パナソニックは、一人暮らし向けの小型食器洗い乾燥機「SOLOTA(ソロタ)NP-TML1」を発表しました。発売は2月中旬、価格はオープン、推定市場価格は38,000円前後です。ほぼA4サイズのコンパクトな本体には、最大6点まで食器を入れて洗えます。

朝食の後片付け、お弁当箱やマイボトルに

一人暮らしだと、食事の後片付けも自分でしなくてはなりません。忙しい朝、朝食後の食器の後片付けまで手が回らないことも多いでしょう。ワンルームなど一人暮らし向けの賃貸住宅はキッチンの収納スペースにも限りがあるため、持っている食器点数が少ない人も多いはず。

帰宅後に、まず食器を洗ってから夕食の準備をするということもあるのではないでしょうか。そんなとき頼りになるのが食器洗い乾燥機です。パナソニックのソロタは、おおよそ幅31cm×奥行き22.5cmというほぼA4サイズの食洗機。一度に洗えるのは、最大で食器を6点と小物を4点の合計10点です。ここでいう小物とは、おはし(一膳を2点で計算)、スプーン、フォークとなります。

  • 食器を6点と小物を4点、収納できます

  • 扉は前に開きます。扉を開けたとき、本体の背中からドアの先までは50.2cm以上のスペースが目安

「食器を6点」という数字だけだと、なんだか少ないように感じます。でも、おかず、茶碗、汁物、おはし……と考えていくと、一人暮らしの人が1回の食事で使う食器は6点以内ですよね。朝食や丼ものだったらもっと少ないでしょう。そう考えると6点でも十分な容量といえます。大きさとしては、高さ21cm以下のグラスやボトル、直径23cm以下のお皿が入ります。

  • 一人暮らしの食事に使う食器のイメージ。実際は、どんぶり、深皿、おはし(またはフォーク)くらいしか使わないケースも多いでしょう

  • 直径23cmのお皿も入ります。カレーなどを食べたときに重宝しますよね

個人的に「これはいい!」と思ったのは、マイボトルが入ること。筆者もお気に入りの飲み物を入れてマイボトルを持ち歩いていますが、洗うのがけっこう面倒なんですよね。ボトル用のブラシで中を洗って、パッキンを外して、それをなくさないように乾かすなど、手間がかかります。

ソロタでは、食器洗い乾燥機対応のマイボトルを入れて洗えます。お弁当箱も食洗機対応のものにすれば、一緒に洗えます。大きさと食器点数にもよりますが、夕食で使った食器とお弁当箱とマイボトルを同時に洗えるので、後片付けが楽になりますね。

  • 庫内に向かって左側にちょっと傾斜があり、底の部分に水がたまらないようになっています

  • マイボトルのパッキンは飛ばないようくぼみにセット

タンク式なので水栓の分岐工事は不要

一般的に、据え置き型の食洗機はシンクの近くに設置して、シンクの水道蛇口を分岐して食洗機とつなぐ水栓分岐工事が必要になります。これは、普段使っている水の出口とは別の水路を作るための工事です。工事費用に加えてパーツ(分岐水栓)代がかかります。

ただ、キッチンの水栓によっては分岐工事ができない場合もありますし、賃貸の場合は退去時に原状復帰も必要。水栓の分岐工事は、食洗機を購入するときのハードルともいえます。そこで今、注目されているのが「タンク式」の食洗機。食器を洗うための水を本体のタンクにためてから動かす方式で、ソロタもこのタンク式です。

  • 本体下に引き出し式のタンクがあります

  • 1回の食器洗いに使う水は2.5L。着脱式のタンクなので、水道の蛇口から直接給水できます

タンク式の食洗機には、本体上部の給水口から水を注ぐタイプもありますが、スペースを確保しなくてはなりませんし、いったん何かの容器に水をためてから給水口に注ぐ必要があります。ソロタは本体の下部分に着脱式のタンクがあり、タンクに直接水をためられるので作業しやすいのではないでしょうか。

1回の運転時間は2時間、洗浄だけなら1時間

食器を洗うときは、中のカゴに食器をセットして、洗剤を入れてスタート。コースは標準コースのみ。1回あたりの運転時間は、洗浄が1時間、乾燥が1時間で合計2時間です。洗浄だけのモードもあります。

