日経トレンディが毎年行っている番付企画「ヒット商品30」「ヒット予測30」。「2023年のヒット予測30」第2位にランクインした言葉に「ステルス家電」があります。ステルス家電とは、見た目は家具ですが、家電機能も備わっている“家具と家電のハイブリッド製品”のこと。

そんなステルス家電が、5月11日にLGエレクトロニクス・ジャパンから発表されました。天面に物を置いてテーブルとして使える空気清浄機「LG PuriCare AeroFurniture」です。この製品、テーブル・空気清浄機として使えるほか、部屋の雰囲気を演出する間接照明のように使ったり、スマホをワイヤレス充電できたりと1台4役の機能が。プレス向け新製品発表会にて実機を見てきました。

  • この中に家電が隠れていると聞くと、「背景の絵が実はテレビなのか? 」「真ん中のテーブルが怪しい」など、見つかるのに時間がかかりそう。部屋の雰囲気にしっかりと溶け込んでいます

    この中に家電が隠れていると聞くと、「背景の絵が実はテレビなのか? 」「真ん中のテーブルが怪しい」など、見つかるのに時間がかかりそう。部屋の雰囲気にしっかりと溶け込んでいます

LG PuriCare AeroFurnitureは、天面にイラストレーター・Chocomooさんがイラストを施した限定モデル2種類と、ピュアホワイトの通常モデル1種類をラインナップ。どちらも5月18日11時30分から応援購入サービス「Makuake」にて先行発売します。量販店での一般販売は7月を予定。

  • 左から、限定モデル「Chocomoo MUSIC」、通常モデル(ピュアホワイト)、限定モデル「Chocomoo LOVE」

  • 「Chocomoo MUSIC」の天板

  • 「Chocomoo LOVE」の天板

一般販売予定価格はどちらも59,400円ですが、Makuakeの先行販売では、限定モデルが24%オフの45,000円(2パターン)、通常モデルが20%オフの47,500円で購入できるプラン(どちらも先着20人)など、複数の応援購入プランを用意しています。発送期間は6月中旬。なお、量販店の一般発売時は、ピュアホワイト、ローズの2種類がラインナップされる予定です

  • 複数の応援購入プランを用意しています

  • 限定デザインのイラストを手掛けたChocomoo(チョコムー)さんがゲストに登場。白い部分を見ると絵を書き込みたくなるというChocomooさんは、「天板を1枚のキャンバスとして表現しつつ電化製品とマッチするデザインを心がけました」と語っていました

  • 一般販売時にラインナップする予定の「ローズ」

なるほど! テーブル型になって360度吸気のメリットが際立つ

まずは空気清浄機としての性能について紹介。LG PuriCare AeroFurnitureは、LGエレクトロニクス・ジャパンが日本市場向けに販売する空気清浄機の第3弾にあたります。第1弾の「LG PuriCare」は2019年2月に登場し、高さが約1mある点や、適用床面積が最大63畳のパワフルな性能が特徴でした(現在は終売済み)。

また、2022年11月にはペットを飼っている人向けの機能を充実させた空気清浄機「LG PuriCare Pet」を発売。前モデルから高さが半分近くに小型化したほか、ペットの抜け毛やにおい対策に特化した「ペットモード」を新しく備えました。

  • 「LG PuriCare」

  • LG PuriCare Pet

これら2機種は高さこそ大きく違うものの、側面全体に空気を吸い込む吸気口を配置。360度全方位から均等かつ効率的に吸気し、内部フィルターで空気をキレイにして、上方向へ空気を送り出す仕組みは共通でした。今回のLG PuriCare AeroFurnitureも同じ仕組みとなっております。

  • LG PuriCare AeroFurniture。本体サイズはW410×D410×H550mm、重さは約7.1kg

360度全方向から空気を吸引できるメリットは、室内のどこに置いても効率的に空気をキレイにでき、置き場所の自由度が高い点。一般的な空気清浄機の場合、部屋の真ん中に設置する場合は少ないかもしれません。しかし、LG PuriCare AeroFurnitureはテーブル型なので、椅子とセットで部屋の真ん中に設置するなど、360度吸気のメリットをフル活用できる製品だと感じました。

既存モデル2種と異なる点は、LG PuriCareとLG PuriCare Petが、吸気口として柱状の本体側面に大量の穴「エアーホール」を設けていたのに対し、LG PuriCare AeroFurnitureは、ライン状の溝に変更。これは“部屋に溶け込むデザイン”を重視してのものです。本体が小型化したこともあり、適用床面積は約10.5畳(19.8平方メートル)と、既存モデルと比べると若干性能ダウンしています。

