個人的なやり取りはSNS/チャットアプリで行うこの時代、以前と比較するとメールを使う機会は減っていますが、「迷惑メール」がなくなる気配はありません。ただの宣伝はともかく、巧妙に罠をしかけた詐欺メール、フィッシングメールも高確率で混じっていますから、油断は禁物です。
迷惑メールは開かない、反応しないことが基本的な対処方法ですが、いきなり削除するのは考えもの。メールサービス(各社が提供するメールアカウント)ごとに対応が異なるため、一律にいうことはできませんが、メールサービス側に「受信したメールが迷惑メールであること」を報告することが学習効果を生み出し、次に同様の迷惑メールが届いたときの対策となるかもしれないからです。
たとえば、iCloudメールでは、さまざまな手法を用いてユーザの受信ボックスへ届ける前、クラウドの段階で迷惑メールをフィルタリングしています。迷惑メールと思われるメールから抽出した語句をデータベース化し判定材料にする「トレンド分析」、過去に迷惑メール送信に使われたサーバのブラックリストと迷惑メール送信者の情報を照合する「動的リスト」、そこにユーザからの報告がくわわれば迷惑メール検出の精度は上がります。
だから、迷惑メールは削除する前にメールサービス側へ報告しましょう。迷惑メールをうっかり開いてしまうと、迷惑メールの増加につながることもあるため、決して開いてはいけません。未読の状態で迷惑メール判定を下し、報告するのです。
iCloudメールを例にすると、受信ボックスの一覧リストが表示されている状態で、怪しいメールを左方向へスワイプします。現れた「その他」ボタンをタップするとメニューが表示されるので、そこにある「"迷惑メール"に移動」をタップしましょう。メールアプリには、迷惑メールフォルダに入れられたメールは迷惑メールとして報告する機能が装備されているので、それで報告は完了です。ただちに迷惑メールがなくなるわけではありませんが、学習効果の積み上げに協力するのは意味があることですよ。