KDDIのサブブランドであるUQ mobileが、新料金プランを発表しました。月額3,278円で20GBと10分間通話定額が含まれる「コミコミプラン」が目玉で、同価格帯のNTTドコモ「ahamo」や楽天モバイル「最強プラン」の対抗プランと位置づけています。
【お詫びと訂正のお知らせ】初出時、コミコミプラン(月額3,278円)とahamoの月額料金が同じと記載していましたが、ahamoは月額2,970円が正しい料金でした。お詫びして訂正いたします。(2023年5月22日 23:30) |
ネットやでんきの契約がなくても安いコミコミプラン
UQ mobileが発表した新料金プランは「コミコミプラン」「トクトクプラン」「ミニミニプラン」の3種類。これまでは「くりこしプラン+5G」としてプランS/M/Lの3種類でしたが、これを置き換えます(旧プランは新たに契約できなくなるが、現在契約中の人は今後も継続できる)。
これまでのプランS/M/Lに対して、新プランではミニミニプランが1GBの増量、トクトクプランが1GBと15GBの2段階プランに変更。そして、コミコミプランは25GBから5GB減量の20GBになったものの、10分間の音声定額が含まれるようになりました。
新料金プランの内容
プラン | コミコミプラン | トクトクプラン | ミニミニプラン |
---|---|---|---|
容量 | 20GB | 1GB~15GB | 4GB |
基本料金 | 3,278円 | 2,277~3,465円 | 2,365円 |
au PAYカードお支払い割 | - | -187円 | -187円 |
自宅セット割 | - | -1,100円 | -1,100円 |
家族セット割 | - | -550円 | -550円 |
最大割引適用後 | 3,278円 | 990~2,178円 | 1,078円 |
音声通話定額 | 10分 | 従量 | 従量 |
通話オプション | 通話放題1,100円 | 60分通話パック 550円、通話放題ライト880円、通話放題1,980円 | |
月間データ容量超過時速度 | 1Mbps | 1Mbps | 300kbps |
データくりこし | 〇 | 〇 | 〇 |
※自宅セット割と家族セット割はいずれかを適用 |
現行料金プランの内容
プラン | プランS | プランM | プランL |
---|---|---|---|
容量 | 3GB | 15GB | 25GB |
基本料金 | 1,628円 | 2,728円 | 3,828円 |
au PAYカードお支払い割 | - | - | - |
自宅セット割 | -638円 | -638円 | -858円 |
家族セット割 | - | - | - |
最大割引適用後 | 990円 | 2,090円 | 2,970円 |
音声通話定額 | 従量 | 従量 | 従量 |
通話オプション | 60分通話パック550円、通話放題ライト880円、通話放題1,980円 | ||
月間データ容量超過時速度 | 300kbps | 1Mbps | 1Mbps |
データくりこし | 〇 | 〇 | 〇 |
プランLとコミコミプランで比べると、容量は20GBに減量して基本料金は550円減。自宅セット割の適用がないため、最大割引では308円増となります。ただ、880円の通話放題ライトを含むため、その点ではお得になります。KDDIによると、音声通話の9割が10分以内に収まるそうです。また、KDDIによれば自宅セット割の適用率は7割程度。逆にいえば、3割の利用者は割引の恩恵がなかったため、そうしたユーザーにとっては値下げになるといえるでしょう。
同社では、コミコミプランをahamo(月額2,970円)や楽天モバイル(月額3,278円)への対抗と位置づけています。ahamoと同水準の料金に設定しつつ、ahamoと同じ20GBに容量を揃えることで、ユーザーが比較しやすくしたとしています。楽天モバイルは20GB以上も同料金で無制限/アプリでの音声定額、ahamoは海外ローミング料金無料といった優位点がありますが、それらに対して10分間の音声定額が含まれる点を訴求していく考えです。
また、全国2,700店舗のau系ショップで対応できるサポート力もahamoにはないメリットとして挙げています。楽天モバイルに対しては、ネットワーク状況の有利さが優位性となります。
