ワークマンが9月1日からオープンする新店舗「Workman Colors」は、「#ワークマン女子」に続き、“作業服などプロ向け商品を置かないワークマン店舗”の新たな業態。2023年秋冬の新商品からは、機能性はステルス化し、ウェアのデザインに注力した戦略をとると明かされました。
Workman Colorsがどんなお店なのか、8月30日に行われた内覧会でさっそく見てきました。同日に行われた発表会の模様もあわせてお届けします。
Workman Colorsは#ワークマン女子とどう違う?
Workman Colors第1号店がオープンするのは、東京・銀座の一等地にあるイグジットメルサ銀座。以前は「#ワークマン女子」だった店舗を改装し、全面リニューアルする格好です。
Workman Colorsの特徴は、「マネキンによるコーデ提案」と、店名の通り「ビビッドなカラーの多用」。SNS映えするビジュアルの追求がテーマでもあるそうです。
ざっと店内を見ると、マネキンの存在感もさることながら、あわせやすいトップスとボトムスを棚の上下に配置するなど、コーデの提案に力点が置かれていました。
面陳列の割合が高く、商品説明や価格のパネルが随所にあり、何がどこにあるかすぐわかるようになっています。棚の使い方はゆったりですが、多様なウェアを一か所にギュッと押し込めたようなつくりで、既存店(商業施設内の#ワークマン女子)よりも通路幅はやや狭めな印象を受けました。
個人的に#ワークマン女子で買い物をするとき、棚差しされた服を都度めくって、ラベルで機能と値段を確認し、そこから吟味していました。一方、Workman Colorsでは商品紹介のポップが多用されているため、ぶらっと店内を見て回って買い物しやすそうです。
ただし、ヒットアイテムの「真空保冷ペットボトルホルダー」などの雑貨や小型のキャンプギア、発表会では大きくコーナーを作っていた電熱ヒーター内蔵ウェア「HEATER VEST」も、内覧会の段階では店内に見当たりませんでした。#ワークマン女子よりも一層ファッションに特化した業態といえそうです。
“SHEIN方式”でトレンド感ある商品を展開
Workman Colors1号店開店と同時に発売する「小ロット生産のトレンド製品」もここで買うことができます。
ワークマンは海外工場の閑散期に発注して大量生産することで、手頃なのに機能性のあるアイテムを生み出してきました。作業服では功を奏したこの方法ですが、ファッショントレンドに応じた商品企画はできないというデメリットも。
そこで超安価かつトレンド感のあるファッションサイトとして存在感を高めている「SHEIN」の生産方式を現地調査し、小ロット生産にもかかわらず8割の製品を量産と同等の価格で販売できる体制を整えたのだとか。まずは小ロットで販売し、ヒットしたら同じ工場に量産を依頼する狙いです。
アクセス良好な商業施設内に多く出店している「#ワークマン女子」(2023年6月時点で35店舗/商業施設内)ですが、やはり「女性モノしか置いていない」印象は強いもの。実際にはメンズウェアやコンパクトなキャンプギアも置いているのですが、#ワークマン女子で買い物中に「メンズってあるの?」とスタッフや同行者に聞く男性客を何度か見かけました。Workman Colorsは店舗名に強く性別を思わせる要素がないため、「男性も入りやすい都心型店舗」となる可能性があるかもしれません。
今後、Workman Colorsは新宿や渋谷、梅田といった繁華街に10店ほどの出店を計画中。Workman Colors銀座店で評判のよいコーデを#ワークマン女子でも採用するなどして、将来的には各地の#ワークマン女子をWorkman Colorsの方向性に寄せていく意向です。