iPadやMacなどのアップル製品はクリエイティブな活用に向く、ということは多くの人が理解していると思います。では、実際どれほど手軽に扱えるの?といった疑問に答えるべく、国内外で活躍する若手アーティストがアップルストアに登壇。即興でリミックスの楽曲制作やイラスト制作に挑戦し、集まった観客も巻き込んであれよあれよという間にiPadで見事な作品を仕上げてくれました。

  • Apple 表参道で開かれたToday at Appleセッション「Exclusive:CHAIとSTUTSが魅せるクリエイティブな出会い」。若手アーティストがタッグを組み、即興でリミックスサウンドやイラストを制作した

iPhoneとAirDropがまさかの大活躍

6月28日の夕方、Apple 表参道で特別なToday at Appleのセッション「Exclusive:CHAIとSTUTSが魅せるクリエイティブな出会い」が開かれました。登壇したのは、音楽プロデューサーのSTUTSさんと、“NEOかわいい”をコンセプトに活躍する4人組ガールズバンドのCHAIさん。いずれも、国内外で活躍する若手の人気アーティストです。

  • 音楽プロデューサーのSTUTSさん。この6月には日本武道館ライブを開催した

  • CHAIのメンバー。本来は4人組だが、今回参加したのはカナさん、ユウキさん、ユナさんの3名で、マナさんは海外留学中のため欠席した

今回のToday at Appleでは、CHAIさんの楽曲「Nobody Knows We Are Fun」のビートの上に、サンプリングしたギターやパーカッション、観客の手拍子や声を載せ、STUTSさんが即興でリミックスのサウンドを作り上げるという内容です。

リミックスの制作に用いたのは、先日リリースされたiPad版の音楽制作アプリ「Logic Pro」。月額700円(もしくは年間7,000円)のサブスクリプションでひと月単位で手軽に利用できます。傍らには、STUTSさんの私物MacBook Proもありましたが、大半の作業はiPadで進めました。

約1時間のToday at Appleセッション、イベントの前半は自己紹介や近況報告などのトークが行われたので、リミックスの制作に残された時間は30分ちょっと。これだけの限られた時間で果たして終わるのか…と心配になりましたが、STUTSさんは余裕の表情を見せます。

まず、CHAIのユナさんとカナさんが手にしたパーカッションやギターの音をiPadに収録するサンプリングを実施。そのあとは、会場に集まった観客に協力してもらい、手拍子やかけ声のサンプリングに移ります。プロ向けの本格的なマイクを用いるのかと思いきや、STUTSさんが手にしたのは私物のiPhone! 録音アプリを用いて音を収録したあとは、なんとAirDropを使ってそのままiPadに転送していました。プロの音楽制作でも、普通にiPhoneやAirDropを利用しているのは驚きました。

  • パーカッションやギターなどの音をサンプリングで収録

  • 続いて、声に自信のある参加者の協力を得てかけ声をサンプリング。収録に用いたのは、なんと私物のiPhoneだった

  • 手拍子もiPhoneで収録した

STUTSさんがサンプリングや楽曲制作をしている間、ユウキさんはiPadとApple Pencilを手に、お絵かきアプリ「Procreate」(2,000円)を使って今回のセッションを記念した似顔絵アートを制作していました。下書きから仕上げまで筆がほとんど止まることなく、スマートに作業を進めていたのが印象的でした。

  • iPadを手に、似顔絵アートの制作を進めるユウキさん

  • ProcreateとApple Pencilを使って、流れるように描画を進めていった

リミックスと似顔絵アートはほぼ同時に完成し、観客からの大きな拍手とともに1時間のセッションは終了。アーティストと観客が一体となったセッションは大いに盛り上がりました。

  • リミックスも似顔絵アートも見事完成。これなら私にもできる!と感じた来場者も多かっただろう

今回、Logic Proがタッチ操作が可能なiPadで利用できるようになったことで、さらに扱いやすくなった印象を受けました。これから長い夏休みを控える学生のみなさんは、Logic Proをはじめとするクリエイティブアプリを使って、夏の思い出となる作品を作り上げるのもよいかもしれません。