NVIDIAは8月22日(日本時間)、ドイツで開催されるゲーマー向け展覧会「Gamescom 2023」にあわせて、超解像技術の次期バージョン「DLSS 3.5」を発表した。10月27日に発売予定の『サイバーパンク2077 ファントムリバティ』への実装が予告されている。

  • 「NVIDIA DLSS 3.5」発表 - 学習データはDLSS 3比で5倍に爆増、“光線再構築”でより忠実に

NVIDIA DLSS(Deep Learning Super Sampling)は、Turing世代のGeForce RTX 2000シリーズから使えるようになった同社独自の超解像技術。ネイティブ解像度よりも小さい解像度でレンダリングし、そのあと映像出力の解像度まで引き伸ばすというのもので、DLSSでは独自のRTコアとTensorコアを活用している点が大きな特徴。GPUの負荷を低減してパフォーマンスを高められ、高解像度な環境でも高いクオリティ設定でゲームプレイを行える。

中でも、現行バージョンとして提供されてきた「DLSS 3(2023年1月からは改善されたDLSS 3.1になっていたらしい)」はGeForce RTX 40シリーズ固有の機能として展開中。第4世代RTコアと第3世代TensorコアでAI性能を更に高めたほか、シェーダーコアに新しく内包する「オプティカルフローアクセラレータ」を活用しており、これまでの解像処理に加えて全く新しいフレームをゼロから生成している点が特徴になっている。

今回、このDLSS 3に新バージョンとなる「DLSS 3.5」が投入されるという内容。新しく「Ray Reconstruction(日本語だと光線再構築?)」なる技術が加えられている点が特徴で、要するに描画における光の表現の忠実度を向上させる。これまではデノイザーの機械学習を人力でチューニングしてきたが、これをNVIDIAスーパーコンピューターでトレーニングしたAIネットワークに置き換えたことで、DLSSを用いた時のレイトレーシング描画の忠実度が引き上げられているという。

  • DLSS 3.5発表。これまでよりさらにAIの活用を強化した

  • Ray Reconstructionで人力デノイザーを凌駕

  • 光の描画忠実度をさらに向上させられる

  • 動きの速いところでもさらに反射表現がリアルに

  • 超解像技術を使っていても細かいところがくっきり鮮明

  • しかもパフォーマンスも向上

  • ゲームだけでなく、D5 RENDERでも利用できるようになる

  • Ray Reconstruction自体はGeForce RTX 20シリーズでも使える。DLSSのバージョンと機能で複雑になってきている

DLSS 3.5は、『サイバーパンク 2077』および『サイバーパンク 2077: ファントム リバティ』で実装予定。さらに『Alan Wake 2』でも利用できるようになる見込みだ。