サムスン電子ジャパンは8月22日、7月の「Galaxy Unpacked July 2023」で登場した製品群の国内発表を行いました。グローバル発表から1カ月弱での日本国内発表ということで、同社の意気込みを感じさせます。同日開催された発表会の会場では、実機の展示のほか、実際の利用シーンに即した体験ができるブースも設けられていました。
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この日発表されたのは、「Galaxy Z Flip5」「Galaxy Z Fold5」の折りたたみスマートフォン2機種と、スマートウォッチ「Galaxy Watch6」シリーズ、そしてタブレットの「Galaxy Tab S9」シリーズ。もっとも力が入っていたのが縦折り型の折りたたみスマートフォン「Galaxy Z Flip5」です
「今までの常識を覆し最高の自分を表現する世界へ」
発表会に登壇した同社CMOの小林謙一氏はまず、日本に先行して予約販売を開始している韓国で予約が100万台を超えるなど、好調なスタートを切っていることを報告。その理由として、同社の折りたたみスマートフォンが5世代目を迎えるという実績を挙げ、すでに折りたたみスマートフォンのユーザーが数千万人に達し、数年後には折りたたみスマートフォンの販売台数が1億台を突破すると予想。たくさんのユーザーのライフスタイルに影響を与えていると語ります。
「Galaxy Unpacked July 2023」でも掲げられた、今回の新製品のテーマは「Join the flip side」というもの。日本語も「さぁ、自由な方へ。」と添えられていますが、小林氏は「flip」という言葉に「限界を超え、新しい発想を創造すること」といった意味を見出し、先のテーマの解釈として「今までの常識を覆し、一人一人にあった新しい世界に導く、最高の自分を表現する世界をお客様に提供すること」というコンセプトを提示しました。
そんなコンセプトを体現するこの日の新製品をユーザーにアピールするプロモーション施策や、実際に製品を体験できる下北沢エリアジャック/ラッピングカーなどの企画を紹介したあと、「ぜひ、スマートフォンの概念が変わる感覚を味わっていただけたらと思います」と語り、各製品の紹介に移りました。
スマートフォンがコモディティ化する中で、もう一度驚きと感動を与えたい
新製品それぞれについては、すでにマイナビニュースでもグローバル発表時のニュース記事や会場展示機のインプレッションなどさまざまな形でご紹介しているため、ここではポイントだけを簡単にご紹介していきます。
「Galaxy Z Flip5」については、フレックスウィンドウ(従来カバーディスプレイと呼ばれていた折りたたみ時外側のディスプレイ)の大型化と、折りたたみ機構フレックスヒンジの改良をアピール。フレックスウィンドウのサイズが大きくなったことにより、セルフィー撮影時のプレビューウィンドウとしてより使いやすくなった点、さまざまなウィジェット/アプリを使える点、好みに合わせてデザインをカスタマイズできる点などが紹介されました。
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「デザイン」「自撮り」「カスタマイズ」の3点から「Galaxy Z Flip5」を紹介
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デザイン面の特徴が大型化した「フレックスウィンドウ」と、さらに精緻になった「フレックスヒンジ」
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フレックスウィンドウでは時計/天気予報などのウィジェットのほか、対応アプリの利用も可能
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「Galaxy Z Flip5」のその他の機能の概要
「Galaxy Z Fold5」については、「大画面でありながらコンパクトにもなる」という「Galaxy Fold」から変わらないメリットを再確認した後、大画面を活かせるUIの進化、フレックスヒンジの改良、最新CPU搭載によるゲーム体験の向上、Sペンの防水対応といった新製品の特徴を紹介しました。
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「Galaxy Z Fold」シリーズの歴史と、それぞれの世代ごとの進化ポイント
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サムスン独自のUI「One UI」の大画面対応が進み、大画面を活かせるUIが成熟してきています
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「Galaxy Z Flip」同様、フレックスヒンジの改善でぴったり折りたためるようになりました
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大画面のゲームプレイを存分に楽しめる最新CPUのパフォーマンスと、それを支える冷却システム
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Sペンは、Sペン収納ケースのスリム化と防水対応で、さらに便利になります
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「Galaxy Z Fold5」のその他の機能の概要
「Galaxy Watch6」シリーズは待望のFelica搭載
