2018年からiPad Proを使い続けている筆者ですが、iPadに装着するアクセサリーは「Smart Keyboard Folio」「Magic Keyboard」などアウトプットをメインに据えたものを中心に使ってきました。

しかしながら、ここ1~2年はライフスタイルの変化もあってiPad Proはもっぱらインプット主体で使うことが増えてきたため、最近は純粋に「スタンドとして使えるケース」を探し始めています。

上記の目的にフィットするのはやはりApple純正の「Smart Folio」ですが、Apple純正アクセサリーはここ数年の円安事情を反映した価格改定で値上げが進んでおり、執筆時点での価格はiPad mini用が9,800円、10インチ用・11インチ用が12,800円、12.9インチ用が15,800円(2023年5月中旬時点)と「ケース」としては正直かなり高額な部類に入ります。

そんな中で選択肢に入ってくるのが、MOFTから発売されている「MOFT Snap フロートフォリオ」。純正品よりも抑えられた価格で豊富な機能を有していて、iPadを様々な場面で使いたい方に幅広くフィットする一品です。

複数の角度を「折って」実現するiPadスタンド

  • MOFT Snap フロートフォリオ

今回紹介するMOFT Snap フロートフォリオは、MOFTが発売しているiPadシリーズ向けのケースです。iPadの背面にマグネットで吸着して様々な角度でiPadを設置できるケースで、Apple純正のSmart Folioと比べて使える角度の種類が多くなっています。

ラインナップは今回紹介する「iPad Air 第4/5世代、iPad Pro 11インチ 第2/3/4世代用」(8,480円)のほかに、「iPad Pro 12.9インチ 第4/5/6世代用」(9,880円)、「iPad mini 第6世代用」(5,680円)の計3モデル展開。カラーはブラック、ホワイト、ミスティグレーの3色が販売されています。

  • MOFT Snap フロートフォリオ

ケース本体は他のMOFT製品と同様にヴィーガンレザーで作られていて、細かい凹凸の表面も含めて高級感のある仕上がり。

一見するとApple純正のSmart Folioとそっくりですが、ケースの各所にある折り目を活用することでSmart Folioにない高さ・角度でiPadを固定できるようになっています。

  • MOFT Snap フロートフォリオ

さっそくSnap フロートフォリオにiPad Proを装着してみました。画面側の素材が起毛でない、開閉による画面ロックに非対応といった違いはありますが、基本的にはApple純正のSmart Folioとあまり変わらない使い心地が確保されている印象でした。

iPadに吸着する際の磁力もかなり安定していて、使っていて急に外れてしまうといったこともありません。

「折り紙」のように折り目を活用して3つの角度を実現

  • MOFT Snap フロートフォリオ

MOFT Snap フロートフォリオ最大の魅力は、なんといってもタブレットスタンドとして活用できる点でしょう。ケースにある無数にある折り目を使ってケース自体を折ることで、Apple純正のSmart Folioよりも豊富な高さ・角度でiPadを使えるようになります。

  • MOFT Snap フロートフォリオ

Apple Pencilやソフトウェアキーボードを使うことが多い場合は、20°の角度で使える「クリエイティブモード」が便利です。

iPad Pro自体に重みがあるためテーブルの上で滑ってしまうこともなく、iPad Proを押さえずに片手でメモ取りなどができました。

  • MOFT Snap フロートフォリオ
  • MOFT Snap フロートフォリオ

コンテンツ視聴や「Sidecar」機能でiPadをサブディスプレイとして使う場合は、角度70°の「ビューイングモード」が最適。上記のクリエイティブモードとこちらはSmart Folioとほぼ同じような角度なので、違和感なく使うことができました。

  • MOFT Snap フロートフォリオ

ちなみに、ビューイングモードにした状態でApple Pencil吸着側が下になるようにiPadをひっくり返すことで、iPadを約5.8cm浮かせることもできます。

iPadの上部を強くタップするとケースごと倒れてしまうリスクはありますが、外部ディスプレイと高さを合わせて使う場合には非常に便利でした。

  • MOFT Snap フロートフォリオ
  • MOFT Snap フロートフォリオ

ケースに刻まれている斜めの折り目を生かして高さを出せるのが、最後に紹介する「フローティングモード」。高さ約9.1cmでiPadを固定することができて、フットプリントも確保されていることから安定して動画視聴などを楽しむことができます。

もちろんビューイングモードと同じように、Sidecarなど外部ディスプレイとしての使用も最適です。

  • MOFT Snap フロートフォリオ

コンテンツ視聴以外にも便利なフローティングモードの使い方としては、外部キーボードとトラックパッドを用いてデスクトップPCライクに使うなどが挙げられます。別途キーボード・トラックパッドを用意する必要はありますが、Apple純正のMagic Keyboardよりも安価にiPad単独での作業環境を作れます。

さらに、iPadOS 16.2からは外部ディスプレイを用いてディスプレイ拡張もできるようになったため、必要なアクセサリーを揃えれば「外部モニター+iPad Pro自体の画面」という2画面の作業環境が実現します。アプリストアの制約などはありますが、デスクトップPCに勝るとも劣らない環境になるのではないでしょうか。

Smart Keyboard FolioやMagic Keyboardをメインに使ってきた筆者としては、バリエーションある角度の中から最適なものを使い分けられるというのはかなり便利。個人的に自炊をする際にiPadでレシピを見ることも多いため、サッと「フローティングモード」にして視認性を上げられるなど活用法も豊富で、Smart Folioの代替としても申し分ないなと感じました。