  • 吸気口がライン状

お手入れ簡単な3層フィルター

空気をキレイにする内部フィルターは3層構造。外側から、ペットの抜け毛やほこりなどの比較的大きなゴミを除去する「洗えるプレフィルター」、PM2.5などの微細粒子や浮遊物質を除去する「HEPA抗菌フィルター」、ニオイをキャッチして分解する脱臭用の「活性炭フィルター」を採用しています。

  • 外側に巻く薄いフィルターが「洗えるプレフィルター」、内側の緑色の部分が「HEPA抗菌フィルター」

  • 内側のグレーの部分が「活性炭フィルター」

個人的に好印象だった点は、フィルターのお手入れが手軽な点です。マグネット式の側面カバーを外して、内部に飛び出ている持ち手を引っ張ると、3つのフィルターが一体化したパーツが登場。外側のプレフィルターは外して水洗いや掃除機でキレイにでき、2層目のHEPA抗菌フィルターは柔らかい布やブラシを使ってほこりを取り除けます。

ちなみにHEPA抗菌フィルターと活性炭フィルターは一体型のため、分解はできません。両フィルター(HEPA抗菌フィルター+活性炭フィルター)の交換目安は約3年間で、交換用フィルターはLGエレクトロニクス・ジャパンのカスタマーセンターから購入可能です。

  • カバーを取り外すとフィルターが現れます

なお、稼働中は内蔵するUV LEDライトが本体上部へ空気を送るファンに付着した細菌を、99.99%除菌。そのため内蔵ファンのお手入れは必要なく、フィルターをお手入れするだけで済みます。

  • 内蔵ファン

  • UV LEDライト

空清+テーブル+充電器+照明=1台4役以上の満足感

続いて空気清浄機以外の機能について。最初に紹介したように、LG PuriCare AeroFurnitureは、天面に物を置くことでテーブルとして活用できます。その際の耐荷重は約5kg。再生プラスチックを使った天板は耐熱温度114度のため、熱いコーヒーカップなども問題なく置けます。

ユニークな点は天板を取り外せ、別のカラーや形のものと組み合わせてカスタムできること。すでに販売されている香港や韓国では本体カラーがイエローのモデルや、四角い天板の「トラック型」、アーティストとコラボした限定デザインなどが販売されています。

  • 天板のみ取り外せます

  • スマホを充電する丸いスペースのみ本体カラーが残ります

今回の先行販売では、天板は丸い「ラウンド型」のみ、カラーは「ピュアホワイト」のみ、限定デザインはChocomooさんがデザインしたモデルのみなので、カスタムできるパターンは少ないですが、今後のカラーラインナップ拡充や新デザインの天板追加などが楽しみです。

  • 今後パーツが拡充されるとさまざまな組み合わせが楽しめるようになる

8色に切り替わる光で部屋の雰囲気をチェンジ

最後にスマホの充電機能と照明機能について。LG PuriCare AeroFurnitureは天板の一部がQi対応の充電パッドとなっており、Qi規格対応のスマホやイヤホンなどを10W出力で充電可能できます。

  • 実際にiPhone 13 Proを置いてみると充電できました。多少位置がずれても問題ありません

ライトは、天板裏にリング状のものを配置。明るさは2段階で変えられ、光色は8色を用意しています。オンオフと明るさは本体裏のボタンから操作できますが、光色はアプリからのみ変更できる仕様です。

  • リング状のライト

  • 8色から気分や部屋の雰囲気にあった色を選べます

  • 操作部は天板裏

ステルス家電の空気清浄機といえば、2022年1月にスウェーデンの空気清浄機ブランド「ブルーエア」から北欧家具のようなデザインが特徴的な空気清浄機「Blueaire DustMagnet」が登場。2022年7月には家具販売店のIKEAからサイドテーブル型空気清浄機「STARKVIND/スタルクヴィンド 空気清浄機」が発売されました。

今回発表されたLG PuriCare AeroFurnitureは、テーブルとして使える点は同じですが、360度吸気による置き場所の自由度の高さや、フィルター清掃の手軽さ、スマホをワイヤレス充電できる点やリングライトの搭載など、LG PuriCare AeroFurnitureならではの魅力を備えています。一般販売後の展開をワクワクしながら見守りたいと思える製品でした。