今回はヨドバシカメラ マルチメディア横浜を訪ね、食器洗い乾燥機(食洗機)の売れ筋を取材しました。

同店では、食洗機の売れ行きが近年右肩上がりに伸びているそうです。購入層の中心は、小さな子どもがいるファミリー層とのこと。柴田成行マネージャは「食器を洗う道具というより、時短ツールとして導入する人がとても増えています。若い家庭だと共働きに子育ても重なって、とにかく時間が足りないと悩みを抱えることが多く、“時間を買う”という感覚に近いかもしれません」と言います。

  • ヨドバシカメラ マルチメディア横浜の食洗機売り場。コンシェルジェ第1チーム マネージャの柴田成行氏に案内してもらった

ただ、キッチン周りのスペースを占有する大型家電であり、給水の仕組みなどの制約もあります。下記の「食洗機導入のための3ポイント」を確認したうえで、自宅にとってのベストなモデルを選びましょう。

<食洗機導入のための3ポイント>

  • 蛇口から給水するには、対応する分岐水栓金具が必要。手動給水できるタンク式もあるので、まずは確認を。
  • 設置スペースも重要。高さや奥行きだけでなく、扉を開く向きも確認して、物理干渉しない条件を把握したい。
  • そのうえで、一度に洗える食器点数や内部の広さを確認して、時短に直結するモデルを見定めよう。

※本文と写真で掲載している価格は、2023年7月4日11:00時点のもの。日々変動しているので、参考程度に見てください。

第1位:ストリーム除菌洗浄ができる「NP-TZ300」

一番人気に挙げられたのは、パナソニックの「NP-TZ300」です。庫内容量が50Lあり、40点の食器が収納できる大容量モデルで、分岐水栓により給水します。本体サイズはW550×D344(ドア開放579)×H598mm。取材時の価格は104,940円でした。

「同社の卓上ハイエンドモデルで、ストリーム除菌洗浄とナノイーX送風で、除菌やニオイが抑制できます。いかにキレイに洗えるかに重点を置いて、分岐水栓が対応していて置き場所を確保できるならコレを、という人が多いですね」

  • パナソニック「NP-TZ300」

  • ドアを開いたところ

第2位:一人暮らし向けにヒット「SOLOTA NP-TML1」

2位以下もパナソニック製品が続きます。2位は、庫内容量10L/食器6点のコンパクトな「SOLOTA NP-TML1」で、ファミリー層ではなく一人暮らし世帯にヒットしているとのこと。着脱式のタンクで給水する仕様で、本体サイズはW310×D225(ドア開放485)×H435mmです。取材時の価格は37,620円でした。

「タンク式なので置き場所の自由度が高いですし、何より見た目も良いというのが魅力ですね。一人暮らしを始める前に来店されて、ぱっと見て『あ、かわいい』といって家電一式にプラスされる方もいらっしゃいましたよ」

  • パナソニック「SOLOTA NP-TML1」

第3位:分岐水栓が使えない家庭で一番人気の「NP-TSP1」

3位は、庫内容量36L/食器24点のパナソニック「NP-TSP1」でした。本体サイズはW550×D341(ドア開放386)×H600(ドア開放712)mmで、標準ではタンク給水式となりますが、別売りのホースを使って分岐水栓での給水も可能です。取材時の価格は88,110円でした。

「『分岐水栓が使えない、けれど食洗機が欲しい』という方に選ばれるNo.1ですね。スリムタイプに分類されるものの、大皿もしっかり洗えてファミリー向けとしても十分な容量とパワーがありますから」

  • パナソニック「NP-TSP1」

  • ドアを開いたところ

第4位:省スペースを求める家庭に人気の「NP-TSK1」

4位に挙げられたパナソニック「NP-TSK1」も、3位と同じく庫内36L/食器24点のボリュームがありますが、本体サイズはW550×D290(ドア開放386)×H300(ドア開放612)mmと薄くコンパクトになっているのが特徴です。分岐水栓タイプで、取材時の価格は75,240円でした。

「3位のNP-TSP1と同じく、ドアが上に開く構造になっているので、蛇口などに干渉しにくいのが強みです。そのうえで奥行きが290mmとスリムなので、設置スペースに悩まれている方によく選ばれますね」

  • パナソニック「NP-TSK1」

  • ドアを開いたところ

同率5位:シロカのキューブ型食洗機「SS-MU251」&「SS-M151」

5位には、シロカの1~3人向けモデルが同率でランクインしました。アドバンスシリーズの「SS-MU251」とベーシックシリーズの「SS-M151」で、価格は順に59,400円と43,780円でした。いずれもタンク式と分岐水栓のどちらでも使える仕様で、16点の食器が洗えます。

SS-MU251は直径270mmまでの大皿が入り、除菌機能も備えているのが特徴。本体サイズはW420×D440×H470mmです。SS-M151は直径230mmまでの大皿に対応し、サイズはW420×D435×H435mmになります。

「この2モデルもコンパクトで、価格的にも導入しやすく、見た目も良いということで人気があります。特に、SS-MU251は除菌機能付きということで、赤ちゃんが生まれたお祝いに選ばれることが多いですね」

  • シロカ「SS-M151」(左)と「SS-MU251」(右)

はみ出し情報・・・ビルトインタイプも伸びている

売り場での売れ行きは卓上タイプが中心となりますが、ビルトインタイプを求める人も増えているそうです。「キッチンの下のところが使えるということで、導入できるならと気にしている人は多いと思います。工事は必要になりますが、大容量かつ省スペースになりますからね」

卓上タイプの売り場から少し離れたコーナーに、パナソニックの「NP-45MC6T」と「NP-45MD9S」が並んでいました。どちらも好調に売れているそうです。取材時の価格は192,280円と198,190円でした。

  • パナソニックの「NP-45MC6T」と「NP-45MD9S」