ファーウェイのスマートフォンは今でも中国で定期的に新製品が投入されており、一部のモデルは海外市場でも販売されています。2023年3月に発表した「P60 Pro」は、ファーウェイの誇る高性能なカメラを搭載したモデルです。グローバルでも一部の国で販売されており、美しい写真や動画の撮影を撮影できるカメラは「さすがファーウェイ」とうならせてくれます。
P60 Proは6.67インチ2,700x1,230ピクセルの高解像度なディスプレイに、クアルコムのSnaparagon 8+ Gen 1 for 4Gをチップセットに採用しています。バッテリーは4,815mAhで88Wの急速充電に対応、ワイヤレスでも50Wの急速充電ができます。パフォーマンスに関しては問題の無い高性能なモデルですが、5Gに非対応な点が残念なところです。
背面のカメラ部分のデザインは真ん中に大きなレンズ、その上下に小さなレンズを配置。このデザインは2023年発売のファーウェイの他のスマートフォンでも搭載されており、「これがファーウェイのスマホ」と思わせる外観を目指しているようです。
そのカメラは2023年5月末時点でスマートフォンのカメラ性能を測定するDXOMARKで1位。世界最高性能のカメラという評価を受けました。メインカメラは4,800万画素の広角で、絞りを物理的に10段階に切り替えられる可変絞りを装備、f/1.4からf/4.0まで変更可能で、デジタルカメラのようにレンズを使ってボケをコントロールできます。4,800万画素の3.5倍望遠と1,300万画素の超広角も用意しています。
OSにはファーウェイ独自開発のHarmonyOS 3を搭載。Googleのサービス(GMS)は搭載されていないのは中国メーカーのスマートフォンにありがちなことですが、ファーウェイのモデルはグローバル販売品もGMS非対応のEMUIを搭載しています。中国以外で使うにはこの点が悩ましいところで、Microsoftのアプリはある程度搭載されていますが、グローバルで主流のSNSサービスアプリなどはアプリストア「AppGallery」から落せません。このあたりはアメリカ政府の制裁が解除されるまで不自由さが続きます。最高のカメラを搭載するスマートフォンだけに、一部のSNSをブラウザで利用するなどして使いこなす海外のユーザーも多いようです。
なおHarmonyOSは同OSを搭載する他のスマートフォンやタブレット、スマートウォッチのみならずスマートTVや家電、さらに自動車までもシームレスに接続する機能を装備しています。他のHarmonyOSスマートフォンのカメラを自分のスマートフォンから操作可能で、2つのスマートフォンのカメラを1つの画面に同時撮影するマルチカメラなど特徴的な機能も備えます。またスマートフォンのユーザーインターフェースも使いやすくなっており、フォルダ内のアプリアイコンを直接起動出来たり、アプリアイコンを長押しするとそのままウィジェットになるなど先進的な機能もあります。中国ではユーザーも多く、対応する製品もファーウェイ以外の家電に広がるなど増えているそうです。
カメラを実際に使ってみましたが、ファーウェイ独自のイメージング技術「XMAGE」により自然に近い色合いでの撮影が可能、逆光などはAIがうまく処理を行なってくれます。絞りを動かすことでボケの調整も自在ですが、絞り羽を実際に動かして光の方向を撮影するとカメラのレンズに見られる「光芒」も写せます。さらに夜景撮影もほどよく映えるように明るくしてくれて夜の撮影が楽しくなると感じました。
フロントカメラを使ったセルフィーも、美顔モードの仕上がりは自然な感じで悪くありません。ファーウェイのPシリーズと言えば日本でも過去に発売されたモデルであり、カメラ性能には定評がありました。そのカメラ技術は今でも全く衰えていないのです。
日本ではファーウェイのスマートフォンの発売が久しく途絶えており、最新製品の性能はあまり知られていません。P60 Proを試してみるとカメラ技術は過去よりも大きく進化しており、今後にも大きく期待できると感じられました。