動作中は、庫内下のノズルからシャワーが噴き出して食器を洗います。高水圧と約50度以上の温水によって、除菌力と洗浄力を確保した独自の「ストリーム除菌洗浄」で洗っていきます。このストリーム除菌洗浄は、パナソニックのファミリー向け食洗機でも人気の機能。手では洗えないくらいの高温と、高い洗浄力の食洗機専用洗剤を使うことで、しっかりと汚れを落とします。1回あたり、洗剤の使用量は2g、油汚れが多い場合は4gです。

  • カゴは取り外してお手入れ可能。ピンを使って食器を立ててセットします

  • マイナビニュース +Digitalの林編集長と比較すると、ソロタの大きさがよく分かりますね

【動画】シャワーが勢いよく食器に当たっています

実際に運転しているところを見ると、シャワーの勢いがあるので大量に水を使っている印象を受けますが、実は使う水の量は手洗いの3分の1。一人分の食器でも、食洗機を使ったほうが節水になります。

パナソニックが食洗機を始めて発売したのは約60年。現在にいたるまで、食器に対するシャワーの当て方、ポンプの性能、内部のピン配置といったノウハウが積み上がっているということ。今回のソロタでも、コンパクトな庫内にあわせてノズルの角度や配置、ポンプなどパーツの調整をしたそうです。

  • 庫内の下部にあるノズルから温水が吹き出します

一方の乾燥方式は、すすぎ後の余熱と送風で乾かす送風乾燥式。ファミリー向けの食洗機は一度に洗う食器が多いため、送風乾燥だと乾き切らないこともあって温風で乾かす方法を採用していますが、ソロタは庫内がコンパクトで食器の収納点数が少ないことから、送風式でも大丈夫なんだそうです。

  • 本体の前後にクリアな窓を設けました。抜け感があるため、サイズ以上に小型の印象です

  • 操作ボタンは2つだけ。前面のドアを開けると自動で電源が入ります。食器を収納してドアを閉め、「PAUSE/START」ボタンを押すと洗浄開始。「PAUSE/START」ボタンを長押しすると、洗浄乾燥モードと洗浄のみモードが切り替わります。動作が終了すると電源が切れますが、手動で明確に電源オンオフしたいというニーズもあることから、独立した電源ボタンを設けています

  • 使い終わったあとは、「残さいフィルター」をお手入れ。食器に残っていた食材がフィルターにたまるので、捨ててサッと洗いましょう

月額1,290円のサブスクも。まずは試してみて

ソロタは食器と小物を洗うものなので、おたまやフライ返しなどの調理道具、フライパンや鍋類は洗えません。ただ、食器類はソロタに任せて、フライパンや鍋は自分で洗うという分業ができるため、手洗いする物を減らせるだけでもメリットはあるでしょう。

一人暮らしの場合、スペースや分岐水栓の問題で食洗機を使おうという人は少ないかもしれません。ソロタはそうした面の解決を目指し、コンパクトな本体やタンク式を採用することによって、単身世帯に導入しやすい食洗機です。

食洗機を使ってみると、洗い上がりが違ってびっくりするもの。たとえば筆者は、食洗機で洗ったグラスを使うとビールの泡立ちがよくなって、感動した覚えがあります。

1月17日からパナソニックは、公式ショッピングサイト「Panasonic Store Plus」にて、ソロタの先行予約販売と、月額1,290円で試用できるサブスクリプション型定額利用サービスをスタート。まずはサブスクでお試ししてみるのがオススメです。

自宅への設置イメージが気になる場合は、パナソニックが提供しているARで確認してみるとよいでしょう。スマホのカメラ機能で自宅のキッチンを映しながら、ソロタのグラフィックを重ねて表示して設置イメージを見られます。また、ソロタは水栓の分岐工事いらずで届いたその日から使えますが、アース工事が必要な場合もあるため、自宅の状況を事前に確認してくださいね。

  • ソロタの開発は若手を中心に進められました

  • ソロタが加わったことで、パナソニックの食洗機はファミリー向け、賃貸向けスリムタイプ、一人暮らし向けといったラインナップがそろいました。左から、ナノイーX搭載のNP-TZ300、タンク式のNP-TSP1、少人数向けのNP-TCR4、今回のソロタ(NP-TML1)