の定番となった液体洗剤・柔軟剤の自動投入は、柔軟剤タンクが大容量に。従来は液体洗剤が1L、柔軟剤が0.7Lだったタンク容量が、新モデルでは両タンクともに1L容量になりました。
ビッグドラムシリーズの上位モデルは、衣類がシワになりにくい「風アイロン」や、メンテナンスの多くを自動化した「らくメンテ」など、もともとたくさんのメリットを持つ製品でした。
一方で、他社の高機能ドラム式洗濯乾燥機では多くが省エネ性能の高いヒートポンプ乾燥を取り入れているなか、ビッグドラムはフラッグシップモデルもヒーター式であることを残念に感じていたユーザーも多かったはず。今回、ビッグドラムの上位2機種が待望のヒートポンプ乾燥を導入したことで、次の洗濯機はビッグドラムと考える人も増えるのではないでしょうか。