2022年から次々と新製品が登場している家電のジャンルがあります。水で床を掃除する「電動水拭きクリーナー」です。家電メーカーのアクアも、電動の水拭きフロアクリーナー「WIPEL(ワイプル) AQC-WX1P」(以下、ワイプル)を7月12日に発売します。価格はオープン、推定市場価格は44,000円前後。水拭きも吸い込み掃除もできるワイプル、プレス向けの内覧会で使ってみました。

  • シンプルなデザインのワイプル。クリーナー本体のサイズは幅260×奥行き218×高さ1,120mm、重さは3.4kg。連続運転時間は強モードで約15分、標準モードで約30分です

  • 165cmのマイナビニュース +Digitalの林編集長が使うこれくらいのサイズ感。最近の軽量コードレスクリーナーと比較すると少し大き目ですね

3kg台前半の本体は、水拭きクリーナーとしては軽量!

水拭きする電動モップは昔からありましたが、これは「モップ(ブラシ)部が高速で回転または動く」というシンプルな構造でした。このためモップが汚れてくると、吸着しきれない汚れを床に引き伸ばしてしまうことも――というデメリットが。

一方で2022年から注目の「電動水拭きクリーナー」は、ブラシに吸着した汚れや汚水を本体内に吸引回収します。広い範囲を掃除しても、床に汚れを広げずしっかりと掃除できるのです。吸引掃除にも対応したモデルなら、床のベタベタやこぼしてしまった液体汚れだけでなく、一般的な掃除機のように砂やホコリも掃除できます。つまり「吸引掃除」と「水拭き掃除」を同時に行えるのです。

  • ワイプルの構造。手前のタンクからキレイな水を回転ブラシに供給。濡れたブラシで床を掃除し、汚れや汚水を吸引して後方のタンクへと回収します

  • ヘッドを裏から見たところ。ブラシ部は柔らかなカーペットのような手触りです。ブラシ左側は側面が薄くなっており、壁ギリギリまで掃除できる仕様。ブラシの耐久性は、動かした距離にして約100kmです。交換頻度は、一週間に1回の使用で約1年ごと

  • ヘッドからブラシを外したところ。奥にある銀色のブレードでブラシに付着した汚れや汚水をこそぎ落とし、落ちたゴミと汚水を奥にある穴から吸引、回収します

前述のように、最近は複数のメーカーが電動水拭きクリーナーを発売しています。アクアのワイプルは、そうした製品群の中でも軽量なのがポイント。汚水を吸引・回収するタイプのクリーナーは、仕組み的に(複雑化するため)どうしても重くなるのです。多くの製品は4kg以上あるのですが、ワイプルは3.4kgと比較的軽量です。さらに、ワイプルは60℃までのお湯を使った掃除も可能。ひどい汚れの場合は、タンクに専用洗剤を入れて掃除したり、床にスプレーするタイプの市販洗剤も利用したりできます。

  • 専用洗剤は購入時に1本付属。もちろん洗剤なしで水だけでも掃除可能

  • 専用洗剤を利用する場合は、手前側のタンクに水と一緒に補給します。給水カップの容量は400mLです

スープも! 麺も! ラーメン丸ごと床に落としたらどうなる?

気になる掃除力は? といことで、インスタントラーメンをスープごと床に落とし、ワイプルで掃除するデモンストレーションです。

  • 体験会で掃除したラーメン。白濁したスープもたっぷり

【動画】アクアの水拭きフロアクリーナー「ワイプル」で、床にこぼしたラーメンを掃除(大きな音が流れます。ご注意ください)

動画でもわかるように、ほとんどのスープと麺は一度ヘッドが通過するだけで吸引。細かな麺やネギの切れ端は一部残りましたが、これらもヘッドを引いて掃除したときにほぼ吸い取りました。

一般的な掃除機と同じように、ワイプルも「押し掃除」より「引き掃除」のほうが掃除力は高そうです。掃除後に電源を切ると、吸引音が数秒ほど高くなります。汚水が床に逆流しないように、ブラシの汚れをしっかり汚水タンクまで届けるための動作です。

  • ヘッド裏の面積が広いため、小回りが利くとはいえません。そのかわり、設置面積が広いので安定して自立します

ラーメンを掃除した後もブラシはあまり汚れていませんでしたが、本体を充電台にセットして「ブラシ洗浄」ボタンを押すと、ブラシを自動洗浄する機能もあります。実行すると数分間、水を出しながらブラシを前回転・後回転しつつ吸引を繰り返す動作。ワイプルが念入りに自動洗浄することで、ひどい汚れでなければ人の手によるブラシの洗浄は必要ないとのこと。

【動画】充電台にセットした状態でのみ利用できる、ワイプルのブラシ洗浄機能。ブラシの回転を前後に切り替えつつ、汚れを自動的に落とします(大きな音が流れます。ご注意ください)

  • ひどい汚れの場合は、もちろんブラシを外して掃除することも可能。ブラシ横のロックを外すと、ロック部分がツマミのような形状になって、汚れた部分に触れずにブラシを外せます

  • 充電台にセットできる専用の付属ブラシを使って、ヘッドのブラシをゴシゴシ洗えます。充電台にはヘッドの収納スペースもあるので、ブラシを立てた状態で乾燥させることも

現代の住宅は、多くの床材がフローリング。そして裸足で生活していると、フローリングは皮脂や汗でベトつきがち。定期的に水拭き掃除したいという人は多いと思います。

最近は使い捨て水拭きシートをセットする手動のモップもありますが、ワイプルなら「回転力」によって軽い力で汚れを落とせますし、吸引掃除でゴミやホコリも一緒に吸い取れます。ひどい汚れの場合には、お湯や洗剤も使えるといった優位性もあります。掃除後に汚水を捨てるのは少々面倒ですが、ランニングコストがほとんどかからないことを考えれば、それくらいの手間は気にならないという人も多いのではないでしょうか。