WWDC 23で「iOS 17」が発表されました。iOS 17に対応するモデルは、iPhone SE(第2世代)およびiPhone XR以降です。残念ながら、対応リストに含まれていないiPhone 8シリーズ以前のモデルはiOS 17にアップデートすることはできません。iOS 17の提供が開始されるのは2023年秋ですから、それ以降は最新の状態で使うことができなくなります。
この「最新iOSのサポート対象から外れる」ことは、iPhoneがただちに使えなくなるという意味ではありません。つねに最新のシステムで使えなくなるとはいえ、電話をかけることも受けることも、メールの送受信やWEBブラウジングも変わらず利用できます。
ただし、サポート対象外になるということは、原則としてシステムの更新が行われないことを意味します。新機能は追加されず、変わり映えしない状態で使い続けなければなりません。システムにセキュリティ上の問題が発見されたとしても、よほど深刻なものでないかぎり、アップデートによる修正は期待できないでしょう。
使えるアプリが減ることへの覚悟も必要です。一般的にアプリ開発は、必要とする機能(iOSに含まれるライブラリ/API)が動作する環境にあるかどうか、どのiOSのバージョンまでをサポート範囲に含めるかを意識して進められるため、古いバージョンのシステムはいずれサポートされなくなります。2023年秋の時点では問題なくても、2024年、2025年ともなれば、iOS 16では動作しないというアプリはかなり増えることでしょう。
最新iOSのサポートから外されることには、iPhoneの引退勧告とでもいうべきニュアンスが含まれています。すぐにではなくても、より新しいモデルへの機種変更を検討し始める時期かもしれません。