アドビは5月23日（米国太平洋時間）、Adobe Photoshop（ベータ版）の新機能として、生成系AIモデル「Adobe Firefly」を活用した「ジェネレーティブ塗りつぶし（英語名：Generative Fill）」を発表した。同機能は、Adobe Firefly（ベータ版）の新モジュールとしても提供する。

  • 「ジェネレーティブ塗りつぶし」の適用例。元の画像にはない池や車、車の形をした雲が追加された

「ジェネレーティブ塗りつぶし」は、簡単なテキストプロンプトを使って画像へコンテンツを追加したり、画像の範囲を拡張したり、あるいは逆に削除したりすることもできる新機能。AIが遠近感や照明、スタイルを自動的に合わせてくれる。

 

Adobe Photoshop (beta) x Adobe Firefly: Announcing Generative Fill

  • 「ジェネレーティブ塗りつぶし」適用前

  • 「ジェネレーティブ塗りつぶし」適用後。元の写真にはない部分が縦方向に引き伸ばされており、さらに車やシャボン玉、水たまりなどが追加されている

非破壊編集のため元のイメージに影響を与えることなく、「生成レイヤー」で生成コンテンツの作成を行い、また必要に応じて元に戻すことも可能。なお、この機能の日本語入力は後日対応とのことだ。

また、コンテンツの制作が人間なのかAIなのか、またはAIによる編集なのかといったことがわかる来歴情報を表示可能なコンテンツクレデンシャル機能をサポートする。

Adobe Fireflyは、安全に商業利用可能な画像を生成するよう設計されており、Adobe Stockに収録されている何億枚ものライセンス取得済み高解像度画像でトレーニングされているため、他のクリエイターやブランドのIP（知的財産）を侵害するようなコンテンツの生成は行わないとしている。

「ジェネレーティブ塗りつぶし」機能を搭載したPhotoshop（ベータ版）は本日より提供を開始。同機能の一般公開は2023年後半を予定している。

また、「ジェネレーティブ塗りつぶし」はAdobe Firefly（ベータ版）の新モジュールとしても本日より公開しており、Webツールとしても利用できる。

  • Photoshopの新機能「調整プリセット」

生成系AIの新機能を公開するのと同時に、アドビはPhotoshopをアップデート。最新版では、効果のプレビューを瞬時に行える「調整プリセット」や次の操作をサジェストする「コンテキストタスクバー」、不要なオブジェクトを選択するだけで除去する「削除ツール」、自動プレビュー機能を備えた「強化されたグラデーション」などの新機能を搭載している。

  • Photoshopの新機能「削除ツール」