PayPayのミニアプリとして、2023年3月から加わった「LYP(エルワイピー)マイレージ」。対象となる商品を購入すると、その購入金額に応じて特典が受けられます。いったいどんな得ができるのか、実際に利用してみました。

  • 「LYPマイレージ」には、PayPayのホーム画面のミニアプリからアクセスできます

商品を購入するほど得するLYPマイレージ

LYPマイレージは、街のお店やネットの対象店舗で対象となる商品をPayPayで購入し、その購入金額を航空会社のマイルプログラムのように積み立てていき、その商品ごとに設定された一定額を超えるとPayPayポイントがもらえる、というサービスです。サービス名に「マイレージ」という言葉が入っていますが、PayPayポイントとは別のマイルがもらえるというわけではありません。

街の対象店舗は、ウエルシア、オーケー、サンドラッグ、スギ薬局、ツルハドラッグを含む各グループ店舗で、多数のドラッグストアやスーパーになります。ネットの対象店舗は「Yahoo!ショッピング」で、利用するには「Yahoo! JAPAN ID」と「PayPay ID」の紐付けや購入金額を合算することへの同意が必要です。

  • LYPマイレージのトップページで、対象商品の条件達成状況が確認できます(左)。LYPマイレージへの参加には、PayPayとYahoo!ショッピングの購入金額をまとめる手続きに同意します(右)

対象商品は、参加企業のアサヒ飲料、コカ・コーラ ボトラーズジャパン、花王、P&Gの24商品になります(2023年5月下旬時点。参加企業は変更になる可能性があります)。どのような商品が対象となっているのかを確認して、その中に普段よく購入している商品が見つかれば、ぜひ対象店舗でPayPayを使って購入してみてください。エントリーは不要なので、いつものペースで購入するうちに、やがて設定された条件が達成できてポイントがもらえます。

  • LYPマイレージの対象商品や付与されるポイントも確認できます

筆者は、対象商品である花王の「アタックZERO」と「ハミング」を使っています。ちょうどハミングがなくなったので、対象店舗のサンドラッグで購入しました。ただ、普段買っているハミングが対象商品なのかやや不安に感じました。そこで、各商品ページの「詳細条件を確認する」から、より詳しい対象商品を確認しました。

ただ、このページに表示されている商品パッケージはほんの一例で、実際にはかなり多くのハミング製品が対象商品となっています。PDFデータで対象商品のJANコードを確認できるので、念のために買おうとしている商品のコードが対象商品に含まれているかどうか調べておくと安心です。

  • 「ハミング消臭実感」の達成確認ページ(左)。「詳細条件を確認する」から対象商品の一例が分かります(右)

アタックZEROはいつも通り、Yahoo!ショッピングで購入しました。すると、LYPマイレージの開始を伝えるポップアップ表示があったので、参加できたことが分かりやすかったです。

  • 「Yahoo!ショッピング」で対象商品を購入した時のポップアップ表示

実際にこれらの購入金額がLYPマイレージに反映されたのは、購入した週の約3週間後。かなり待たされましたが、このサービスは焦って達成するものではなく、いつも通りのペースで購入すればよいのだとも感じました。

  • 購入金額の反映時期。3週間程度かかります

新サービス「商品クーポン(仮)」も登場予定

PayPayをよく利用している人なら、これまでに「花王の対象商品を購入すると40%還元」など、ビッグなキャンペーンに参加してきたのではないでしょうか。これらとの大きな違いは、LYPマイレージが一時的なキャンペーンではなく、継続的な取り組みであること。

この取り組みは、当初「LINE・Yahoo! JAPAN・PayPayマイレージ」という名称で発表されました。PayPayがオフラインを、Yahoo! JAPANがオンラインの購入データを集積。お得なお知らせなどがLINEで届くイメージです。

  • LYPマイレージのサービス概要

月間利用者数約9,400万人のLINE、月間利用者数約5,500万人のYahoo! JAPAN、登録ユーザー数5,500万人超のPayPayという圧倒的なユーザー数を誇る3社だからこそ、成り立つ販促サービスだともいえます。

実は先日、商品パッケージのバーコード部分をハガキに貼って送ると、抽選で家電が当たるというキャンペーンに応募しました。このような販促は、街のお店で現金購入するユーザーの属性をメーカーが調査したいためですが、正直、このようなキャンペーンは手間。筆者も欲しい家電だったから応募してみましたが、普段はあまり参加することはありません。

オフラインの販促が効果的に行なえない。このようなメーカーの課題を、LYPマイレージは解決できます。しかも、オフラインとオンライン両方の購買データを活用した効果的な販促ができるようになります。今後、「商品クーポン(仮)」というサービスも開始予定なので、新商品などのクーポンも期待できそうです。

つまり、ユーザーはファンになって商品を買うほどにポイントなどのメリットが得られ、メーカーはオフラインとオンラインを横断しての販促ができます。対象商品を販売する小売店は売上アップが期待でき、サービスを提供するZホールディングス傘下のLINE、ヤフー、PayPayは、B to Bの新たなビジネスモデルが生まれるという、四方にメリットがあるサービスなのです。

筆者がLYPマイレージでポイントを獲得するまでにはもう少し時間がかかりそうですが、同じ商品を使い続ける限り、確実にポイントがもらうことができます。難をいえば、店舗によって対象商品が異なるので、購入前の確認が欠かせません。

今後、対象店舗や対象店舗で取り扱う対象商品がもっと増えてきたら、何気なく購入した商品がLYPマイレージの対象商品で、気付いたらポイントがもらえていた…なんてことになるのかもしれません。一層魅力的なサービスになることを目指して、もっと拡大していってくれることに期待します。