Metaは、デザインを刷新し、解像度やパフォーマンスを引き上げた新しいオールインワン型VR/MRマウントディスプレイ「Meta Quest 3」を発表。日本を含むグローバル市場で2023年秋に投入予定で、国内での販売価格は128GBモデルが74,800円。
米国時間6月1日午前10時(日本時間6月2日午前2時)にスタートする第3回「Meta Quest Gaming Showcase」に先行して、マーク・ザッカーバーグがQuest 3を発表。「最先端のVRとMRの両方が1つのデバイスで体験できる、Meta初のコンシューマー向けデバイスであり、将来のヘッドセットの新しいベンチマークとなるもの」と位置づけている。
Quest 3は、現在Meta Questをサポートしている、日本を含むすべての国・地域で展開予定。前出の128GBモデルに加えて“より大きなストレージモデル”も用意するという。詳細は米国時間9月27日に開催する「Meta Connect」で改めて発表予定だが、今回Quest 3の一部仕様を明らかにしている。
Meta Quest 3の概要
Meta Quest 3はケーブルなしで使えるオールインワン型HMDで、コンテンツを美しく見せるために“これまでで最も解像度の高いディスプレイとパンケーキレンズ”を組み合わせている。また、さらなる画素数の実現のため、クアルコムと共同開発した次世代Snapdragonチップセットを初めて搭載。詳細は2023年後半に発表予定だが、Metaによると「現行のQuest 2で採用している前世代SnapdragonのGPU比で2倍以上のグラフィック性能」を備えており、「没入感のあるゲームにおいて、よりスムーズなパフォーマンスと驚くほど鮮明なディテールを得られる」としている。
現実空間とバーチャル空間をシームレスに融合するという、業界トップレベルをうたう「Meta Reality」(MR)技術も導入。高精細なカラーパススルーと機械学習、空間認識の組み合わせにより、バーチャルコンテンツと物理世界に同時にインタラクションできるというもので、キッチンテーブルの上で『デメオ: ダンジョン アドベンチャー』のボードゲームをしたり、『Painting VR』でリビングルームに自身の作品を飾ったりすることができるという。
同社では既にある「Mixed Reality」(複合現実)を超え、「物理的な空間にあるオブジェクトを認識し対応することで、これまでほとんど不可能だった自然で直感的な方法での操作が可能になる」と説明している。
AIを搭載したプレゼンスプラットフォームで複合現実の基盤を提供し始めて以来、開発者はこれらのツールを活用し、ヘッドセットで何ができるのかを模索してきた。Metaは2022年10月に発売した「Quest Pro」でVR・MRデバイスとして初めて、外向きの高解像度カメラを搭載し、立体視カラーパススルーとパンケーキレンズで、最先端の映像表現の限界に挑んだ。
最新のQuest 3では、2つの4メガピクセルのRGBカラーカメラ、プレイエリアをより正確に表現する深度センサー、従来のQuest 2比で10倍以上の画素数のパススルーなど、「さらに一歩踏み込んだ機能」を盛り込む。また、光学設計はQuest 2と比べて40%スリム化している。
Quest 3のTouch Plusコントローラーは人間工学に基づいて簡素化された形状に刷新。トラッキング技術の進歩により、外側のトラッキングリングがなくなり、「コントローラーを手の延長のように自然に、そしてスペースを取らずに使えるようになる」とする。また、セルフトラッキング方式の「Meta Quest Touch Proコントローラー」で初搭載した「TruTouchハプティクス」を採用し、リアルな感覚を味わえるようにした。
さらに、Meta Quest Touch Proコントローラーにアップグレードすればワンランク上の体験が可能になり、自分自身の手だけでバーチャルオブジェクトを操作できる「ダイレクトタッチ」もサポートする。
Quest 3は、500以上のVRゲームやアプリなどからなる、現行のQuest 2向けコンテンツカタログと後方互換性がある。また、Quest 3の発売に向けて、「さらにエキサイティングな新しいVR・MRタイトル」も準備しているという。Meta Questプラットフォームに登場する新しいゲームの発表やアップデート、Quest 3のAAAフラッグシップタイトルは「Meta Quest Gaming Showcase」の中で紹介予定。
Meta Quest 2は6月4日に値下げ、47,300円から
Quest 2は6月4日に値下げする。新価格は以下の通り。
- Quest 2 128GBモデル:47,300円(旧価格:59,400円)
- Quest 2 256GBモデル:53,900円(同64,405円)
Quest 2は2022年に大幅な値上げを行ったが、今回の値下げで「より多くの人に、魅力的なオールインワンVRデバイスと豊富なコンテンツライブラリを提供する」という。
Quest 2は「VRへの最も手ごろなエントリーデバイス」、Quest Proは「表情や視線のトラッキングにより自然な表情で会議が可能な、仕事用に適したデバイス」と位置づけ、Quest 3の発売以後も併売。引き続きソフトウェアアップデートも提供するという。
また、今後のアップデートで、Quest 2/ProのCPUのパフォーマンスを最大26%引き上げ、GPUのスピードもQuest 2で最大19%、Quest Proで最大11%向上する予定。開発者はこれらの改良を活用し、両ヘッドセットでさらにスムーズなゲームプレイや反応の良いUI、リッチなコンテンツを作れるようにする。どちらも動的解像度スケーリングを有効にしているため、フレームレートを損なわずにゲームやアプリのピクセル密度の向上を図ることもできるとしている。