2023年6月21日から23日まで東京ビッグサイトにて「第36回日本 ものづくり ワールド」が開催されました。新設された第一回 製造業DX展ではPCメーカーのエプソンダイレクトが出展、製造現場向けのパソコンや周辺機器が展示されていました。
製造業DX展では小技の効いた製品を多く展示
ブースで少々目立つ位置にあったのがEndeavor ST55E/JS55。0.75Lの小型PCで机の下やディスプレイの裏と言った隠れたスペースに設置する機会の多い製品ですが、HDMI電源連動やオプションの外部電源スイッチが用意されており、電源スイッチに手に届かない場所でも問題なし。消費電力20WのCore i5までの対応となっていますが、消費電力の低いCeleronを選択した場合はファンレス動作にも対応しています。
小型PCにしたいが外付けGPUも欲しいというユーザーにはEndeavor SG100E/JG100を提案。2.8Lの小型筐体ながらCore i9とNVIDIA RTX A2000まで対応。GPUパワーを生かした医療画像診断などにも使えるとアピールしていました。これらの機種はすべてRS-232Cに(オプション)対応。製造現場では今もRS-232Cを使う製品がありますのでこの辺の対応も求められるのでしょう。
計算能力だけでなく、大量のストレージをプロジェクトごとに使い分けたいというニーズに対してはデスクトップのEndeavor MR8400/JM8400を展示。いわゆるミドルタワーケースのデスクトップマシンですが、一番の特徴は本体フロントからアクセス可能なフロントHDDアクセスオプション。トレイにHDD/SSDを収納して簡単に出し入れできるため、一つのプロジェクトが完了した際に成果のHDDをそのまま外して保管したり、他のマシンに巨大データを引き渡しすることに対応。OSをインストールしたHDDと交換すれば素早く次のプロジェクトにマシンを転用できます。
「HDDトレイは別売りで用意しており、別HDDをトレーから着脱せず即対応できるので、製造というよりも設計部署むけです」とスタッフが教えてくれました。今回展示はされていませんでしたが、フラッグシップのEndeavor Pro9200は最新の第13世代Core iプロセッサに対応しています(以前東京ゲームショウで展示していたのを見ており、この製品もフロントHDDアクセスが可能です)。
もう一つ目を引いたのがノート/タブレットです。コンシューマー向けのパソコンではWindors11を使うのが当たり前で、企業向けではWindows10を使うケースもあります。どちらもWindow Updateでセキュリティ更新に加えて最新の機能が入りますが、アップデートに時間がかかったり、ダウンロードサイズが大きいという問題があります。また、工場やサイネージ、受付業務等ではアプリケーションが固定化されており、最新の機能を生かす機会がありません。
今回展示されていた機種の中にはWindows 10 IoT Enterprie LTSC搭載モデルが用意されていました。これは大幅な機能拡張がない代わりに、重要なセキュリティアップデートのみで最小限の変更で済みます。またWindows 10のEOLは2025年10月14日までですが、Windows 10 IoT Enterprie 2021 LTSCのメインストリームサポートは2027/1/12、延長サポートは2032/1/13と長く、長期にわたって利用することが多い製造やサイネージ、受付対応機など長期利用ができるのも魅力です。
そして、エプソンの他の強みを生かした展示も。ラベルプリンターにタックシールなしで張れるラベルが用意されており、物流の箱に即張って効率を上げるというプリンターのエプソンらしい展示や、スマートグラスMOVERIOで遠隔で作業支援を受けるデモを行っていました。
サポートに関しても国内メーカーゆえの安心感があり、修理は一日に加え最長6年の定額保守をサポート。有償の定額保守サービスには安価なお預かり修理に加え、サービスマンが訪問する訪問修理、そして不良となったHDDの返却が不要な3つのオプションが用意されています。