「Galaxy Watch6」シリーズでは、睡眠管理をはじめとする健康サポート機能をまずアピール。就寝時にも着けっぱなしにしてほしいと、画面の明るさ調整/LEDの赤外線化/通知オフを行うスリープモードを紹介するとともに、ずっと着けていても着け心地のよいファブリックバンドを新たに用意するといいます。このほか、本体サイズはそのままでの表示領域サイズアップ、バンド着脱をワンアクションでできるようにする改良、スマートフォンとの連携などが紹介されました。
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「Galaxy Watch6」シリーズは「Galaxy Watch6」と「Galaxy Watch6 Classic」の2機種。それぞれにサイズ/カラーのバリエーションがあります
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「Galaxy Watch」シリーズの直近のモデルチェンジ状況。今回、オリジナルの「Galaxy Watch」ラインと「Classic」ラインに新機種が登場しますが、「Pro」ラインは2022年モデルが継続販売となります
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健康サポート機能の中でも、睡眠管理機能の強化をアピール
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睡眠管理の前提として、就寝中も着けっぱなしにしてもらうための改善も図っています
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本体サイズはそのままに、表示領域は大きく
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バンドが簡単に着脱できるようになりました。就寝時のファブリックバンドへの交換も負担になりません
そして「Galaxy Watch6」シリーズでは待望の機能が搭載。それがFelicaへの対応です。この日は残念ながら、Felica対応によりどのような決済サービスが利用できるようになるのかは明かされませんでしたが、期待して待ちたいところです。
最後は「Galaxy Tab S9」シリーズです。昨年、久々の登場となったフラッグシップクラスのAndroidタブレット「Galaxy Tab S8」シリーズが好評だったとのことで、今回はベースモデル「Galaxy Tab S9」を含めた3機種の展開となります。「コンテンツ視聴」「ゲーム」「クリエイティブ」という主な3つの用途と、キーボードカバーとDexモードによるPCライクな使い方を紹介。また、IP68の防水対応となったことをアピールするため、壇上で実際に水槽に沈めてみせる場面もありました。
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「Galaxy Tab S8」シリーズの購入者の満足度は非常に高かったとのこと。利用目的として、「ネット検索」よりも「イラストを描く」が多いのが特徴的だったといいます
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今回は3機種での展開
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有機ELディスプレイとクアッドスピーカーで迫力のコンテンツ視聴が可能。「Galaxy Tab S8」のディスプレイは液晶でしたが、「Galaxy Tab S9」は「+」「Ultra」と同様に有機ELとなっています
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ゲームプレイを支える最新プロセッサのQualcomm Snapdragon 8 Gen 2 for Galaxy。Galaxyのタブレットとして初めてベイパーチャンバーを搭載しており、冷却にも不安はありません
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Sペンは同梱。充電時に向きを気にしないでよいというのは地味に便利そうです
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iPadでユーザーの多い「GoodNotes」へ対応しました。これでAndroidタブレットへ移行するユーザーが増えるかも? 1年間の無料利用がついています
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実際に水槽に沈めて防水防塵をアピール
展示スペースでは実際の利用シーンを想定した体験ができた
製品紹介の終了後には、製品展示や体験ブースが用意されていました。体験ブースの中心となっていたのは「Galaxy Z Flip5」。フレックスウィンドウをプレビューとしてのセルフィ―撮影、フレックスモードの置き撮りの便利さなどを体験することができました。店頭展示や前述のキャラバンカーイベントなどでも、こういった折りたたみスマートフォンならではの使い方を伝えていくことになるでしょう。
体験ブースの様子。ここでは、推しフォトの撮影を想定し、台の上に「Galaxy Z Flip5」を置き、フレックスウィンドウでプレビューを見ながらジェスチャーでシャッターを切るという一連の流れを体験できました
こちらはフレックスモードで簡単に置き撮りができることを活かし、花の中に「Galaxy Z Flip5」を置いて撮影しています