トクトクプランは、これまで15GBだったプランMのリニューアルで、データを使わない月であれば料金が抑えられる2段階の料金プランとしました。auの料金プランでも好評だったということで、1GBまでなら最大割引適用で990円という低価格になります。
その代わり、上限価格は3,465円となって700円以上の値上げになります。自宅セット割の割引価格が増えたため、最大割引時の料金は90円程度の値上げですが、毎月のデータ使用量が大きく変わる人でないと注意が必要でしょう。
ミニミニプランは、プランSに対して1GB増量して4GBに。基本料金は1,628円から2,365円へ700円ほどの値上げとなります。こちらも自宅セット割などを適用すれば90円ほどの値上げで1GB増量となります。
新料金プランでは、コミコミプランで割引適用がなく、誰でも同じ値段で利用できるようになったのが特徴です。今まで自宅セット割が適用できなかった人にとっては特に値下げとなるため、メリットがあるでしょう。
トクトクプランとミニミニプランには、au PAYカード利用時の割引、自宅セット割の割引価格の増加、新たに家族セット割の創設が加わりました。インターネット回線や電力会社の変更ができなかった人にとっては、2回線以上なら550円とはいえ割引が適用されるようになります。
料金については、従来比で複雑に変動しているため、みずからの利用状況に応じて選択する形になりそうです。
KDDIは、UQ mobileの契約数が800万弱まで伸張し、5G端末の増加によるデータ利用量の増加/エンターテインメントサービスの利用拡大/外出が増えたことによる外出先でのスマホ利用増加によって、2020年4月から2023年4月までにUQ mobileのデータ利用が1.8倍に増加したとしています。
普段はあまりデータを利用しないというユーザーが減少し、旅行などの外出したときに多く使うユーザーや大容量が必要なユーザーが増加したことから、新たな料金プランの提供でユーザーの獲得をさらに進めたい考えです。
これまで、プランLの利用者が多くはなかったということから、コミコミプランによって大容量ユーザーの獲得をさらに増やし、全体のARPU(1ユーザー当たりの月間平均収入)拡大を目指す狙いもありそうです。
楽天ローミングの影響は「ない」
KDDIは、楽天モバイルに対してローミング回線を提供しており、6月からは新たな契約を締結しています。これまで東京23区、名古屋市、大阪市はローミング適用外だったのですが、新契約ではこれらの一部繁華街エリアも対象となりました。
これについて、KDDI(UQ mobile)側の回線品質が低下するのではないかという心配の声が寄せられているとのことで、改めて新契約に関する説明もされました。
新契約は2023年6月から2026年9月までの契約で、延長も可能となっています。東京23区、名古屋市、大阪市を除く主に郊外/ルーラルエリア、地下鉄/地下街などの一部屋内エリアにおける4Gネットワーク(800MHz帯)の提供という点は変わらず、新たに東京23区、名古屋市、大阪市の一部繁華街エリアが追加されました。
この一部繁華街エリアはスポット的に貸し出すとのことで、当該エリアにおけるトラフィックのうち、ローミングで使われるトラフィックは数%程度と試算しているそうです。そのため、回線全体の影響は軽微と見ており、加えて局所的に回線品質が低下した場合は、ローミング解除も可能になっているそうです。同社は、KDDIユーザーへの影響はなく、心配には当たらない、と説明しています。
マンガも読めるコンテンツパックが登場
加えて、auに新サービスが追加されます。コンテンツをセットにした「ALL STARパック」に、今までなかった「マンガ」コンテンツを追加します。追加されるのはピッコマで、「使い放題MAX ALL STARパック2」としてNetflix、YouTube Premiumなどに加えてピッコマの月額700円コースが追加されます。
月額料金は10,648円と220円の増加で700円コースが追加でき、ピッコマで提供されるマンガを読めるようになります。au/UQ mobileユーザー向けには、月額700円で800ポイントを利用可能な専用コースが用意され、2カ月間無料で利用できます(無料期間中は700ポイント)。専用コースは、UQ mobileユーザーも月額700円で利用可能です。